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エアバッグ/デスゲーム
27.エアバッグ
高速道路を走る男は、襲い来る睡魔に耐えかねていた。サービスエリアに寄ろうにもまだ距離がある。その時、カバンの中にガムが入っていたのを思い出した。男はそれを口に含むと、幾分上機嫌でアクセルを踏んだ。
「で、事故の原因は?」
「フーセンガムの膨らまし過ぎで、前が見えなくなったのかと…」
28.デスゲーム
『これから命を賭けたゲームをしていただきます』
周囲の人間がざわつく中、僕は悪寒を感じていた。不良っぽい男が吐き捨てるように言う。
「ドッキリか?下らねぇ」
いや、ドッキリなんかじゃない。これは本物の――。
『第2ゲームは、鬼ごっこです』
「なげぇな、このドッキリ」