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ドラゴン・ドクター  作者: 西谷東
火竜の騎士
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トゥーラの四大貴族

「適性って……分かるものか?」


セノーテが二重楽器(デュオ・アンストリュマン)に選ばれたのは「竜王の血を引いてる影響が強い」って要素と楽器の相性良かった、とククルが言った。



「……少し、昔の話をしましょう」



そう言って、コアトリクエはこの世界が作られる前に存在したトゥーラの話をする。

ケツァルコアトル族と人間の両方の血を引く、四大貴族には家宝として二重楽器(デュオ・アンストリュマン)が引き継がれていた。

そして、それぞれの楽器の音色に惹かれた守護竜。


「ルブルム公爵家のアルドル、アルブム公爵家のウェルテクス、カエルレウム公爵家のプルウィア、フラーウム公爵家のラピス」


これが四大公爵家の守護竜だ、とグランが言う。


「ラピスは、兄様の双剣の一方ですわよね?」


地竜の騎士グランが契約しているラピスとバサルテスは、竜都の双剣と言われている。


セノーテの問いに


「ラピスは、ワタシからグラン殿下の方に」


ワタシは、もう竜奏医者(ドラゴン・ドクター)ではありませんので新たな契約者としてグラン殿下が認められた、とコアトクエが語った。



「つーか、そんなでかい都市があったら記録とかに残ってるもんだろ」


俺は一度も聞いたことないぜ、と欠伸をしながらセト。




「……それは 、トゥーラの意思が失われたことが大きな理由です」


コアトクエは溜息をつくと


「かつて、トゥーラでは都市を一つの生物と考え人工知能によって管理していました」


全ての情報を市長がデータとして記録していた。


一度世界が破壊された際に、データを保存していたトゥーラの意思が破壊されたことで記憶がすべて破損してしまった。


「記憶残すなら、紙が一番てことですかね」


ロスが、肩を竦める。


「古書はいいぞ、特に紙の匂いと開いた時に顔にあたる風も」


熱く語り出したグランに



「兄様は、古書マニアでしたね……」


古書で埋め尽くされた兄の私室を思い出し、セノーテが言う。



「四大貴族の守護竜アルドルと、契約してるセトさんに適性がある理由は分かるけど……校長先生の話だと、二重楽器(デュオ・アンストリュマン)は元々四つみたいな言い方だろ」


オレのクロノス入れたら五個ある、とククルは言った。



「おそらくクロノスは……テスカポリトカのために作られたと」


コアトクエの答えに


「あいつ、音に好みなんてなさそうだけどな」


ククルは鼻を鳴らした。


鳥籠(チェチェンイッツア)の宝物庫にあったクロノスに一目惚れし、持ち出して弾くようになった。

それから、テスカポリトカの寝室で弾くように命令された。


(だからこそ、オレでも隙をついて黒の楽譜の断片を弾けたんだけど)













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