【転生先は魔法の存在する異世界と決まったらしい】
ある日の平日。
仕事を一旦終え、お昼ご飯も食べ終え会社に戻っている途中
「きゃぁぁああああぁぁぁあぁ!!!!!」
耳を劈くような悲鳴が後ろから聞こえてきた。
振り返って声のした方を見ると、俺の視界にはカバンをひったくられそうなおばさんが写った。
仕方ないから助けるために走り出したとき、青いスーツのお姉さんにぶつかっていた。
「あっ!すいませ、うっ、、、ゴフッ。。。」
最後まで言えず、地面に膝をついていた。
そのままアスファルトの地面に倒れこむ。
腹部がわずかに温かくなってきた事に気づき、見るとスーツを赤く染めていた。
刺されたのだろう、血が流れ出ている。
刺したであろう刃物は既に無く、俺の血は止まることはなくあたりを赤くしていった。
頭に靄が掛かかり意識を手放す寸前に俺は
『あの青いスーツの女性、とんでもなく美人だったな。』
なんて、冷静なのか困惑しているのか、自分を刺したであろう女性をただ思い出していた。
―――――――――――――――――
「ぁぁぁああぁぁぁぁああああ!!!俺のPCとスマのデータ消してぇぇぇえええ!」
自分の叫び声で飛び起きる。
起き抜けのような頭の働かない状況であたりを見渡すと、白い。とにかく白い。
床もない。壁もない。何もないのに、浮いてるわけでもない。とにかく何もない。でもなんか白い。
「、、、しろっ!!」
しばらくして、口から出た感想が頭の悪そうなもので、自分で悲しくなる。
自分の頭の出来を悲しんでいると目の前に何か白い物体が佇んでいる事に気がついた。
なぜかその物体と目が合ったような気がしたが、気のせいだろう。
≪、、、(ニコ)?≫
ゴシゴシ。
目をこすってもう一度見つめてみる。
≪?、、、(ニコ)≫
うぇ、笑った?
ただの白い物体なのに笑ったように見える?
俺の頭がおかしくなったのか?
『そろそろ頭の整理がついたかな? ちょっと時間かかりすぎじゃない?
でも仕方ないか、死んじゃった直後だもんね。
少しぐらい、、、めちゃくちゃ混乱しててもしゃーなしか、プフッ。』
あれ? なんか白い物体しゃべってない?
凄いな、言ってる内容は何も理解できないけど。
驚いていると、白い物体が人の形に変わっていく。
『よく落ち着いて聞いてね。』
白い髪にダイアモンドの瞳をした、人の形をした何かが話し始める。
『きみ、神前 琴乃くんは、今回刺殺されてお亡くなりになりました。
って落ち着けなよねぇ、まぁいっか。
普通はそのまま死後の世界とかに行くらしいんだけどぉ。今回は僕が君を気に入っちゃったので、この世界とは違う僕が創った別の世界に転生してもらいます。
僕が作った世界だけど、何かあっても責任は負えません!
とりあえずここまでで質問、ある?』
質問? 不明点や問題、急な事が多すぎて何から聞けばいいのか分からなすぎる。
とりあえず何か、なにか質問を
「あの、なぜしn
『じかんぎれーーー!
次の説明に移るよ。
僕はこの世界の神ではありません! でも、この世界の神とは友達だからね!
お願いして君を連れてっていい事になったの! うれしいねぇえ。(僕が!)』
俺の質問は被せられて聞けなかった。
なんかよく分からない理由で異世界に連れていかれる事だけは理解できるよ。
うん。 わけわからな過ぎて泣けてくるんだけど、ただただこの状況から助けてほしい。
『でね、ここからすっごく重要だからメモしてね!
ってメモする物無いんだけどねーー。ちゃんと覚えておいてね!』
かっるっ! やばいやつだよ。。。
怒涛だ、ほんと怒涛の勢いだけど、覚えないとまた死ぬのか?
全力で覚えないとやばいよな、きっと。
『うんうん!覚えようとする気持ちだけでも持ち直してくれてよかったよ。
転生してからすぐに死んじゃいましたとか、つま、、おもし、困っちゃうもんね!
じゃあ、話すよ!
琴乃くんには魔法のある異世界に転生してもらいます。
魔法の能力は遺伝性が強いからすぐ何の適性があるか分かるかもね!』
魔法のある世界とかファンタジーかよ。転生系の小説とかにはよくあるもんな!
これからゲームが始まる! みたいなわくわく感が少し生まれてくる。
『おっ! ちょっとわくわくしてきちゃった?
でもね注意してね。魔法があっても現実の世界だからゲームみたいに蘇生とかしないからね?
そういう魔法があるかもしれないけど、現実の世界だって事は忘れちゃダメだよ!』
考えてること筒抜けなの凄いけど、嫌だな。頭の中見られているみたいで恥ずかしい。でも気を引き締めろって忠告だよね、とりあえず気を付けよ。
『うんうん!いい心がけだね。素直でよろしい!
あとは、僕の世界以外から転生するのは琴乃くん一人だけで今後も増えないから寂しくならないようにね!
それとぉ、この世界は一度無くなっててね、もう一回同じように作り直した世界なんだ。
前回はちょっと歯車が嚙み合わなくて、仕方がなかったんだけど。基本的に僕は干渉しないからそこだけは四露死苦ぅ!って縁起でもないね 笑
そういう事だから、転生始めるねぇ』
えっ? 質問コーナーは? あぁぁああ、体が光出してる。
これもう転生始まる感じじゃん、やばっ、意識遠のいてきた。
光に包まれながらとんでもない眠気が襲ってくる。
『それじゃぁ、いってらっしゃい! 僕の世界を楽しんできてねぇ!
いずれ僕と会うことになるから、お土産げ話待ってるよぉ!』
最後に自称神の見送りを聞きながら、俺は目を閉じた。
しばらくしてから目を開けてみると、目の前には天使の絵があった。
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