プロローグ 【悪役令息の退場】
皆さま始めまして、花緒と申します。
この作品はゆるーく連載していくつもりの為
皆様もゆるーく読んでいただけると幸いです!
ついでに楽しんでいただけたら作者は喜びます!!
学園の卒業式が終わり、卒業生達で行われる本日のメインイベント。 舞踏会が始まった。
舞踏会が始まってからは、軽食をつまみながら過ごしていた僕の元に突然の悲劇が襲ってきた。
ビッッッターーーーン!
突然の平手打ちに左頬を抑えて唖然としていると、軽く巻いたワインレッドの髪を長く垂らした、緑の瞳の女性が僕に向かって罵倒を浴びせる。
「魔物の血の混じった汚らしい男性との婚約なんてありえませんわね。人間でもないあなたとの婚約はこの場を持って破棄させていただきますわ!!」
急な平手打ちを受け左頬をおさえながら呆然としてしまった。
避けようとすれば難しくなかったけど、警戒してなかったからか反応が遅れて受けてしまった。
彼女はこの国の第一王女だ。
12歳の時に国王と僕の父とで取り決められ、彼女は僕の婚約者となった。
婚約後、数回会ったことはあったけど、学生になってからは彼女が恋人を作り話すこともほとんど無くなってしまった。
といよりも、彼女に避けられていたような?
うーん? 叩かれるほどの事は何もしてなくない?
「何とかお言いになったらどうですの?
魔物の分際で、御父上である国王陛下にわたくしとの婚約を迫ったのでしょう?
そんなにわたくしと婚約なさりたかったのかしら。はぁ、、。」
すこーし過去を思い返していたら、時間がたっていたみたいだ。
彼女は持っていた扇で、僕を指し示しながら糾弾する。
未だに言っている意味を理解できず呆然としていると。
ビッターーーーン!
二回目の平手打ちを受けてしまった。
叩いてきたのは目の前の女性の隣にいた、水色の髪と黄色の瞳をした青年だった。
彼はこの国の侯爵家の長男で、ベルラド・バートンという名前だった気がする。
いや、べラルド・ボートンだったかもしれない、あんまり記憶に残ってなくて思い出せない。
目の前の王女と恋人関係で、最近では周りに対して態度がでかくなっていたような気がする。
「お前のような存在がこの国を汚すのだ!
彼女が断れないよう国王陛下へ直接婚約の話を打診し脅して 彼女を手に入れようだなんて、不遜で汚らわしいにも程があるだろう!! 恥を知れ!」
言葉が途切れるのと一緒にまたも平手打ちをされそうになったので
さすがに避けたところ青年は顔を真っ赤にして切れ散らかし始めた。
「フッ、、、ぷふっ、っ、、あははははははははは」
僕は我慢できず吹き出してしまっていた。
余りに訳が分からず、言った本人は茹蛸のようになっているのだから我慢できずに笑ってしまっても仕方なかったんだ。
「ふざけているのか!!この悪魔が!」
激昂している青年に冷めた視線を送ると一瞬怯えた表情をした。
その後、また顔が真っ赤になっている。
僕の視線に気づいていないのか、王女は強気だ。
「急に笑い出して訳が分かりませんわ。
、、、汚らしい者の考えなど分かりたくもございませんが。」
激しく感情を露わにし、醜い物とでも言いたげな表情でこちらを見てきた。
「、、、はぁ。」
自国の将来がとても不安になってしまう。
この国の貴族は大丈夫なのだろうか。
学園を卒業する侯爵家の嫡男が感情をコントロールできず、王女でさえも喚き散らしている。
僕の未来も思いやられるなぁ。
周りの貴族たちはどんな気持ちでこの寸劇を眺めているんだろうか。
先の不安を覚えながらも、この会場を早く退場する準備を始める。
僕は左手を右胸に添え軽く腰を曲げた。
「そのようにお考えだったのですね。私のような汚らしい存在にご高説いただき有難く存します。
あまりの崇高なるお考えだったため私の理解が追いつかず大変失礼をいたしました。
そのような汚らわしい者がいつまでも王女の目に写ることは大変失礼かと存じますので、これにて失礼いたします。」
姿勢を戻し、口の端を上げ不敵な笑みを浮かべ王女とその恋人へ視線を戻す。
一泊置いてから振り向き歩き出した彼はとても優雅で美しかったらしく、周りの貴族は見ほれる事しかできなった。
背筋を伸ばし、僕 ウィルラド・ヴァンラームは舞踏会場を退場した。
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