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第一章 ep16 リターンマッチ

《瞬間移動》

 ショウの技と共に四人は炎の国の門の前に立っていた。まだ街は炎で燃えてはいなかった。

 「よかった、まだこの国は大丈夫なようですね。」

 「多分いまの時間帯だと、俺達は手合わせを終えてガールと国王からの手紙を読んでいる頃だろうな。」

 「そうですね、その時はまだこんな事になるなんて知りませんでしたから、」

 「まぁ、取り敢えず中に入ろうか、」

 すると門の近くにいた兵隊のような人がショウ達に近づく、

 「お前たちは誰だ?」

 「あぁ、国王さんに手紙を貰った者なんですが、」

 「そうか、それならいいだろうさぁ中へ、」

 

 門が開きショウ達は中へと入っていく。

 「やっぱ改めてここに来るとすげーよな、」

 「えぇ、ここは爆発する時間の前の世界ですから賑わっていますね。」

 焼き焦げた時の国の面影はおろか爆発が起きるのを誰も知らない街の住人が楽しげに暮らしていた。

 「この国の人達はとても仲が良さそうですね。」 

 「当たり前ですよサユリ、この炎の国は世界からしたら一番過ごしやすい国ですから、」

 「確かに悪い人なんて一人も... ...」

 ショウは言葉を遮るようにある一点を見つめた、視線の先には黒いマントを羽織る謎の人物がいた。

 (確かガールは、)

 

 ───クロナと手合わせをする数時間前、ショウはガールに気になることを質問していた。

 [私が意識を失う前の記憶のことですか?]

 「あぁ、些細(ささい)なことでもいいんだ、なにか思い出せないか?」

 [そうですね、特になにも... ...あ!]

 「何か思い出したのか?」

 [えぇ、確か私は意識を失う前にある男と話をしていました。]

 「男か、どんなやつか詳しく説明してくれ、」

 [顔はマントを被っていたのでよくわからないのですがそいつは闇の能力者ですね。]

 「闇の能力か、うんありがとう。」 

 [いえいえ、こんなことで役に立つのならお安いご用ですよ。]

 

 (みたいなこと言ってたよなつまりあいつが、)

 「...ョウ、ショウ、ショウってば!!」

 「え! あ、すまん聞いて無かった。」 

 「もう、さっきから何を見ているのか聞いてるのに、」

 「ショウ大丈夫?クロナが治してあげようか?」

 「大丈夫だよ、別に病気じゃないから、」  

 「それなら、ショウさっきから何を見ていたの?」

 「あぁ、あいつだよ。」

 ショウの指差す先には街の住人が楽しげに踊っていたりしている風景だった。

 「誰のことを言っているのですか?」

 「あれ? さっきまであそこにいたのに、」

 (まさか、もう城の中にいるのか?)

 「皆! 急いで城に行くぞ!!」

 「急にどうしたのショウ?!」

 「いいから早く説明は後でするから、」

 ショウ達は街の住人を払いのけて全速力で城の門まで走り出す。長い通路を走り、長い階段を勢いよくかけあがりそして門に到着した。ショウ達は門番に事情を説明し、中へを歩みを進める。

 

 「さて、ようやく中にこれたな。」

 「それでここのどこに国王様がいるのですか?」 

 「任せとけいまから探しだす。」

 《眼透(すかし)

 ショウにはこの城の全体図が頭の中に思い描いていた。

 (なるほどな、国王はいま会議室みたいな場所で一人か、)

 「皆、国王のいる場所がわかったぞ、」

 「本当なの? ショウ。」

 「あぁ、急ごう。」

 そして、ショウたち一行は国王のいる部屋の前にたどり着く、扉を開けそこにいたのは、

 「ん? 何者だ? お前たちは、」

 「よかった、この人は本物だな。」 

 「なんのことだ? 何が本当なのだ?」

 「いえ、それよりも国王様、」

 ショウは国王に未来の話をした。国が炎で燃え盛ること、巨大な兵器が街の広場に出現すること、そして国王の偽者が世界を滅ぼしたこと。

 

 「うーむ、にわかには信じがたいことだが、」 

 「本当のことなんです。」

 「でもお前は虹の能力者である以上あり得るかもしれんな。」

 「それじゃあ、」

 「うむ、お前たちのことを信じよう。」

 「ありがとうございます。」

 「しかし、一体誰が私の国を炎で焼き尽くそうといているのだ?」

 「国王様、それは私達にもわかりま...」

 「俺は知ってる誰が主犯なのかを、」

 「え、ショウそれって、」

 「だよな? 闇の能力者さん?」

 

 ショウの眼の先にいたのは部屋の窓にひっそりと座るマントを羽織る人物の姿があった。

 「あいつが問題の主犯なのですか、ショウさん。」

 「そう、あいつがことの発端、」

 「さすが虹の能力者ですね。いつからお気づきでいたのですか?」

 声のトーンからして、主は女の子だろうか、身長はショウの身長と同じくらいの背丈だった。

 「最初この国の街を歩いていたときになお前を見つけた、」

 「じゃああの時、ショウがずっと一点を見つめていたのは、」

 「そう、あいつを見てたから、」

 「それであの人は一体誰なのですか?」

 「それは恐らくだが闇の神の側近ではないかのぅ、」

 「国王様、闇の側近とは?」

 「言葉のままじゃよ、闇の神につくいわば神の次に強い者ということじゃ、」

 「つまり、あいつはかなり強いというわけか、」  「そうでしょうかね? 貴方のような虹の能力者の方が断然強い感じがしますが、」 

 「なら、なんでこの国を炎で焼き尽くそうとしたんだよ。」

 「そうですね。答えるなら邪魔だからでしょうか。」 

 「誰が、」

 「そこにいる国王です。」

 「なんでだよ。」

 「彼には我々闇の能力の最重要の情報を握っていますからね、」

 「国王本当なのですか?」

 「うむ、まぁ闇の情報なら一つだけ知っているがもしかしてそれか?」

 「そう、それは闇の能力者にとっては漏らしてはならない情報ですからなのでこの国ごと消すつもりです。」

 「そんなことのために国どころか世界を破壊したやつがよく言えるな、」

 「世界を破壊した? なんのことですか?」

 「とぼけるなよ、お前がこの世界を潰すことはもう知ってるからな、」

 「ですから先程から何を言っているのか理解できません。」

 「だから!!」

 グイグイ、

 怒り気味のショウの袖を強く引っ張るクロナ、

 「クロナ、どうしたんだよ。」

 「ショウ、あの人は嘘をついてなんかいないよ。」 

 「本当なのか、」

 「うん、あの人からは嘘の感情が見えない。」

 「なるほどやはり噂通り貴方と使えるのですね、虹の能力を、」

 「うん、クロナとショウだけが使える。」

 「本当に恐ろしい存在ですね、全人類からしたら貴方達二人はこの世界で最強なのですね、」

 「それよりも、クロナもしこいつが本当に何も知らないなら本当の主犯は、」

 「多分あの人だと思う。」

 「冗談は、」

 「言ってないよ、いまのクロナは本気(ガチ)だから、」

 「まさか、本当にあいつなら殺り合いたくはないな。」

 「うん、クロナも同意件。」

 「あのぅ~、さっきから私達を除け者にしないでほしいのですが、」

 「そうだよ二人とも私達にも分かりやすく説明してよ。」

 「そうだな、簡単に言うならば主犯は...」

 ??[私のことですか?]

 

 ショウ達の背後から聞こえたその声はどこかで聞いたことのある声だった。その声の主は、

 「ガ、ガール様?」

 部屋の窓越しにいたのは余裕の笑みを浮かべたガールが窓越しに座ってショウ達を見つめていた。 「ショウ、まさかだとは思うけど主犯がガール様なんていうわけないよね?」

 「... ...」

 ショウからの返事はなかったクロナもショウと同じくガールから視線を反らさなかった。静まり返る部屋の空気は次第に暗くなっていた。

 

 [さてと、ばれてしまった以上は生きては帰しませんよ。]

 「そんな、ガール様が問題の主犯だなんて、信じられません。」

 「俺もだよ信じたくはない結論だ、だけどあいつの頭の中を見た俺とクロナはもうそれしか結論が出せないから、」

 [さすが虹の能力を持つ者ですね。]

 「それで、どうするつもりなんだよ。」

 [どうするね、それは勿論この国を消し炭にしますがなにか?]

 「止めさせる。」

 [止めないと言ったら?]

 「そんなの力付くで止めさせてやるよ。」

 [あまり私をなめないでくださいね。]

 「お前は神様ではないが、神と同等くらいに強い。」

 [見ただけでそこまで分かるとは、さすが虹ですね。ですが、私の能力、心、未来を読み取ったとは言え止められますか?]

 「何が言いたいんだよ。」

 「私は簡単には止めるつもりはないということですよ。」

 「それでも勝ってみせるさ、」

 [たった一人で私に勝てると?]

 「“一人”じゃない、」

 「そうですショウ一人にそんなカッコつけさせません。」

 「うん、クロナ、ショウと一緒に戦う。」

 「皆さんで力を合わせれば勝てないことはありません。」

 「私の目的は国王暗殺でしたが、国を滅ぼされたら元も子もないですからね、私も皆さんと共に戦います。」

 「どおれ、久し振りに一暴れしてやろうかの、覚悟せい小童っぱ。」

 「てなわけだ、俺一人だけじゃなくここにいる全員でお前をぶちのめす!!」

 [ふふふっ、ハハハハハッ!!]

 不気味に笑いだすガールその笑いの裏にはさらなる悪が隠されていた。

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