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第二章 ep2 願いと決意

レイカのお願いそれは、

 「一緒に出場して優勝し、それからレイカの願いを叶えてほしい?」

 

 レイカはどうしても叶えたいことがあるそうだしかし、それはレイカの口からは話さなかった。

 「お願いいたします皆さん、どうか私に力を貸してほしいのです。私にはなんとしてでも叶えたいことがあるのです。」

 

 レイカからの突然のお願いに驚きを隠せない一行、しかしレイカへの答えはあっさりしていた。

 「うん、いいよ優勝しようぜ!!」

 「え、よろしいのですか?」

 「もしかして、私達が断るとでも思ったの? 女王様からのお願いなら断るわけにはいかないでしょ。」

 「サユリ様、」

 「もうだからさっきからその“様”付けはやめて呼び捨てでいいよレイカ。」

 「うんクロナもレイカの願いを叶えてあげたい。」 

 「本当によろしいのですか? 皆さん。」

 「当たり前だよ、それに可愛い子の頼みは断れないのが男ですから、」

 

 ゾクッ!! 一瞬背筋に謎の殺気を感じた、その殺気を放つ主は恐らく二人、振り替えると必ず笑顔で質問(ころ)される。

 その恐怖はただ一人ショウにしかわからない。

 

 「ショウ様、本当によろしいのですか?」

 (こいつ急に様付けになったな。)

 「あぁ、勿論お前の願いも知りたいし、」

 「皆さん本当にありがとうございます。」

 

 レイカの瞳から流れる涙は悲しいものではなく、嬉しくそして微笑ましい涙のように見えた。

 深々と頭を下げるレイカにサユリは肩に手を置き

 一緒に頑張ろう!!と、

 大きな声でレイカと笑顔で見つめ合うその姿はショウには微笑ましく見えていた。強い決断をしたレイカ、彼女の願いはまだわからないが、

 

 絶体に優勝してやる!!

 

 という強い気持ちを持つショウ。

 「それなら、大会までにまだ1ヶ月という時間があるわけだし、とりあえずレイカお前の実力をみたい。」

 「私の実力をですか?」

 「そうだね、じゃないと貴方がどれだけ強いのかわからないから、優勝できるのかどうかもわからないから、」

 「わかりました。それなら訓練場へいきましょう。」

 そして、再び部屋を出る一行、目的の場所まではまだ遠いがその場所へ着いたときショウたちは『(いのち)』を持っていくことになる。

 

 レイカは着替えたいと言いショウ達には待ってもらうことにした。しかし、数分してもレイカが部屋から出る様子はない、不思議に思ったサユリが扉をノックするしかしレイカからの返事はない。

 

 そして、もう一度ノックするがやはりレイカからの返事はない。ドアを開けようとすると、

 「あれ? 扉が開いてる。」

 「鍵が掛かってないのか?」

 「どうやらそうみたい、」

 「それなら、サユリ、クロナ、マユミへやに入って確認してこいよ。」

 「ショウは来ないの?」

 察してくれよ (悲)

 

 心の中でそう呟くショウ、そしてサユリ達はショウを部屋の外に残し、入っていく。しかし部屋の中にはレイカの姿はなかった。静まり返る部屋の中でクロナは異様な気配に気付いていた。

 

 (この部屋、だれかいる。)

 辺りをくまなく探すクロナ、しかし誰の姿も確認することはできない。三人は部屋の隅々まで探す、クローゼットの中、ベッドの下、机の下など探すがレイカの姿は見当たらない。

 

 「一体レイカはどこに?」

 

 一方、ショウは一人で廊下で暇を潰していた、なにもない廊下で一人悲しくなにをして暇を潰すか考え込んでいた。

 (さてと、サユリたちが戻ってくるまでなにをするか、)

 頭の中には三つ思い浮かんでいた。

 

 一つ目:《持久力》を使ってこの廊下を全速力で走りタイムを測る。

 二つ目:とりあえず、この廊下全ての窓ガラスを割る

 三つ目:寝て待つ

 

 (よし、とりあえず、窓ガラスを全て割るか、)

 くるりと体を180度回して廊下の窓の方に体を向けるショウ、そして、

 (んじゃ、始めますか。)

 窓ガラスを割ろうとしたその時、

 「ショウさん、ショウさん、」

 ショウの背後から聞こえるその声はサユリ、クロナ、マユミの声ではなく。

 (この声はレイカ、だよな、)

 振り返りそこにいたのはさっきの女王の服装とは一見して普通の女の子のような服装に身を包んだレイカが立っていた。

 

 きれいだなぁ、きれいというよりは可愛いの方が正しいのだろうか、その姿に見とれているショウ、

 ショウに見つめられて頬を赤くするレイカ、

 

 (ショウさん、なんで私を見つめているのでしょうか? なんだかすごく恥ずかしいです。)

 「なぁ、レイカ、」

 「は、はい! なんでしょうか!?」

 「サユリ達はどうしたの?」

 「サユリ様は見ていませんが、」

 (は? いや、いまさっきレイカの部屋に入っていくのを確かに見たよでもなんで、)

 ??「それは、私が少し小細工をさせていただきましたので、」

 

 二人のいる廊下の向こう側から異様な人の影があることに気付いたショウとレイカ振り向くとそこには、黒マントを羽織る謎の人物が笑みを浮かべて立っていた。

 

 「誰なのです!? 貴方は!」

 ??「いえ、別に怪しい者では、」

 (いやいや、マントを羽織る時点でめっちゃ怪しい人物確定だろ!!)

 と突っ込んでやりたい。

 

 「貴方は何が目的でここにいるのですか?」

 ??「貴方に(ころす)うため? でしょうかね。」

 「な、貴方は一体何を!?」

 「レイカ下がってろこいつは俺が、」

 

 マントの人物から距離を取る二人、しかしマントの人物は二人に迫っていく。

 

 ??「なるべく速く用を済ませたいので失礼します。」

 

 その瞬間に近くの窓ガラスがヒビが入りその途端に、

 パリンッ!! 窓ガラスは割れレイカが割れた窓ガラスに吸い込まれるように体か浮く。

 

 「レイカ!!」

 

 とっさにレイカの腕を掴みレイカを救出しようとするショウ、しかしあまりの吸引の強さにショウまでもが吸い込まれていく。

 

 (これは、今までで最大のピンチnow(* ̄∇ ̄)ノ)

 (んなこと言ってる場合か俺! 考えろ! 今この状況をどうやって打破するのかを!)

 

 頭の中をフル回転させるショウ、そしてショウの出した答えは、

 

 「よし、こうなったらいっそ窓から落ちるか!」

 「え、ショウさん一体何を、」

 

 次の瞬間にレイカ、ショウは窓の外に放り出されていた。建物の高さは約1000m以上、その約半分の高さから二人はダイブいていた。

 

 「きゃあぁぁぁあああぁぁぁあぁああぁ!!」

 とてつもなく大きい叫び声を出すレイカ、ショウは耳鳴りになるほどにレイカの叫び声を真正面から聞いていた。

 窓の近くから二人の様子を覗くマントの人影、

 「後のことは、頼んだわよ、ショウ。」

 

 ───一方、ショウとレイカはかなりの速さで地上へと落下していた。みるみるうちに地上に落ちる二人、

 「ショウさん! どうするのですか!?」

 「レイカ! お前の能力でなんとかしてくれ!!」

 「そんなの無理です!!」

 「無理じゃない! お前はこの国の女王なんだろ!? ならできる!!」

 (でも、私にはそんな力なんて、)

 

 空中に浮かび落下していきながら、地面を見下ろすレイカ、その先に見えた光景を見た途端に彼女のなにかが変わった。

 

 (そうだ、私はこの国の女王、だからこそいま私にできることをいま私がするべきことを!!)

 

 そして、レイカは手のひらで三角の図形らしきものを作り技を放つ。

 

 「風よ、大地よ、この世にある全ての自然よ、我は風を司る者、汝ら我が想いに答えその力で嵐を起こしたもう!!」

 《極大暴風(ビッグバントルネード)!!》

 

 レイカの放つ強風は地面へとぶつかりその途端に二人の体に跳ね返ってきた。

 

 (なるほどな、地面に強風をぶつけてその勢いで俺達を上空へと飛ばすわけか、これなら行けるな。)

 「レイカ! 俺の手に掴まれ!」

 「は、はい!」

 

 ショウとレイカは手を掴み合いそしてそのまま割れた窓へと飛んでいく。そして、二人は無事に廊下へと帰ってきた。

 

 「はぁ、はぁ、ものすごく疲れました。」

 「はぁ、はぁ、確かにかなり疲れたな。レイカお疲れ様。」

 二人は無事に帰還したことを喜ぶ。しかしこの時クロナの異変に気付く者は誰もいない。

 

 「... ...(マスター)命令(ミッション)を...」

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