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お約束/煽り運転
5.お約束
立ちはだかるのは強大な敵。弾薬はとうに尽き果てた。俺の悪運もここまでかと思ったとき、背後から聞き覚えのある声がした。
「俺以外に殺されんなって言ったよな?」
振り返れば、昔日しのぎを削った敵対組織のライバル。なぜおまえがここに。問いかける俺にやつは不敵に笑って。
「とどめを刺しに来た」
6.煽り運転
「チッ、なにトロトロ走ってやがんだ!さっさといけ!」
「まあまあ落ち着いて。煽り運転は犯罪だよ?」
苛立つ男が執拗にクラクションを鳴らすのを、隣に座った女が制止した。貧乏ゆすりを繰り返す男に、女はある種感心したように語り掛ける。
「でも君、良く煽れるね。仮免教習の途中なのに」