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魔界の王も女神次第?  作者: Tarou。タロウマル
1/1

第1話。魔王、よく失踪するんですって。

ゆる〜い世界をどうぞ。

サイド魔界。

黒い空と黒い地面の空間。

業火が燃えさかり、非常に暑い場所。

亡者共のうめき声と叫び声がBGM。


ビシッとスーツを着た隻翼の悪魔が

いそいそと魔王城歩き回っている。


ジゼ  王!王よ!どこにおられるのですか!?


ジゼファト。隻翼の悪魔。魔王の側近であり、悪魔長。


ジゼ  はぁ…またあそこか…?あ"あ!もう!!!

ビベ  あら?ジゼファト、どうしたのよ。

ジゼ  ビベディア…

ビベ  あ…またギバ様がいないのね…


ビベディア。美しい死神。好物は活きのいい目玉。


ジゼ  クソ……やはり鎖で繋いでおくべきだったか…?

ビベ  ギバ様相手に鎖なんて、

    意味ないことくらい知ってるでしょうに

ジゼ  知ってるけど!?

    じゃあ他にどうしたらいいんだよ!!

ビベ  どうするったって……ねぇ?

ジゼ  あ"ああ!っとに!王としての自覚が足らん!!

ビベ  魔王様ったって、一応まだ坊やなんだからさ?

    もう少し優s

ジゼ  それもわかってるからァ!!!

    ちょっとギバ様探してくる!

ビベ  いってらっしゃぁ〜い


隻翼を広げて飛び立つジゼファト。

翼は一つしかないが、めちゃくそに速い。


サイド天界。

輝く太陽と、たくさんの花が咲く空間。

爽やかな風が吹いている。

小鳥のさえずりと、ハープの音色がBGM。


こちらでは3対の翼の天使が神殿の上を飛び回っている。


ウリ  もぉ〜〜〜〜〜!!!!


ウリュシエル。3対の翼の天使。

天使長であり、天界の最高権力者。


ウリ  また泉鏡(せんきょう)が曇ってる!女神様をのぞけn

クル  天使長様。


クルシル。2対の翼の天使。

まだ幼いが、天使長補佐。


ウリ  ん"っん。女神様の見張りができないじゃないか!

    あのクソガキ

クル  天使長様。

ウリ  ん"っん。

    あの卑しい悪魔め…ただじゃおかないぞ……

クル  ………。

ウリ  クルシル!

    私は女神様の様子を見てくるから、あとは頼んだよ。

クル  はい、いってらっしゃいませ。

ウリ  女神様!今そちらに!!


3対、計6枚の翼を羽ばたかせて下界に降りるウリュシエル。

それを見送るクルシル。


クル  兄上…。こんな時、兄上ならどうなさいますか……。


俯くクルシル。下界よりもさらに下を見ているよう。


サイド人間界。

町のはずれにある小さな協会。若い神父が住んでいる。


モニ  神父様、おはようございます!


モニカ。近くの孤児院で働くシスター。少し変わっている。


ルカ  おはよう、シスターモニカ。


ルーカス。若い神父。そろそろ結婚適齢期。おば様に人気。


ルカ  ここに来る途中、何か変わったことは無かったかい?

モニ  ??

ルカ  いやね、

    また泉の方で何か聞こえたと思ったんだけども

モニ  そうですか?私は何も分からなかったですけど…

ルカ  また空耳だったか…?

モニ  見てきましょうか?

ルカ  いや、礼拝の準備をしよう。

    みんなを待たせてはいけないからね。

モニ  ですね!お手伝いします!


魔界、天界、人間界。

かつての3つの世界は、

それぞれがそれぞれの生活を営み平和だった。

しかし、とある【大罪】によって、

その平和が崩れることになった…。


サイド過去。の魔界。

黒い空と黒い地面の以下略。

立派な角を持つ魔王が、玉座に座っている。


魔王  もう我慢ならん!ワシは天界に行く!

悪魔  なりません魔王様!!

魔王  待っておれ女神よ!


サイド過去。の天界。

輝く太陽以下略。

7色の瞳の女神が、神殿に囚われている。


女神  どうして?どうしてなのよ!

天使  女神様、少しお静かに…。

    貴女様は今お仕置中なのですよ?

天使  自分の行いを見直してですねぇ…

女神  出して!出して!せまい!息が詰まるわ!!

天使  女神様、もう一度言いますけどね?

    貴女は今、反省すべk


真っ白な雲が黒く染まり、

勢いよく花咲きみだれる地面を突き抜ける者がいた。


魔王  女神!

女神  魔王!

天使  魔王!?

悪魔  魔王様!!


魔王の後に続き、

天界にたくさんの悪魔が押し寄せた。


天使  き、貴様!ここをどこだと思って…!

悪魔  テメェ!魔王様になんという口の利き方だ!

魔王  静まれ貴様ら!!

女神  うるさいわよお前たち!

天使  も、申し訳ございません…

悪魔  お許しを魔王様…


神殿に歩み寄る魔王。


魔王  少し離れろ女神。

女神  ええ


神殿の柱から数歩下がる女神。

その柱に手をかけ、バキョンッとへし折る魔王。


魔王  女神…

女神  魔王…


障壁がなくなり魔王にかけよる女神。

抱きとめる魔王。


魔王&女神  会いたかった!!!

魔王  待たせてすまない女神…

女神  いいのよ…たった2000年ですもの……

魔王  ワシは心が焼かれるかのように痛かったのだぞ…?

女神  もうとっくに焦がれてるくせに…♡

魔王  確かにそうだな…♡


それぞれの従者の前でいちゃこらする魔王と女神。

ただ眺めることしか出来ない悪魔と天使。


悪魔  お前たちも、苦労したんだよな…

天使  お前たちも、な……

悪魔  だが、それも今日で終わりだ…

天使  長かったよな、ここまで…


いちゃこらする魔王と女神が苦しみ始める。


魔王  ぐっ…あっ………め、女神……痛い…痛いぞ……

女神  うっ…………魔王……あついわ……

悪魔  魔王様…生まれ変わったら、

    しっかり人間を食ってくださいね…

天使  女神様…生まれ変わったら、

    聖泉(せいせん)から抜け出さないで…

魔王  なんだこれは……身体が…朽ちてゆく………?

天使  溜めに溜め込んだ女神様の聖なる力だ。

天使  2000年も聖なる光を浴びたんだ…

    女神様はお強くなられたのだ!

魔王  な、なんということを……

女神  魔王…ごめんなさいっ……

    私、知らなくて………うっ……

悪魔  魔王様だってずっと業火の中にいたんだ。

悪魔  女神だろうと焼き尽くしてくれるわ!

女神  そんな…そんな……

魔王  女神……ワシらはここで終わるらしい…

女神  そのようね魔王………

悪魔  …うっ、うっ

悪魔  バカお前!泣くんじゃない!!

悪魔  だって…魔王様……

天使  女神様ぁぁぁ…!!!

天使  泣くなよ!お前が泣いたら私まで…うっ

    ……うわぁぁぁん!


次々と泣き出す悪魔と天使。


女神  うっ…魔王……私、

    あなたのことを愛s…うっ、うぉえっ

魔王  え?

悪魔  え?

天使  まさか…

女神  う、生まれそう……

魔王  え?

悪魔  え?

天使  やはりそうだったか!

悪魔  やはりとは?

天使  おい!魔王!

    貴様、女神様と身体を重ねおったなァ!?

悪魔  は???どういう事です?魔王様!?

魔王  え?えー、まぁ、その……ねぇ?

悪魔  ねぇ?????

天使  【大罪】だ……【大罪】の子が生まれるぞ!!

悪魔  魔王様アンタねぇ!!!

魔王  ワシだって一応男だもん!仕方ないじゃん!!

女神  ふぅ…ふぅ…うっっ……!!

魔王  めめめ、女神様??

    おま、こんな状況で生めるのか!?

女神  生むしか…ないでしょうよ……ふぅ…

魔王  このまま消えた方が美しいんじゃない??

女神  テメェのガキだっつってんだよ!

    ガタガタ言うんじゃねぇッ

魔王  …ひゃい。

女神  ふぅ………ふぅ………ふぅ……ふぅ…ふぅ…!

天使  た、【大罪】の子であっても女神様の御子!

天使  いきんでください女神様!

悪魔  が、がんばれ女神!

女神  う〜……う〜〜!!!!

魔王  女神、がんばれ女神!!

女神  ん"う〜!!!!!…うぉえッッ


女神の口からドゥルンッと、

発光する液体に包まれたガラスの球が出てきた。


悪魔  そっちからか〜〜〜〜〜〜い!!!


女神  はぁ……はぁ…………

天使  これが、新しい女神様か…

女神  天使達…不出来な女神でごめんなさい………

    その子をよろしくね…

天使  お任せ下さい…

    安らかにお眠りくださいまし…。

女神  魔王…さぁ、共に逝きましょう……

魔王  …………え、あっ、はい。

悪魔  今度はちゃんとした魔王様を作ろうな…

悪魔  そうしよう…

魔王  オイ。

女神  魔王……永遠に…永遠に一緒にいましょうね……

魔王  あー…うん、そうだな……


ボロボロと崩れて灰になった魔王。

パチパチと燃えて煙になった女神。


悪魔  じゃあまぁ、解散ってことで…。

天使  おつかれした。

悪魔  おつかれしたー。


これが後の世まで語り継がれることになる【大罪】の真相。

そしてこの【大罪】の子が、

人間界にある聖泉に住んでいる。


サイド人間界。

協会の近くの泉。

まわりは木々が生い茂り、孤立している。

泉の中央の岩場で女神が歌っていると、

動物が集まってくる。


カイ  あら、こんにちは!

    うさぎさん、今日はお友達がいるのね?


野ウサギが2匹、ぴょこぴょこ跳ねてアピールする。


カイ  もしかして……恋人…?そうなのね!

    ふふっ、仲良しだものね!


嬉しそうな野ウサギ。

小鳥やらリス、カエルにキツネと、集まってくる。


カイ  みんな聞きに来てくれたの?

    いいわよ。みんなで歌いましょう!


女神と動物たちが歌う。

が、動物たちが何かに気づき逃げていく。


カイ  あれ…?みんな、どこいくの……

??  ダァ〜〜レダッ!


女神の背後から近寄ってきた者が、女神の目を隠す。


カイ  ふふふっ。《悪魔》さんでしょ!

??  あれ?わかっちゃった?

    声変えたつもりだったけどなぁ…

カイ  ここに遊びに来てくれる人は、

    動物たちか悪魔さんしかいないもの

??  来るの遅くなっちゃってごめんね…。

    寂しかった?

カイ  寂しかった…だけど、待つのも楽しいのよ?

??  そう?

    ぼくは待つの苦手なんだよね〜…へへっ

カイ  そうなの?

??  ご飯まで待てなくて、

    おやつ食べちゃうのをジz…

カイ  ?

??  ジ、爺ちゃんに!

    爺ちゃんに叱られるんだ!

カイ  おじい様は《悪魔》さん思いなのよ。

    しっかりご飯食べなきゃね!

??  だよねぇ〜えへへ〜


女神と《悪魔》さんが談笑していると、

空が曇り、雷が落ちる。


カイ  きゃっ!


驚いて目を閉じ、身を小さくするが、

一瞬で空が晴れる。


カイ  あら…?

    《悪魔》さん…、帰ってしまったのかしら……


女神が目を開けると《悪魔》さんの姿は無かった。

すると次は天空から光の柱が何本も伸び、

白い翼が舞ってきた。


ウリ  女神様!ご無事で!?

カイ  ウリュシエル…

ウリ  あれ?またアイツが来てると思ったが…

    いないですね…?

カイ  《悪魔》さんなら、たった今帰られたみたいよ?

ウリ  チッ…逃げたか……

    あ!女神様、泉鏡を拭いておいてくださいよ!

カイ  泉鏡?あら、ほんと、また曇っているわ。

ウリ  あと、あの《悪魔》さんとかいう奴とは

    なるべく関わらぬように。

カイ  どうして?《悪魔》さんはとても優しい人なのよ?

ウリ  どうしてもダメです!

    ご自分のお立場を理解してください!

カイ  ウリュシエルのがわからずやよ…

ウリ  ヴッ…そんなかわいくふてたって……

    ダメなんですからァ!

カイ  ふん…!

ウリ  ダメですからね!?

    じゃ、私は戻りますから。

カイ  ………。

ウリ  はぁ…。ではまた、カイルレリア様。


カイルレリア。泉に住む麗しい女神。

穢れを落とすために人間界にいる。


3対の翼を広げて飛び立つウリュシエル。


サイド魔界への帰り道。

ジゼファトに首根っこ掴まれた《悪魔》さんが

めちゃくちゃふてている。


ジゼ  聞いてますか?

??  ……ふん。

ジゼ  今日のおかず、減らしますよ。

??  …聞いてます……。

ジゼ  ダメだって、言いましたよね?

??  うん…。

ジゼ  うんじゃなくて、はい。

??  はい…。

ジゼ  人間界に行ってはいけません。

??  はい…。

ジゼ  貴方はまだ完全では無いので、

    泉に浸かるのもダメです。

??  はい…。

ジゼ  ビリビリ痛いの嫌でしょう?

??  いや…。

ジゼ  身体が溶けたら困るでしょう?

??  こまる…。

ジゼ  こうして私に怒られるの嫌でしょう?

??  …うん

ジゼ  うんじゃなくて、

??  はい…。

ジゼ  貴方にはお仕事がありますねぇ?

??  ありゅ……。

ジゼ  たくさん覚えないといけないことがありますよね?

??  はい…。

ジゼ  それはなぜですか?

??  …………ぼくが、魔王だからです。

ジゼ  ですよね?

    じゃあ、しっかり魔王のお仕事をしましょう。

??  ………。

ジゼ  いいですね?ギバ様!

ギバ  うん…

ジゼ  うんじゃなくて!

ギバ  はい…。


ギバルニアス。世界を揺るがす魔界の王。

魔王業務を修行中。

多分続きます!

まだ書きたいので。

更新頻度は……気が向いたら…です。

ゆるゆると、お楽しみくださいませ。

【次回は挿絵に挑戦したいです。】

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