表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/51

秘めた力

◇◇◇


魔力を枯渇したシルヴィアの身体は、流れ込んできたルフの神力を、細胞の隅々まで行き渡らせた。


シルヴィアの魔力が精霊を魅了するように、ルフの神力はシルヴィアを魅了した。ルフの神力はシルヴィアの身体を満たし、内に秘めた力を覚醒させた。


◇◇


「……ルフ」

『目覚めたか。気分はどうだ』


シルヴィアは寝台で目覚めた。いつも通り、隣にはルフが寄り添ってくれている。部屋には二人だけ。とても気分がいいわ。あれは夢だったのかしら?シルヴィアはじっとルフを見つめた。


『如何した』

(わたくし)は……、気を失ったのですわね)

『魔力が尽きておった』

(ご心配をお掛けし、申し訳ございません)

『二度は許さぬ』

(はい。肝に銘じますわ)


(ところで、(わたくし)はどれくらいの間、気を失っていたのでございますか)

『一日だ。今朝は少し寝坊したな』

(ふふふ。ルフのお側は余りに心地良く、離れ難うございますが、これから日課をこなしてまいりますわ)

『ならぬ。貴女(そなた)に話がある』

(畏まりました。どの様なお話でございますか)


シルヴィアは真っ直ぐにルフを見つめたまま、言葉を待った。


貴女(そなた)に神力を注いだ』

(ええ。お側にいる限り(わたくし)は常にルフの神力で浄化されておりますわ)

『うむ。魔力を枯渇させた貴女(そなた)を放っておけず、我の神力を直接注ぎ込んだのだ』

(……では、今、(わたくし)を満たしている魔力は、ルフの神力、なのでございますか)


シルヴィアは不思議そうに自分の小さな手を矯めつ眇めつ眺めた。


『ああ。そして、その神力が貴女(そなた)の内に秘めた力を覚醒させたようだ。心せよ』

(秘めた力とは、どの様な力ですの?)

『分からぬ』

(まあ……、それは、楽しみですわ!)


目を輝かせ、好奇心を露にするシルヴィアに、ルフは呆れ、愉快になった。


『シルヴィア、愛している。我は貴女(そなた)の虜だ。日毎に愛しさが募る。昨夜は、早く目覚めてくれぬかと眠れなかった。シルヴィア、早く大人になってくれ』

(!!!)


シルヴィアは赤面した顔をルフの胸に埋め、こくりこくりと頷いた。



心臓がドキドキして胸が苦しいわ。いつもなら落ち着くはずの、ルフの声と温もりと匂いと鼓動が、シルヴィアの心をかき乱した。

離れたくないのに、このままでは心臓が止まってしまいそうですわ。……と思っていることも、ルフにはお分かりでしょ!


えいっ!とシルヴィアは頬を赤らめたまま、身を起した。


「ルフ。(わたくし)は何が出来るようになったのかを知りとうございますわ」と宣言し、心を静める為に、早速、実験いたしましょう、とルフに微笑んだ。


『顔が赤いぞ』

「存じておりますわ。全身真っ赤に火照っておりますもの!」

『そうか。ところで、どうやって確かめる気だ』

「……、如何いたしましょう?」


暫く見つめ合ったが答えは出なかった。


(先ずは、整理いたします)


◇◇


精霊の中には、特殊な能力を持つ者もいる。

特殊能力を持つ精霊に愛されたものは、その能力を使えるようになる。


精霊の加護を授かった【祝福(ギフト)】持ちは、能力を【隠密】することも出来る。


【癒やし】は心身を正常な状態に戻す治癒能力。

周囲にいるだけで心地が良いので、いろいろと寄って来る。

死者を生き返らせることは出来ないが、【創造】との合わせ技で欠損部位を再生することも出来る。


【浄化】は清浄能力。

洗濯や掃除しなくても、清潔に暮らせる。

だが、魔獣を普通の獣や聖獣に浄化することは、出来ない。


【心眼】は相手の真意を知る能力。

嘘偽りは通じない。

本人すら気付かない本質や能力を見極める事が出来る。


【創造】は見るだけで全く同じものを創り出すことが出来る能力。

道具や料理だけでなく、技術さえも習得出来る反則技。

だが、素材は必要。

無から有は創れない。


【空間】は時間が存在しない異空間収納のような能力。

容量は精霊の力によって様々。

収納した時の状態を永久に保つ。

なので、熟成させたいものを入れてはいけない。


【鑑定】は見た物の性能や成分が判る能力。

真贋もお見通し。


【隠密】はステルス能力。

他者の記憶を曖昧にすることも出来るし、完全に認識されない状態にも出来る。


◇◇


(……と、精霊様に教えて頂きましたわ。【祝福(ギフト)】持ちになった(わたくし)は【隠密】【癒やし】【創造】の特殊能力を授かりましたわ。【浄化】はルフの神力が強力すぎて、よく分かりませんわ)


『特殊能力を持つ精霊は、内に秘めた力に惹かれる。元から無い能力は得られぬ。貴女(そなた)の魔力が媚薬のように精霊を魅了したのは、摩訶不思議な魂と【癒やし】【浄化】の力を秘めておる故だろう。貴女は【心眼】【鑑定】も秘めておる。恐らくは【空間】もだ』


シルヴィアは目を輝かせてルフの話を聞いていたが、ふと疑問に思い、尋ねた。


(【空間】も……、でございますか?ルフは何故、その様にお考えですの?)

『過去と現在。時空を越え融合した魂』


シルヴィアは「えっ」と息を飲んだ。


◇◇◇

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ