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第一章 ep11 修行?

いつも通りの毎日が続くというのはあっちの世界ではなかったことだろうか。

 (さて、あれから一体俺はどうなったのだろうか。)


 風呂場の一件以来、ショウはサユリの正拳をくらいそのまま気絶して寝てしまっていた。


 「むにゃ、ショウ起きたの?」

 「クロナ、だから前にも言った気がするが服くらい着てくれよ。」

 「それを言うならあの人にも言ってよ。」

 「え、あの人?」

 ショウの左側には、

 [すぅ、すぅ、]


 ガールがショウの腕を掴みながら寝ていた。


 「なんで神様なんかが俺のベッドで寝てるんだよ。」

 [ん、はぁ~、あ、ショウ起きたのねおはよう。]

 「あぁ、おはようじゃなくてなんでお前まで俺のベッドで寝てるんだよ。」

 [私は抱き枕がないと眠れないから、ショウがちょうどいい枕だったから、]

 「とりあえず二人とも離れてくれ。」 


 そう言うとクロナ、ガールはベッドから降りて着替え始めた。すると着替えているクロナが何かを思いだしたのか、ショウのもとへ駆け寄る。


 「ショウ、ちょっとこっちみて。」

 「ん、なんだ?」

 「もう少し顔を近づけて。」


 言われるがままに顔を近づけると急にクロナがショウにキスをした。


 「ん!!」

 あまりの出来事にショウは困惑してしまった。

 「急になにを!」

 「なにって目覚めのキスだよ。」

 「いやだからなんでキスなんか、」

 「教えない。」

 「なんでだよ。」

 [ショウ、女の子に迫るのはちょっとだめな気がします。]

 「別に迫ってなんか、」

 [そうですか? 先程からお顔が赤いようですが、]


 ガールのいう通りショウの顔は赤くなっていた。そして、ショウたちのいる部屋の窓際から彼らを覗きこむ誰かの姿があったが誰もそれには気づいていない。


 ??「あれが炎の5000人を打ち倒した虹使いか、」

 

 ショウはクロナ、ガールとともに城の廊下を歩いていた。彼らはショウが風呂場での出来事について聞いていた。


 [あれなら、ショウはその後気絶していましたよ。]

 「あぁ、それはわかるけどサユリはどうなったの?」

 [どうなったって、そりゃ怒ってましたよ。]

 「ですよね。」


 次第にショウたちはサユリの待つ大広間に近づいていた。ショウの頭の中はサユリにどう謝るかを考えていた。


 (そうだよな、さすがに普通に謝っても許してはくれないか、)


 そして、大広間の扉に到着し、扉を開くショウの視界にはサユリとなぜかマユミの姿があった。


 「マユミ、なんでお前がここに、」

 「ショウさん、お目覚めになりましたか、」

 「怪我の方は大丈夫か、ショウ、」

 「え、まぁ、大丈夫だよなんとか、」

 「そう本当にごめんなさい私の勘違いでまた怪我を、」

 「いいよ、あんな状況で勘違いしないのが無理があると思うし。」

 「さぁ、皆さんそんなことは水に流して朝食にいたしましょう。」


 テーブルの上にはこれまた豪華な食事が並べられていた。ざっと300くらいの皿が並ぶ。


 「さすが国王様の城だな朝食が豪華すぎるよ。」

 [まぁ、これだけ出たとしても私一人じゃ食べきれないからね。]

 「ショウ、クロナお腹ペコペコ。」

 「そうだな、それじゃあ食べよう。」


 ショウにとって皆と食事をするのは久しぶりのことであるこの時ショウの心には不思議と安心感が芽生えていた。

 

 朝食を食べ終えショウは部屋に戻ろうとする、すると背後から


 [ショウ。]


 ガールが走りながらショウに駆け寄ってきた。


 「どうしたの、国王。」

 [ショウ、その呼び方はやめて普通にガールって呼んでよ。]

 「あぁ、ごめんじゃあガールどうしたの?」

 [ショウはこれからどうするのですか、]

 「どうするってそれは、西にある街に向かうつもりだけど、」

 [そうですか、]

 「なにかあるのか?」

 [えぇ、実はその西の街にはある噂がありまして、]

 「噂?」

 [はい、私自身あまり知らないことですが、]

 「どんな内容なんだ?」

 [西の街の住人が誰一人として存在していないそうなんです。]

 「つまり、誰もその西の街にはいないということなのか?」

 [えぇ、その通りです。] 

 「でもそれならなんでお前は確認しに行かないんだ?」

 [それは、、]

 不意にガールは言葉を発しなかった不思議に思ったショウがもう一度問う。

 「ガール? 聞いてるのか?」

 [怖かったから、、、] 

 「え? なんて?」

 [だから怖かったからです!]

 ガールの急な叫び声に思わずショウは腰を抜かしてしまった。

 [ご、ごめんなさい大丈夫ですかショウ?]

 「いきなり目の前で大声を出されたら誰だってびっくりするよ。」

 [本当にごめんなさい。]

 「まぁいいけどでも以外だな、」

 [なにがですか?]

 「お前みたいなかわいい神様にも怖いものがあるんだなと、」

 [だからそれはあまり口にしないで、ってそれより今なんて?]

 「ん? 神様にも怖いものがあるんだなと、」

 [それよりも前です。]

 「お前みたいなかわいい神様、」

 [... ...]

 「ガール?」

 [なんでもありません!]

 ガールは顔を赤くしながら走り去っていった。

 「なんだったんだいったい。」

 「ショウさん後でガール様に謝ってきてくださいね。」

 「なんでだよ、」

 「理由は言わなくてもわかりますよね?」


 謎の殺気をマユミから感じとるショウはなにも口にすることができなかった。

 その後、ショウは一人ガールの部屋へと足を進めていた。そしてショウはあることに気がついた。


 (そういえば、一番最初にこの世界に来たときは輩の人たちをみたけどそれ以降男の人をみてない気がするんだよな。)


 最初にサユリと出合いその後マユミを助けたときの輩の男の人をみたがそれ以降から現在までショウは誰一人として男の人を見ていない。


 「ここか、」


 そう考えているうちにガールの部屋のドアの前に到着した。やはり神の部屋だからなのかドアの向こう側から異様な威圧感を感じる。ドアを開け部屋に入ると、ガールがテーブルの上ですやすやと気持ちよさそうに寝ていた。


 (さすがに神様でも休息は必要だよな。起きるまで待つとしよう。)


 ショウはガールの向かい側に座りガールが起きるのを待つことにした。

 どのくらいの時間が経ったのかわからないがガールは起きない。すると、ガールにつられてショウも居眠りしてしまった。


 [ん、うーん、ふわぁ~よく寝た。]


 起きたばかりの目を擦りながら目の前を確認するとそこには、


 「え、ショウ?」


 向かい側の席にはショウが居眠りをしていた。


 [いつの間にか私の部屋に入ってきたのか、]


 ガールはしばらくショウの寝顔を観察していた。


 (ショウはいつも態度がでかい気がしますがこうしてみると普通のかわいい男の子なんですよね。)


 ガールはショウを自分のベッドの上に寝かせた。


 [テーブルよりもこっちの方が寝やすいでしょう。]


 そしてまたショウの寝顔を観察するガール、だがそれは次第にガールの心に一つの新しい感情を生むことになる。


 (なんでしょうか、この胸が熱くなるような感情はいままでこんなことはなかったのに、)


 自分の感情がわからなくなるガール、するとショウの寝ている横に体を寄せた。


 (ショウの近くにいるとなんだか落ち着きますね。)


 そして、ガールもゆっくりと目を閉じて眠ってしまった。

 

 「...ール、ガール、ガール!」


 呼び起こされ目を開くガール、目の前の光景はショウが上から顔を覗かせていた。

 [ショウ、]


 「やっと起きましたね。」

 [私はどのくらい寝ていたのですか?]

 「うーん、いまはまだ昼過ぎだからざっと4時間くらいかな、」

 [私、そんなにも長く寝ていたのですね。]

 「神様にも休日必要ですよ。それにしてもガールの寝顔はかわいいでしたよ。」

 [それなら、貴方の寝顔もかわいいでした。]

 「え、それはつまり。」

 [はい、勿論ショウの寝顔を見させていただきました。]

 「まじですか、」

 [はい、]


 そして、二人はベッドの上から降りて部屋を出ようとする。

 コンッ、コンッ、部屋のドアからノックの音がする。


 「ショウここにいたんだね。」

 「クロナ、心配かけたな。」

 「ショウ行こう!」 


 クロナに強く引っ張られ廊下を走っていく。


 「おい、クロナ一体どこにいくんだよ。」

 「みんなのところ。」 


 そして、ショウ、クロナ、ガールの三人はサユリ、マユミの待つ部屋へと走り出す。

 到着した部屋の前にはサユリとマユミが立っていた。


 「ようやく来ましたね。」

 「遅いですよショウさん。」

 「サユリ、マユミ一体どうしたんだよ。」

 「ショウさんこれから貴方にはしていただくことがあります。」

 「それは、なんなんだよ。」

 「ショウ、貴方にとっては多分簡単なことだよ。」

 「では、ショウさんいまから貴方にやってもらうことは。」


 その言葉を最後に部屋の空気が一瞬にして変わるその異様な空気のなかマユミが放った言葉は、


 「ショウさん貴方にはこの街で修行をしていただきます!」

 「へ? 修行?」


 突然のマユミの言葉に唖然とするショウ、しかしマユミの言葉には何かしらの目的があることをショウはまだ知らない。

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