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未ジュクナデシ子  作者: 夜影 月雨
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美シイ星空

 私が図書室で泣いていると美華が来た。


椅子に座り一通の手紙を手に持ち、涙を流している私。

それに気づき、ある程度理解した彼女は、私を抱きしめにきた。


 「唯愛。今日は勉強せずに帰ろっか。他の人には私がうまく言っとくから先に外にでて待ってて」

そお言って私の手を引き、門まで連れていってくれた。



 空を見上げると、夕陽が沈みかけている頃だった。


圭と初めてキスをしたときもちょうどこの頃。

私はそれを思い出し、またさらに涙を流す。


すると

 「唯愛。お待たせ!」

美華が来てくれた。


 「皆にはうまく説明したから一緒に帰ろう。それか今日私の家に泊まる?」

私の様子を見て彼女は言う。

私が今一人になったらの事を心配してくれていたのだ。


 「ありがとう。美華。いいの?」

半べそをかきながら私は彼女の言葉に甘えた。


 「うん!いいよ!じゃあ荷物準備しに唯愛の家に一旦行こっか!」

その言葉を聞き、少し笑顔になる私。


思えばずっと泣いているが、少しずつだが強くなっているかもしれない。

そう感じたのだ。



 美華と私の家でお泊りセットの準備をし、彼女の家の近くまで行く。

外はもう日が暮れていた。


彼女の家に行く途中、以前に圭と会った公園の前を通り、立ち止まる。


 「ちょっと、この公園寄ってもいいかな?」

私は美華にそう伝えた。


いいよと言ってくれた彼女と一緒に暗くなった公園に入る。


前、彼と二人で話した時に座ったベンチに二人で座り、話をした。


 「先生。本当にいなくなっちゃったんだね」

私はそお言って彼女に圭の手紙を渡し、読んでもらった。


その手紙の内容に目を通した彼女は私に言う。


 「そうだね。いなくなっちゃったね」

二人は空を見上げた。


美しい満天の星空。ここから見ると星一つ一つはとても小さく見えるが、一生懸命輝こうと光を放っている。


 「こんなに未熟な私でも圭に出会ったことで、大きくなったかな?」

私は彼女に聞いた。


 「うん。大きくなってるよ唯愛は」

そお優しく答えてくれた。


 美華「この星たちは皆で支えあって、こんなにも美しい輝きを放ってるんだよ。一人じゃない。私もいるし、きっとどこかで先生も唯愛の事を支えているよ。きっと」

彼女のその言葉を聞き、気持ちがスッキリとした私。


 唯愛「よしっ!美華んち今日晩御飯何かな~!」


 美華「なんだろうね~!お腹空いちゃったね!今日はずっと一緒だし朝までずっとお話しよっ!」


 唯愛「うん!」


そお言って私たちは公園を出た。


その時に前にも見た、公園に咲く一つだけ育っていない”ナデシコ”の花が目にとまる。


その”ナデシコ”は前よりも少し成長してた。



 

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