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愚王/彼女選び
32.愚王
かつて、有能な王が治める国があった。しかし、彼には人の心が分からなかった。結果、反感を抱く貴族に王座を追われることとなる。刃が振り下ろされる瞬間、1人の騎士がその身を切っ先へと投げ出した。もはや王でない自分を守る意味は何か。やはり彼には、人の心が分からなかった。
33.彼女選び
昼休み、相談事があると同僚に呼び出された。なんでも彼女にプレゼントを渡したいのだが、どうすればいいかわからないので一緒に選んでほしいらしい。同僚は俺のデスクの隣に座る、山田さんを指さして言った。
「山田さんなんかどうだろう。年も近いし、俺の彼女になってくれそうかな?」