10.花嫁として迎えられる
あの家を後にした後、私は凪斗のお屋敷に戻った。
「相変わらず、ここの屋敷は大きいわね」
「まあ、そうだな。だが、東風谷家の本屋敷の方がここの屋敷の2倍だがな。」
「え?そうなの?」
「ああ。」
そう他愛もない話をした後私と凪斗は広間に行く
どうやら東風谷家の使用人達に私を紹介するそう
「別に緊張しなくていいからな」
「分かった」
そう言うけれど私は緊張してしまう
何せ、東風谷家の当主である凪斗の花嫁になり
花嫁として東風谷家で過ごすことになるのだから
使用人達にどう思われるのか不安で仕方ない
大広間の先の床の間の前に座布団が2枚引いてある
おそらく私と凪斗が座る場所。
片方の座布団に凪斗が座り私も座布団に座る
「お前達に紹介する。俺の花嫁となる舞花だ」
そう言うと、使用人一同頭を下げる
「この度は花嫁様をお迎えすることができて
使用人一同、ご光栄です!!」
(す、すごいわね…)
「頭を上げろ」
「はっ!」
凪斗がそう言うと使用人一同顔を上げる
「花嫁様」
「はい」
「花嫁様にご挨拶とご紹介をしてもよろしいでしょうか?」
「構いません」
「ありがとうございます。私は使用人頭をしています千恵と申しますそして…」
「私の隣におります、この者が花嫁様のお世話をして頂きます。朱里と呼びます」
「朱里と申します。精一杯花嫁様のお世話をさせていただきます。」
「よろしくお願いします。朱里さん」
「はい!」
「朱里、部屋は準備できているな」
「はい。」
「よろしい」
「今日から舞花は俺の花嫁であり東風谷家の女主人だ。無礼のないように気をつけろ」
「御意!」
そう言うと、凪斗は解散命令を出して
使用人一同広間から出ていった。
そして私は凪斗と朱里さんと一緒に新しい部屋に行く。
お茶ができそうな机一つと座布団が二つ
そして大きなベッドがある部屋で…
ん?待って大きなベッドが一つ?
「ねぇ、凪斗…」
「なんだ?」
「部屋にはベッドはこれだけなの?」
「そうだが?」
「まさかだけど、二人で…」
「別に問題ないだろう。夫婦なんだから」
「ええ!?」
「なんで驚くんだ。まさか、俺と一緒に寝るのが緊張するのか?」
「〜っ!?」
そう言われて顔を真っ赤にする私。
「違うってば!」と否定するけど本心は凪斗の言う通り。
緊張して仕方がない。
そんな私の姿を見てクスリと笑う凪斗。
おそらく私のこの姿を見て楽しんでいる。
「ああっもう!いいわ!一緒に寝るから!」
「そうか?」
「言っておくけど変に触ってきたりしたら承知しないわよ?」
「そんなことは俺はしない。」
「本当に?」
「ああ。」
そう言うと、後に
部下である彰人さんが部屋に入ってき凪斗てコソコソと話し出した。終わると凪斗は部屋から出ようとしていた。
「どこかへ行くの?」
「まあな。仕事が入った。」
「そう。じゃあいってらっしゃい」
「行ってくる。」
と言って、凪斗は彰人さんと一緒に部屋を出ていき
案内の仕事を終えた朱里さんも続いて出ていった。
私は誰もいないことを確認してから
凪斗と使うベッドに思いっきり飛び込んだ。
凪斗は舞花の照れてる反応を見て楽しんでいるという
以外な1面があります。