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2-16カイトの仲間たちを知る

「あとは全ては運任せか、……僕はあまり運は良くないんだけどね」

「リタ様は強運です、だってその黄金の本をみつけたじゃありませんか」


「それでもう、僕の幸運はつきていたりするかも」

「大丈夫です!! 私の分の幸運をお分けします!!」


「そうかい、ふふふっ。ソアンの運を分けて貰えるなら大丈夫そうだ」

「はい、私は100歳まで生きられないと言われてました。でも今は150歳です!! 私はとっても強運です!!」


 ソアンは僕たちに一家に引き取られた、その当時は痩せていて栄養状態も悪かった。だがしっかりとした食事と豊かな自然に囲まれた環境で、すくすくと育って今のような丈夫な元気な子になったのだ。村に来た最初の頃はソアンは100歳まで生きられないとも言われた、でもソアンは今はもう150歳でとても元気でいるという確かに強運の持ち主だ。


 ソアンの強運を分けて貰えるならエリクサーもすぐに見つかりそうだった、実際にはそんなに簡単にはいかないだろうがそんなふうに思うことができた。だから僕は希望を持つことを諦めずにすんだ、毎日のように黄金の本を見てハラハラはしていた。だがそれでもまだ残っている1という数字と、ソアンの力強い言葉のおかげでくじけずにすんだのだ。そんな会話をした翌日、僕の調子はようやく良くなった。


「よし、ソアン。今日は僕も起きられそうだ」

「それは良かったです、リタ様」


「朝食を食べたら、エテルノのダンジョンへ向かおう」

「はい、今までに作った地図を全て持っていきましょう」


「捨てずにとっておいて良かったよ、おかげでいくらか調べる場所を減らせる」

「一度行ったところには用はありません、なるべく効率良く調べていきましょう」


 僕たちは宿屋にある酒場で朝食をとると、必要最低限な薬や武器などを持って、エテルノのダンジョンに向かった。相変わらず人で溢れていたが、その数はやや減ったように思えた。エリクサーがいつまでも見つからないから、最初の勢いがなくなってきたのだと僕は思った。そして、エテルノのダンジョンの入り口に並ぶ列でまたカイトに再会した。


「やぁ、カイト。久しぶりだね」

「お久しぶりです、カイトさん」

「おおぉ、リタとソアンじゃねぇか」


「僕たちもまたエテルノのダンジョンに入りに来たよ」

「エリクサーが狙いですから、ライバルになりますね!!」

「そうだな、お互いに頑張ろうぜ!! それと、俺の仲間を紹介してやる!!」


 そう言ってカイトが紹介してくれたのは魔法使いのエル、シーフのオルロ、神官のセラという三人だった。魔法使いのエルは黒髪に黒い瞳の男性だった、シーフのオルロは赤い髪に黒い瞳のやっぱり男性で、パーティの中で神官のセラだけが女性で青い髪に綺麗な緑の瞳をもっていた。


「短剣使いのリタです、精霊術も使える時があります」

「リタ様の養い子のソアンです、大剣を使います」


 そうして紹介された三人に僕たちも自己紹介した、三人ともカイトと違って20歳くらいの冒険者だった、20歳くらいで金の冒険者なのだからそれだけ才能があるのだろうと思われた。


「魔法使いのエルだ、私が一応はリーダーだ」

「シーフのオルロです、俺は罠探しが得意だ」

「神官のセラです、私が『鑑定(アプレイゾル)』が使えます」


 僕はそこで神官のセラという女性をよく観察した、大人しそうだがいざとなればある程度は戦えるのだろう、それに『鑑定(アプレイゾル)』が使えるというのは大切なことだ。カイトとは会ったのは数回だが信用ができそう子だった、だからもしエリクサーを見つけ出せたらこの神官のセラという女性、カイトの仲間である彼女に『鑑定(アプレイゾル)』を頼むのもいいかと思ってよく顔を覚えておいた。


「リタ様、まさか一目惚れですか!? そんなにじっと見つめたらセラさんが、ほらっ困っているじゃないですか!?」

「いや、別にそんな意図はなくて、『鑑定(アプレイゾル)』が使えるなんていいなと思っただけなんだ」

「あらっ、残念ですわ。こんな綺麗なエルフさんに出会えたのに……」


 神官のセラという女性はそう言ってクスクスと笑った、カイトや他の仲間たちも彼女と一緒になって笑っていた。カイトは本当に良い仲間に恵まれているようだった、僕は自分がしてしまった非礼に対してセラさんに詫びた。セラさんは僕のことを快く許してくれた、ソアンが何故かぷうぅと頬をふくらませていたので、僕はついその頬をつついてしまったら、今度は彼女はふぅ~とため息をついていた。


 カイトのパーティとお喋りなどしつつ、エテルノのダンジョンの入り口への列に並んでいた。そしてそれぞれの順番が来たので軽くお別れをして、僕とソアンはエテルノのダンジョンにまた入っていった。そこにあったのはまたしても森と青い空だったが、僕たちは焦らずに黄金の本を開いて地形を見比べてみた。


「ソアンのあの山はここだろうから、僕たちがいるのはこの辺りかな」

「そうですね、リタ様の言う通りだと思います」


 そうするとエテルノのダンジョンがある島、そのちょうど北東の端辺りにいることが分かった、近くに建物が描かれていたのでそこに向かってみた。僕たちはその建物の中に罠がないことを確認しつつ入っていった、そうするとまた薬瓶の山がそこにはあった。だが、そこにあったのは一番珍しくない青い薬瓶ばかりだった。どうやらここは珍しくない常備薬の倉庫らしかった、珍しい薬瓶は見当たらなかったので、僕たちは手ぶらで外にでることにした。


「うわぁ!?」

「きゃあ、リタ様!!」


 建物の外に出た途端のことだった、一匹のデビルウルフに僕が襲いかかられた。僕は咄嗟に短剣を抜いてそのデビルウルフへ振るった、おかげでデビルウルフに噛まれはしなかったが、よく周囲を見てみると他にもデビルウルフが何匹も集まってきていた。僕とソアンはすぐにまた建物の中に戻った、この建物は古代の遺跡だ、ちっとやそっとの攻撃では傷もつかないはずだ。


 しかし、これは困ったことになった。集まってきたデビルウルフの群れは20匹以上はいた、僕とソアンでは相手にするのが難しかった。だから僕は安全な建物の中にいるうちに精霊へと呼びかけた、幸いにも最初の呼びかけで水の精霊ウンディーネが応えてくれた。透き通った水で人間の女性の姿を形作ったような精霊だった、僕の手のひらにおさまるくらいに小さいが、これでなかなか恐ろしい精霊でもあった。


「ウンディーネ、どうか僕たちをデビルウルフから助けて欲しい」

読み終わったら広告の下にある☆☆☆☆☆から、一話ごとに★をください、★は何個でもかまいません、貴方の気持ちを★の数にして贈ってください。


例:★大嫌い ★★嫌い ★★★普通 ★★★★良い ★★★★★とても良い などでどうぞお願いします。

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