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輝け愛の涙

月の美しい夜のこと

作者: 野鶴善明


 探しているのは

 あるがままの風ですか?

 それとも

 とこしえに変わらない

 光ですか?

 わたしはそっと尋ねました

 夜風が杉のこずえを渡ります


 あなたはじっと地面を見つめ

 野にあるものの衣の

 裾をそっと引きます

 あるがままの風を探してもいれば

 とこしえに変わらない光も探している

 あなたはつぶやくように答えました

 ひややかな夜空に

 星がひとつ流れます


 ほうぼうを訪ね

 旅から旅へ渡り歩いて探したのに

 なぜ見つからないのでしょう?

 探し方がよくないのでしょうか?

 なにかを間違っているのでしょうか?

 わたしはあなたを信じて

 ついてゆくだけですが

 わたしはあなたに言いました

 夜の鳥がどこかで羽ばたきます


 かんたんに見つかるものなら

 そもそも探しには行かない

 あるがままの風も

 とこしえに変わらない光も

 一生かけて探すものさ

 それだけの意味はあるのだから

 あなたは口もとに笑みを浮かべます

 焚火が静かにはぜ

 火の粉が舞い上がります

 月の美しい夜のことでした


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― 新着の感想 ―
[良い点] 幻想的で、素敵な詩ですね。 雰囲気があって、物語の一場面を見ているようです。
2020/09/23 06:09 退会済み
管理
[一言] >かんたんに見つかるものなら そもそも探しには行かない 確かに。 むしろ、見つからないからこそ良いものってあるのかもしれませんね。
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