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ドラゴン・ドクター  作者: 西谷東
火竜の騎士
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アレス

「レイクホルトの方、ヤバイかもな」


ロスからの連絡を聞いて、セトは眉を寄せる。


「古城の湖に現れた神獣に、手こずってるようだ」


「叔父様プルヴィアでも、苦戦を……」


セノーテは、不安そうな表情。


「マティアさんとウェルテクスが、レイクホルトの方に?」


ククルが聞くと


「ああ、向かったはずだが……だが、連絡がとれない状況だ」


俺も急いで竜都へ戻るこになった、とセト。


神獣の動きが活発的で、ルブルム伯爵は部下を率いてイグニス砂漠へ向かった。


(マティアさん、何かあったか?)


連絡が取れないなんて心配だ。


ククルは頭を横にふると


(いや竜騎士は、強い。特にあの人は……)


「ふむ、バサルテス坊やだけでは荷が重いかもしれぬ」


竜都に戻った方がよい、とラピスが言った。






✳︎✳︎✳︎



蒼の都市・レイクホルト



湖に浮かぶ古城の天空に、雷鳴が轟いた。


勝負は、一瞬だった。


青い竜ーープルヴィアの巨体が、湖へと沈む。


「ラケルタの威力は、相変わらずですね」


テスカトリポカの前段階として作られた、神獣ラケルタ。


制御が利かず、失敗作として廃棄された。


外では、苦戦している竜騎士と竜奏医師(ドラゴン・ドクター)た。


「神獣の行動に、統一性が出てきている……これは、テスカトリポカ様の力でしょうか」


おかげで、古城の最上階にたどり着いたステラの影に潜むヨアルリ。


中央の台座に置かれた二重楽器(デュオ・アンストリュマン)・アレス。


楽器形態はフルート、武器形態はバルバード。


「後は、これを……」


「止まれ」


ヨアルリ背後に、鋼のように鋭い声。


声の主はーー隻眼の中年男性カエルレウム公爵。


(音に導かれたか……)


すでに、槍の間合。これは部が悪い、とステラは両手を上げる。


「……学生?」


王立アカデミーの学生だと気付き、微かに警戒が緩む。


カチ、カチ、と窓ガラスに亀裂。


砕け散ると同時、風が吹き荒れる。


「ぐっ……」


崩れた瓦礫とガラスが、カエルレウム公爵の視界を奪う。


「ヨアルリ、脱出するなら早めに」


風竜ウェルテクスに乗ったウィツィ。


「タイミングが良かった」


アレスを持ち出し、ヨアルリはウェルテクスの背中へと飛び乗った。



























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