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犬/青春

25.犬

『ウチの組に、警察のイヌが紛れ込んでいる』


 オヤジにそう言われ、組内を洗いなおして早2ヶ月。それらしき人間の情報は一向につかめない。気晴らしに倉庫で一服しているとき、なにやら物音がした。野郎、ついに尻尾を表したな。


「おい、誰だ――!」

 

 ドーベルマンが、俺の顔面にとびかかってきた。



26.青春

 いつもと変わらない朝だと思っていたら、下駄箱にラブレターが入っていた。たまたま居合わせた友人が大はしゃぎでからかってくる。”どうするか”って、そりゃ受け取ったからには真摯に対応しないとダメだろ。おい、笑うなって。全く…。


 でもウチ、男子校なんだよなぁ。

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