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その1

その1とか言いますが、2話です。

「無事転生が完了したみたいですね。」

 周囲をグルッと見渡せば、暗い部屋であることが分かりますね。明かりは無し。壁は石を組み上げた壁ですね。

 出入り口は、あそこに見える梯子でしょうか?梯子の先に縦開きのドアが付いていて、そこから光が漏れてきてますね。

 総評すると、これはなんて言う牢屋ですか?


「これは、牢屋じゃないですか?どう思います、私?」

 牢屋ではありませんよ、私。そこに小麦粉らしい袋が置いてあるじゃないですか。

 そうですよ。この牢屋みたいな部屋ですが、棚が用意されていて、そこに小麦粉らしい袋が置いてあるのです。


「ところで、私。」

 何でしょう、私?

ことは、どうやら今世の姿である私と、感覚を共有していると言う確証は集まりましたね。」

 そうですね。前世の姿である作れた・・・ので、作ってみましたが、は今世の姿の私の外部端末みたいな位置付けみたいですね。


…。私を私と呼ぶのは、頭がこんがりそうですね。

「確かにそうですね。」

 なので、今世での私を今川私。

「前世の姿をした私を、前田私としましょう。」

 まぁ、それが無難でしょうか。


 改めて、今川私から前世の姿である前田私を見てみましょうか。

 凹凸がしっかりした長身な体に、キメ細かな白い肌。顔はやはり綺麗ですね。自惚れでもなく事実ですし、その努力を怠ったこともありませんからね。

 それは良いとして、前世の姿と違うことは腰まで伸びた黒髪と赤い瞳ですね。それと恐らく、血を飲む・・・・時は犬歯が伸びるのでしょうか?それは要検証ですね。


 真祖の吸血姫として産まれた前田私は、一言でまとめると妖艶な女性ですね。色気がムンムンですね。いえ、これはムンムンなんてモンじゃないですよ。ムワンムワンです。

 それに対して、今川私はですね。あれですね。

「綺麗な赤色ですよね。」

 前田私。私達は一心同体です。つまり、気休めなんて要らないんですよ。


 ええ。前田私が言う様に、今川私の姿は赤い宝玉です。一言で終了です。前田私との差ですよ。情報の差ですよ。だってそれ以外に言う事ありますか?

「あるますよ、今川私。」

 そうでした。

 赤い宝玉こと今川私は、ダンジョンコアという物らしいです。


 毎日安心安全で快眠できる宿を望んだ私が、ダンジョンコアになった理由を説明するためには、まずダンジョンコアという物について説明する必要がありますね。


 ダンジョンコアとは、創作物等に出てくる、ロマンと冒険を与えるダンジョンの心臓です。

 罠を張り巡らせ、魔物を配置して、侵入者を殺す。ただ、侵入者が来なければ困ってしまうので、それなりの宝を用意しなければなりません。

 侵入者が来ないことで困ると言うのは、ダンジョンはダンジョン内の侵入者の魔力を吸う事で生きることができるからです。

 さらに、その魔力を使わなければ、罠を張り巡らせ、魔物を配置して、侵入者を殺す事もできないのです。なぜなら、罠を張るにも、魔物を配置するにも、宝物だって、魔力を対価にしてダンジョン内に設置するのですから!

「らぁ…らぁ…。」

 セルフエコーありがとうございます、前田私。

「どういたしまして、今川私。」


 そしてここで、本題です。

 神様は私に、ダンジョンを作成する上で使用する魔力を、私の望みが叶う形に沿う限り、無尽蔵に使える様にしてくれたのです。

 太っ腹ですね。あんな小さな体に実は余分な脂肪がついているのでしょうか?

「はっ!これがギャップ萌え!」

 なるほどこれが…。個人的には、おねショタよりもショタおねの方が趣味なのですが…。おっと、宗教戦争の始まりを報せる鐘が鳴り響きましたね。

 よろしい。推しの為であるならば、一肌ぐらい脱ぎますよ?

「今川私は脱ぐものがありませんよ?」

 

 前田私。それは乙女に対して言うセリフではありませんよ?

「失礼、今川私。」

 よろしい。戦争の前に前田私の、無駄に色気を振りまく衣服を剥ぎ取ってしまいましょう。

「背中やら胸やらが大きく開いたこの真っ赤なドレスが色気を振りまくのは、同感ですが…。」

 色気と言うより、エロスですよね。

「エロスを振りまくドレスは変えるべきですが、他に言い方はありませんでしたか?」


 細かいことを気にしていると、大きくなれませんよ?

「これ以上大きくなっても困るだけでは?」

 持たざる者に喧嘩を売りましたね?


 …。虚しいですね。

「ですね。早く白馬の王子様が来てくれませんかね?」

 暇で、独り言が増えてしまいます。

「前田私も居るので、独り言ではありませんよ、今川私。」

 いえ、前田私。今川私には発声器官がありませんので、客観的に見て前田私の独り言ですよ。

「確かにそうでした。」

 前田私が今川私の外部出力端末として機能しているので、意思疎通ができるにすぎませんからね。

「やっとできた理解者は、結局私ですか。」

 それは残念ですが、前世の私と違って、今世は二人です。最悪、二人で支え合って生きていきましょう。それに、今世は始まったばかりですよ。

「そうですね。悲観するのは後にしましょう。」


 それでこそ、前田私です。今は待ちましょう。

「ええ。」

 それこそ、私の理解者が現れることを。



続きは明日です。

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