第一章 ep10 神話
『やぁ、今回はずいぶんと苦戦したね。』
「いや、誰のせいだと思ってるの?」
『それは、まぁ置いといて。』
(こいつ話そらしたな。)
『どうだった? 彼女は、』
「ガールだっけか、どう思うと言われてもな、」
『君自身の感想を聞きたいのさ、』
「そうだな、はっきり言うとさすがは神様だなと、」
『それだけ?』
「まぁ、これは俺個人の感想だが、やっぱり神様は普通の俺達人間とそこまでなにも変わらないなと思ったかな。」
『なるほどね、まぁそれが君の感想だとしても僕はなにも言うことはないよ。』
「今日はそれだけか?」
『うんそうだね用事は終わったかな。』
「それじゃあ、俺は戻るとするよ。」
『うん、また話をしよう。』
そして、またショウは意識を無くし眠りにつくその後、平然とした朝を迎えてまたなにも変わらない異世界の生活が始まる。
「さてと、マユミはどこへやら、」
ショウはベッドから起きて部屋を出て廊下を歩いていた、その目的はマユミに神様のことについてもっと詳しく知るためだ。
(それにしても、未だにこの城の中の構造は覚えられないな。)
覚えている限りの記憶を頼りに歩き続けるショウ、ショウの勘ではマユミは自分の部屋か、大広間の図書館にいると推測しまずマユミの部屋へと歩く。
「それにしてもクロナやサユリはどこにいるんだ?」
朝起きてからいままでまだ一度もクロナとサユリの姿を見かけていない。そして歩き続けてようやくマユミの部屋に着いた。
ノックをしてマユミを呼ぶが返事が返ってこないもう一度マユミを呼ぶが先程と同じく返事がない。
仕方なく図書館の方へと歩き始めた、マユミの部屋から図書館への道はとてつもなく遠く歩くのが疲れてしまうほどの距離がある途方もない廊下をひたすら歩き続けるショウ、
(にしてもこの廊下もめちゃくちゃ長いよな、この廊下の距離はどのくらいあるのかな?)
そう考えなら廊下をひたすら歩き続ける窓からの日光がショウを照らして窓からの風がショウの髪の毛をゆらゆらと揺らしている。
「本当になんか疲れてきたな、ここは運動できるんじゃないのか、多分俺このまま歩き続けると痩せる気がするな。」
歩き続けてから約2時間ぐらい経つだろうかようやく図書館の扉が見えてきた。
(やっと到着か、さすがにこれはしんどいな足が本当にヤバイ。)
扉の前に着きノックすると、
「入っていいですよ。」
扉の向こう側からマユミの声が聞こえてきた。扉を開けて中に入るとそこにいたのは、
「あ、おはようショウ。」
「もうクロナよりも遅いよショウ。」
「ショウさん、おはようございます。」
クロナ、サユリ、マユミがテーブルの上で本を読みながら紅茶を飲んでくつろいでいた。
「なんだお前らここにいたのか、探したんだぞ。」
「その様子だとかなり歩き回ったようですね。」
「あぁ、最初起きてからマユミの部屋に行ったけど留守だったから、ここに来たんだよ。」
「それは、かなりの距離を歩きましたね。」
「正直言って死ぬかと思ったよ。」
「それよりもショウ、何をしにここに来たの?」
「あぁ、そうだった、俺はマユミお前に用紙があるんだよ。」
「私にですか?」
「そう、ちょっと聞きたいことがあったからね。」
「なんでしょうか? 私に答えられる質問なら答えますよ。」
「『神様』について色々と教えてほしいんだよ。」
「神様についてですか? それは具体的にどんなことを知りたいのですか?」
「俺はこの世界に7人神が存在しているのは知ってるけど、昔この世界がどうなって神が存在したのか知らないからさ、」
「なるほどそういうことですか、それならショウさんに簡単に説明致しますね。」
{いまからそれはショウがこの世界にやってくる前の話、およそ500程それよりももっと遠い話、その時の世界には虹の能力者がおらず闇の能力者が最強であるとその当時の世界では伝えられていた。だがある時、闇の能力者がある新しい技を習得した、そしてその能力により世界は壊滅寸前にまで追い込まれるほどになっていた。その時はまだ神は天空に存在しておりまだ世界の状況を把握してはいなかった。しかし、炎の神がある異変に気づき地球に向かい異変のことを知りほかの神様たちも呼んでそして、異変の主犯を探しだしその主犯を永久追放したと言われている。それ以来、世界では神様が世界を調和するべくいまでも神様が存在するようになったと言われている。}
「なるほどな、俺のくる前にそんな過去があったとは、」
「でも、これはいま私の持っている本の内容をそのまま読んだだけですから、本当にあったのかどうかはわかりませんよ。」
「まぁ、それもそうだな、」
そして、ショウはマユミが話した神様についての話をもう一度思い返したすると、ある疑問が頭をよぎる。
「なぁ、マユミもう一つ聞いてもいいか?」
「えぇ、構いませんよ私に答えられる質問ならですけど、」
「さっき話したことの中に闇の能力者が新しい技を習得して世界を壊滅寸前にまで追い込んだんだよな?」
「はい、そう書かれていますが、」
「その新しい能力ってなんだ?」
「それは、」
[それは《クローン》だろう。]
四人の背後からガールが歩み寄ってきた。
「ガール、いたのかよ。」
[すみません、あまりにも皆さんが集中して話していたので終わるまでまってたんだ。]
「そうなのか、それよりもさっき言ったその《クローン》ってなんだ?」
[分かりやすく言うなら、自分自身のもう一人というやつですかね。]
「自分自身のもう一人?」
[そう、その能力はこの前に戦った私の影、あれがクローンです。]
「あれが、クローンだったのか、それでその能力はなんなんだよ。」
[クローンしたいものをいくらでもクローン化させることのできる能力。]
「なるほどそれで昔、世界がそれのせいで壊滅寸前にまで追い込まれたのか、」
[それよりも、もうこんな時間だからショウお風呂にでも入ってきたらどうですか?]
「もうそんな時間か、それじゃあそうするよ。」
部屋を出て廊下をすぐ出た隣の部屋に風呂場がある。衣服を脱ぎシャワーで体を洗い流し頭も洗い流し湯船に浸かる。
(しかし、今日はまぁ知りたいことは聞けたからいいか、)
湯に浸かっているうちに段々と意識が遠退いてきた。
しばらくして目を覚ましたショウ、しかし風呂場にはなにかの気配を感じとるするとショウの背後から急にショウに抱きつくものがいたその正体が、
「ガ、ガール?」
抱き付いていたのは神のガールだった、背中にはなんとも柔らかいマシュマロのような弾力のあるものが張り付いていた。
「なんでガールが風呂に入ってるんだよ!?」
[まぁまぁ、そんなことは気にせずゆっくりと湯船に浸かりましょう。]
そして、ショウの頭の中にはこの後なにが起こるのか予言していた。それはすぐに的中した。
「ねぇ、ガール、ショウを見かけてな、、」
(あ、終わったな。)
風呂場に入っていたのはクロナとサユリだった。
「何してるんだ! お前らは!」
「ガールずるい私も、」
すると、クロナも衣服を脱ぎ捨てショウお風呂抱き付いた。
「ち、違うんだよ。これには事情があって、」
「問答無用!」
すると、ショウは意識を失っていた、そのままショウは風呂場で意識を失って眠ってしまった。