2話 激戦区は無理よね
ハァハァ……
話は戻り、俺は屋上から咄嗟に階段を駆け足で降り、5階から4階へ4階から3階へと向かった。1階に降りきる前に撃たれると思い3階の廊下を走り、トイレらしき場所へ向かう。
金髪の男が暴れながら追いかけ回してくる。
『ちょっ。逃げんな。ちょちょ!』
パルルルルルルルルルルルルルルル(金髪が銃を乱射する音)
金髪の男は狂ったかのように銃を乱射する。
「そのまま弾枯れちまえー!!このパリピが!!」
ソエダは走りながら叫んだ。
全力疾走で逃げて来たソエダはトイレに到着すると、目の前には男子トイレと女子トイレが分岐しており、女子トイレに駆け込んだ。ソエダの目に映ったのは、ピンク色の花柄の壁紙と地面のこれ…なんていうのか…とにかく!男子トイレとは全然違う禁断の花園だった。(意味不明)
そこから、一番奥から…二番目の便器へ入り、扉を閉め荒れた息を両手で塞ぎ息を潜めた。
「ふしゅふしゅっーふしゅーはぁはぁ」
心臓の鼓動を抑えることで胸いっぱいの中、忘れてた右肩が痛み出す。
「(ズキン)右肩は痛いし、血がダクダクだし……≪忍法卍変態女子トイレ隠れ身≫の術が早速看破されたのではないのか…あわわ…あわわ…」
あわわ…あわわ…ソエダは焦り出す。
そして、ソエダは自分の服装に違和感を感じた。視線を自分の身体に向けると
下半身は深い緑色の短パンに、上半身は
「なんで、白のタンクトップやねん。」
純白のタンクトップだった。おまけに血のペイントで台無しである。
服装には疎いほうだが、生まれて一度も着たことのないタンクトップ。かなり露出高い仕様だ☆
っというか、貧困層丸出しの格好である…。これガラケー時代の初期アバターじゃん…
「あー…こんなアバターみたことあるなぁ…ゲーム内で…ネトゲ―でもあったな…」
ソエダは肩の痛みより、女子トイレで潜む「タンクトップ野郎」と言う変態事実に絶望した。
それはもう目の前が真っ暗になるぐらい絶望した。
「タンクトップ!タックル!!」
仕方なく強さをアピールするかのようにタンクトップタックルを演じてみた。
「あかん!これ言うたら消されるやつや!」
謎に一人漫才をし始め、正気に戻った。
さて…絶望してはいられない!!
今まさに、殺されかけてるのだから。
万が一にバレたことも考え、周りに何かないか分析・観察する。
周辺には、トイレットペーパーと便器がある。
「……………。服の中には!?」
タンクトップに、何か付いてるあるわけもなく、短パンには…
「ん?」
ポケットに手を差し伸べると
「じゃじゃーーん」
≪ソエダはSHINOBIを手に入れた。≫
「かたじけないでござる…(涙)てか、電源入ってないじゃん!電池ないとかやめてくれよぉぉぉ」
分析らしい分析もせず、たまたま短パンのポケットに入っていたスマホを発見したが、電源が入っておらずテンパるソエダであった。
焦る間なく
バルルルルルルルルルルルル
ガチャキャンコンドドド パシャーーーン(金髪男が銃を乱射し暴れまわる音)
近くで響き渡る。どうやら、男子トイレに行ったようだ。
金髪でチャラ男だから興奮して女子トイレに来る確立が高かったが、常識的に男子トイレに行く、
紳士であったことに対して助かります。ありがとう…金髪パリピ君…そしてさよなら…
ソエダは一時の安堵を手に入れ、スマホの電源を長押しした。その最中に
ドゴーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーン!!!!(爆発音)
物凄い爆風と共に、お隣さんのお花摘むべき場所が爆発により、爆風で木端微塵に吹き飛んだ。唖然としたソエダはスマホの電源ボタンを長押しにしたままだった。
『Hello!ソエダテンペスト!私は貴方をサポートするAIです!まず、プライバシーを保護すべくパスワードを設定を行いますか?』
「…………。」
スマホの電源が入り、初期設定開始の案内をAIが自動音声でし始めた。
ソエダはSHINOBIが起動した喜びより、爆破されたお隣さんに言葉を失った。
爆風後、散り散りと建物が壊れ、便器が壊れ、水洗の配管が破裂して水が散乱する。
「うわっ!水飛沫が飛んでくる。きちゃね!ペッペっ!!あっ、女子トイレだからいいか!!」
一体何がいいのか、よくわからないものである。
金髪の男が襲撃されるかも知れない状況だが、恐る恐るソエダは、爆破された女子トイレと男子トイレの壁の方へ寄った。すると、
金髪の男はグロテスクに人体ぐちゃぐちゃにもならず、血痕らしき血痕もなく男子トイレで倒れていた。それを見たソエダの感想は
「きちゃね…普通に考えて男子トイレで寝るぅぅ?」
ソエダは、金髪男が男子トイレで寝ころがっている事に対して嫌悪に感じた。だが、金髪男が倒れてるということは、襲われることがない証であり、我々の勝利である!!
「さて、このスマホで何が出来る見てみよう。」
スマホを触りだす。ポチポチ
初期設定のセットアップはスキップしまくり、ホームが画面にたどり着いた。
だが、スマホの中身には「手裏剣アプリ」というもの以外入っていなかった。
「とりあえず起動……」
すると、画面内で手裏剣がクルクル回り出す映像が映り出す。他にタップするとこはなく手裏剣がただただ回っているだけであった。
「なんじゃこれ、手裏剣を眺めるアプリか?使い道がよくわからんのぉ。とあるゲームみたいに引っ張って弾くゲームかなぁ?」
ソエダは画面内の手裏剣を手で引っ張って、放してみたら。
プシューーーキュルルルーーー
実物の手裏剣が飛び出した。
カキン!!ザク(手裏剣が壁にぶち当たる音)
手裏剣は壁に当たり、倒れている金髪男に刺さった。ごめんなさい。
「これは活気的すぎる!!!戦える武器だ!てか、楽しいねぇ!コレ!」
ソエダは陽キャのように喜んだ。それならと、金髪男が持っていた銃を拾おうとすると、
ビリィビリィ!!(雷が走る音)
「イッツぅ。」
電流が走って拾えない。
「所持者は一人とか他の人は拾えないとか決まっているかなぁ~?」
仕方なくソエダは手裏剣アプリをフリックしたり、ひっぱりアクションして手裏剣を飛ばす練習をし始めた。
ピュン!ピュン!ピュン!ピュン!
ザク!ザク!ザク!ザク!
ピュピュピュン!!ピュン~!
ザザザク!! ザク!
「こういう時こそ皿飛ばしみたいに、スマホを手に添えて弾いていくのが速いかに!シュシュシュ!!」
調子に乗ったソエダは右手で手裏剣アプリを起動した画面を天井側に向け、左手で捌くように弾いて飛ばした。
ピュンピュン!!キンキン!!
無意味に音を鳴らしていると階段から走ってくる足音が聞こえる。こちらに向かって来る。
ソエダは、一瞬でビビり射線が切れるように隠れ構えた。
タッタッタッタッタ(足音)
ブルブルブルブルブルブル(ソエダがビビる音)
『絶対まだ生きてるって!』
『はぁ?手榴弾で一撃よ!!』
『生きてたら俺が貰うぜ!』
『ヒャッハー』
他人数の騒ぎ声がする。
ソエダは多人数の足音と喋り声に萎えた。
「多すぎ……なんとか出来るわけないだろう。もう足音が近い。」と感じる間もなく。
ドゥルルルルルルルルルルル
ソエダに向けた弾幕が一斉に飛んでくる。ヒャッハー!!ソエダも手裏剣アプリで対抗すべく
「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」
射線に隠れつつ、SHINOBIをカーブを描くように、弾きまくった。すると具現化した手裏剣はカーブを描き、射線を切りながら相手の方へと飛んでいく。
ドゥルルルルル、、ピュンピュンピュンピュン!!キンキンキンキンキン!ザクザク!!(乱戦中)
『グアアーーーー』(転がり倒れていく)
一人倒れる。
『テメェーやっぱ生きていたか!!ぐわぁぁ!!』
急に飛び出してきて手裏剣直撃、二人目も倒れる。
『よくもーー!仲間を!!グアアーー!』
更に突っ込んできて死亡フラグと共に、三人目も倒れる。
『この野郎!グアアーーー!』
無作為に四人目倒れる。
男子トイレの入り口から順番に入ろうとして来る所で手裏剣超連打に刺さり、まさに入れ食い状態である。ソエダは休む間もなく手裏剣をシュッシュッした!!そうひたすらシュッシュ!!
「うおおおーーー!ニンニンニンニン!」
まさにこれこそ忍者の如し…ニンニン…
『グアアーーー』
まだまだ~!五人目が倒れる。
『これが人間のやることかー!ぐあああ!』
理不尽な出来事にキレ発砲するが六人目が倒れる。
『俺に任せろ!俺が仕留める!!グアアーー』
かっこよく登場!!だが、七人目が倒れる。
『大丈夫か!直人!!グアア』
仲間思いに助けに来るが八人目が倒れる。
7.8人は倒した。何人来るんだおかしいだろ!今流行りのゾンビアタックか!?いい加減終わってくれ!!と思いながらも手裏剣をひたすら投げまくる。手が疲れる。
『孝之君!大丈夫!私がやるから!ギャァーー』
孝之君とは誰かわからん系女子に手裏剣着弾確認、そして倒れる。
『テメェ!よくも俺の女を!グェェェ』
君が孝之君ぽいね!孝之君が倒れる。てか、さっきの女の子…なんで孝之君倒れてないのにでてきたの。
『オラオラオラオラ!!!グハッ』
ゴリ押し不良野郎も倒れる。
いい加減にしてくれ…まさにゾンビ状態だ。しかも、ついに女の人までやってしまった。まさに外道畜生の成り下りか…悲しみに浸っていると、スマートフォンが
ピピーーー!と電池切れマークが出る。
「電池切れとかあるのねーー!泣 てか普通にあるよねー!
」
と一気にパニックなった所に女子トイレの爆発した壁側の方から人影が見え。
パスーーン
「ぐはっ。」
バタッ
ソエダは倒れた。
熱い…
ゆっくり力が抜けていく…
何が起こったのだ…
視界が徐々に奪われていく中…
『やったぜー!ヘッドショットうぇーーい!オーバーキルで手榴弾もお見舞いだ!』
『ちょちょ!あぶねーから』
ついにやられたのか、てかなんでこんな大軍で俺が狙われるんだ。相手は何人いるんだ。何人相手していたのだ。理不尽すぎる、一体俺が何をしたっていうんだ…まぁ、俺も応戦して倒してるから同罪か……………
―――ソエダは走馬灯も見るもなく悔やみながら―――
ドゴーーーーーーーーーン(爆発音)
ソエダは、状況を打開出来ずヘッドショットを喰らい 手榴弾で木っ端微塵になったのである。
先生、時系列何処行った!!