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未ジュクナデシ子  作者: 夜影 月雨
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圭トノ出会イ

皆さんは運命の人にもう出会ってますか?



 私は高校3年生になった。

そして今日は新学期。中学から同じクラスだった「木下美華」とも同じクラスになれた。


 美華「唯愛ー!また同じクラスになったねー!」

と廊下の向こうから、こっちに掛けよってきて私に抱きつく。


 唯愛「うん。そおだね」


相変わらず美華は元気。


美華は私以外にも、たくさんの友達がいる。それに比べて、私は口数も少ない。


それもそう。


小さい頃からあまり愛情というものを受けたことがなかった。


親からも。


両親ともに仲が悪く、お互い仕事をしている為、家族皆が一緒に家にいることはほとんどなかった。


たまに仕事の休みが被ったときは、だいたい2人の喧嘩。


毎回。毎回。


少しでも会えば喧嘩。

幸い私に当たってくることはなかったのだが、幼いなりに私も気を使っていた。


だから大人に対しては顔の表情や後ろ姿、手の動きを見ただけでだいたいその人の感情がわかる。


親の顔色ばかり伺ってきたから。


それに比べて、同い年の人の事はよくわからない。クラスの人に、私自身から話しかけにいくことはほとんどなかったし、相手から声をかけられても、何を話せばいいのか戸惑ってしまっていた。

その為、声をかけてくれていた人もだんだんと減っていき、気づいたら周りに人はいなくなっていたのだ。


そんな中、美華だけは懲りずにずっと話しかけてくれた。

家が近いのもあったし、私がほとんど話さなくてもずっと、学校の話やバイトの話を楽しそうにしてくれる。


その懲りない彼女のおかげで、私も少しずつ心を開くようになったのだ。

他の友達ともうまくコミュニケーションを取りその上、私とも仲良くしてくれる。


そんな彼女と同じクラスにまたなることが出来て、内心嬉しかった。


 美華「次の担任の先生、どんな人かなあ~!新しく転任で来た先生になるかな?全校集会の時、遠目でしか見れなかったんだけど、あれ前髪あげたらイケメンだよっ」


 唯愛「そっそおなんだ。。」

自然と息が詰まる私。


実は私も全校集会の時に見て思っていた。

背が180センチ後半ぐらいの高身長で瘦せ型。髪はマッシュっぽいが、ワックスをつけて髪を遊ばせてる。前髪おろしていたから顔全体はそんなに見えなかったけど、恐らく目は細目。

声も低くゆっくり口調。

どちらかと言えばミステリアス。


マイクで挨拶してたけど、女子生徒全員、正直その声と雰囲気に吸い込まれていた。


私も同様である。


 美華「席に座ろっ!いよいよ誰になるかな~!」

彼女をはじめ、他の生徒もそわそわし、彼女に手を握られながらチャイムと同時に席に着いた。


 すると、ゆっくりと教室のドアが開く。

開けたドアから小人の部屋に入るように頭を傾け先生が入ってきた。


 あの先生だった。


私の胸の鼓動が急に高まり、今まで感じたことのないドキドキ感。


 その先生の名前「真田圭」である。


先生は教卓の前に立ち、皆を見下ろすように、深く頭を下げて挨拶をした。


 「今日からここの担任になります。真田圭と申します。よろしくお願いします」



私と彼は全てここから始まった。

 

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