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未ジュクナデシ子  作者: 夜影 月雨
33/39

誰モイナイ図書室

 彼がやったやり方。


でも一番の主犯である、ゆみ先生を私達から遠ざける事ができたが、自分自身は教師を辞めてしまった。

ここまでしなくても...。


そお思っていた。


謝ってきた女子生徒は、それからも何度も私たちに謝り続けた。

すると美華が口を開く。


 「私は...唯愛さえよければ許してあげてもいいよ」

そお私を見ながら言ってきた。


涙を流している女子生徒。

しばらく黙り、私は顔をあげて言う。


 「私は許さない。美華をあんなにもひどい目を合わせて。絶対に許さない。だからと言って、逆襲するわけでもない。だけど同じクラスの仲間として一緒に残りの学校生活を頑張って乗り越えよう。次、美華になにかしたら私が今まで美華にしてきたこと全てあなたにするから」

初めて自分よりも怖い人に言い返すことができた。


その女子生徒は、その場でしゃがみこみ泣き続けた。

美華は私の顔を見て、涙を流しこう言う。


 「唯愛。本当にありがとう」

初めて彼女を守る事ができた。

今まで守ってもらってばかりだった私。

美華を抱きしめ頭を撫でた。


 「うん。こちらこそだよ。三人で帰ろっか」

私はそお言い、しゃがみこんでいた女子生徒を起こし、その日三人で一緒に下校した。



 

.....一か月後



 「おはよー!唯愛!」

 「おはよー!美華!」

私たちはいつものように仲良く手を繋ぎ、二人で学校に行く。

 

学校の門を通ると校庭にはクラスメイト達がこちらに気づく。


 女子生徒A「唯愛ー!美華ー!おはよー!」

 女子生徒B「みんなおはよー!」


気づけば教室に着くまで私たちの周りに友達が二人も増えていた。


 女子生徒A「もうすぐ期末テスト始まるね!ちゃんと皆勉強してる?」


 女子生徒B「私、得意な科目しかしてないのよー!唯愛は?」


 唯愛「私は満遍なくしてるけど、どれも難しくて不安だよぉ。美華はどお?」


 美華「私は勉強しなくても、それなりにセンスでいつも乗り切ってるタイプだから!」


 女子生徒A「さすが美華じゃん!また後で出そうなところ教えてよー!」


 美華「いいよ!じゃあ皆で放課後図書室で勉強しよっか!」


 全員「オッケー!」


あの事がキッカケで仲直りし、前よりも仲良くなった私達。


イジメがあった事を決して許したわけではない。

だけど、前に進むチャンスをくれた。

勇気をくれた。


もし次に同じような事が起こりそうならば、私たちはしっかりと立ち向かう事ができる。


なぜなら私にはこんなにも大切な親友がいるのだから。




 授業中、隣の席にいる美華が私に手紙を渡す。


 「あれから圭先生から音沙汰あった?」


私はペンを走らせ、美華に手紙を返す。


 「なにもないよ。でも平気!私には美華がいるから!」

その手紙を読んだ彼女はこっちをみてニヤリとした。

そしてまたペンを走らせ手紙を書く。


 「可愛いやつめ。私に惚れたね(ニヤリ)」

その手紙を見てからかってきた美華。


私は彼女の方を向き、口パクで答える。




 「うん!美華!愛してるよ!」

それを聞き一気に顔が赤くなる彼女。


美華の究極に可愛い一面がやっと見れたのだった。



そして放課後。


 美華「唯愛ー!私今日掃除当番だったこと忘れてたから先に図書室行っててー!」


 女子生徒A「私たちも、先生の所に進路相談の事で話しにいかないといけないから少し遅れるー!」


 唯愛「えー!美華手伝うよ~!」


 美華「私が勉強してない間、少しでもやっとかないと、同じ大学に行けなくなっちゃうよ~!」

そう。私たちは二人で同じ大学に行くことを決めていた。

彼女は頭が良いため、私が頑張らないといけない。


 唯愛「じゃあ先に図書室に行ってるねー!」

そお言ってカバンを持ち、私だけ先に向かった。


図書室には相変わらず人はおらず、運動場から部活の掛け声がほんのり聞こえるぐらいの静けさ。


ふと本棚を見て初めて会った時の彼の事を思い出す。


フワッと吸い込まれそうな甘く癒やされる香り。

それに引き寄せられ、私は彼と出会った。


あの時、彼の授業が中途半端に終わり、気になって図書室に来た。

そしたら彼がいてその後キスをされた。


ふいにその時手にとった本が気になり、その本を探し、開く。



するとそこには....



 「唯愛へ」


彼の字でそう書かれた手紙が挟んであった。

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