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ドラゴン・ドクター  作者: 西谷東
アルメニアへ
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討伐部隊

「あら、この青色のは……」


地面に散らばった青色の厚い殻。


「これは、アウィス・ラーラの卵の殻ですね」


無精髭の男ネヘミヤが答える。


「確か、アウィス・ラーラは子育てが終わったら巣の掃除をする」


マティアの言葉に


「ああ、被害が出てない理由がわかりました」


ですがマズイですね、とネヘミヤは続ける。


「どういう意味だ?」


「自分の食料として攫って来た人間が、巣の中に居るってことです」


「ネヘミヤ隊長」


崖上に巣を発見しました、と飛竜に乗った青年エベルから報告。



✳︎✳︎✳︎


「クエーッツ」


濃緑色の瞳がククルを睨みつける。


「オレなんか食べても美味しくないって」


鋭い嘴から逃げ回るのも、そろそろ限界だ。


クロノスを剣へと変化させ


「このっ」


運が良かったのか、剣の先がアウィス・ラーラの濃緑色の瞳をかすった。



怯んで飛び上がった巨大な鳥に


「あれは……」



マティアたち討伐部隊も気づいた。


「囚われてる餌の人間もしぶといと見ました。エベル、このまま飛竜でアウィス・ラーラが巣に近寄らないように牽制しろ」


ネヘミヤの指示に


「分かりました」


エベルは頷く。


「私たちは、攫われた人間の救出だな」


「巣の中には、私が降ります」


ネヘミヤはマティアにロープを渡すと


「これを、太い木の幹にお願いします」


「いや、中には私が行こう」


ワガママを言って君たちについてきたのは私だ、とマティアが言った。


「しかし、危険では……」


「危険には慣れている」


そう言って、マティアはロープを体に巻きつける。


「分かりました。サポートは、任せてください」


ネヘミヤは、深いため息をついた。



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