プロローグ1
~ 幼少期の頃の出来事~
俺、レイヤ・ウィズレイドは金髪の少女、ミレイヤ・クラリスは同じ村の出身だった。ミレイヤは心の優しい少女で他の子供たちからも人気があった。
しかし、ミレイヤは俺と一緒に遊んでくれて仲を深めることができた。丘の上で一緒に寝たり、鬼ごっこをしたりとそれは様々だ。
小さい頃から一緒に遊んでいたためだろう、俺はミレイヤが何が言いたいのかや、今どういう気分なのかを把握することができた。ちなみにミレイヤは普通の人はそんなことは把握できないと言う。
まぁ確かに俺は人の気持ちを理解することが得意だから普通だと思ってしまうだけかもしれないが……。
少し変なところもあったが俺たちは仲良く幸せに一村人としての生活を送ると思っていた。
しかし、そんな幸せな幼少期は唐突に終わりを告げることになる。
俺たちの世界には個々の能力を可視化する装置、俗に言う、ステータスというやつがある。人のステータスを見る方法は少なく、【鑑定】スキルか、魔道具の水晶でしか見ることが出来ない。しかも【鑑定】スキルを持っている人は貴重で王城の執事をしたり、入国管理をしたりするため、街中で見かけるようなことは滅多にない。そして、魔水晶は数が少なく、高価なためあまり姿を拝むことはない。
そのため、昔は自分の才能がわからず、才能がある人間が正当に評価されなかった。そこで、満10歳になる子供は教会に集まって一斉に魔水晶で自分の『ジョブ』や『スキル』を見る。ステータス自体は低いが生まれ持った才能を見ることができるため将来の自分の職業に役立ったりする。
ちなみに国の為に有益と認められれば生活の保護などが受けれる、らしい。
……――……
俺たちはお互いに10歳になった。物心すらついていなかったあの頃とは違いミレイヤは金髪の髪が長くなりより一層美しさを増した。そして俺はそんなに外面も内面も変わらずまぁ良くも悪くも何も変わらなかった。
10歳になったということはそう、教会に行きステータスの確認をする日になったということだ。普通、そんなにレアなジョブが出ることはなく、最近だと勇者や賢者、守護者といった、戦闘系のジョブが出てきているぐらいらしい。だから誰も特に何も気にすることなく将来はどんな職業に就いたら有利なのかな~と考えるぐらいだ。
俺もミレイヤも同じ日にステータスの確認に行くので終わったら遊ぼうよ~、とか本当に何も考えていなかった。というか考えている子供のほうが少ないまであった。
家から教会まで行き、家族全員で個々のステータスを見ることになっている。
「今からステータスの確認をする。これは国王様が才能あるものを見つけるためにお作りになされた制度だ。国王様に感謝して自らのステータスを確認しなさい。」
という司祭の言葉から着々とステータスの確認が始まった。と言ってもそんな多く人がいるわけでもない俺たちの番はすぐに回ってきた。
そして、ミレイヤが魔水晶に手を触れた時だった。
パアァァァァァァァーツ
急に辺りが輝き初めて白い光が周りを包み込んだ。
「な、なんだ?何事だ?」
司祭が叫び、辺りが蠢き始めた。
そして、衝撃の事実が明らかになる。なんと、ミレイヤのジョブが【聖女】だったのだ。
最近、【勇者】などのジョブが出てきているから、魔族の活動が活発化しているんじゃないか?という噂もある。何故なら勇者が現れるのは普通の人間では手が負えない時だと言われている。そして、勇者しか魔族の王、魔王を殺すことが出来ない。
だから殆ど確率で魔王の動きがあるということだ。魔王はこれで5人目で魔王は就任制だ。魔王はこれからもずっと増え続け、人間を殺し続けるだろう。だからこそ勇者がいるのだ。
そして、勇者はパーティーを組む。そのパーティーのジョブが【勇者】【聖女】【守護者】【賢者】である。だからこのジョブを持つものは必然的に少なくとてもとてもレアである。
つまり、ミレイヤは将来勇者パーティーの一員として人間を救うことになるのだ。そしてそれは俺とミレイヤとでは格が違うのだ。
「私、勇者パーティーに入れるのかな?みんなのこと、守れるのかな?」
ミレイヤは将来に想いを馳せているようだ。
司祭は慌てふためき王都への手紙でも書いているのだろう。それが王都に伝わればミレイヤは聖女としての人生を歩み始めるのだろう。
そして俺は若干気落ちしている。これからはミレイヤとは一緒に過ごすことが出来ないのだ。俺の人生設計は狂ってしまったのかもしれない。
俺は何のジョブなのだろうか。あまり期待はしていないが俺も魔水晶に手を触れた。
そして、……。
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