11/30
目で見て盗め/鍋
21.目で見て盗め
大正時代から続く名店の大将は、修行が厳しいことで有名だった。新しく入ってきた若者たちを怒鳴りつける。
「新入りに教えてやることなんかない!雑用しながら、目で見て盗め!」
後日、店の金庫から売上金が持ち去られていた。暗証番号は誰にも教えていないはずだが、盗み見られていたのか。
22.晩御飯は鍋
とあるスーパーにて、親子が手をつないで買い物をしている。親が夕飯のメニューは何にしようと頭を悩ませていたところ、野菜が安売りされているのを見てひらめいた。わが子に微笑みかけて言う。
「今日は鍋にしようか」
子どもの方が、大変に驚いた様子で。
「そんなの食べたら、お腹を壊しちゃうよ」