聖夜祭②
ブッフェスタイルで並べられた料理。
生徒達が会談を楽しんでいる時
「た、大変です! 校舎内にルプスが」
講堂に入って来た、用務員の男ディックが倒れこむ。
状態を確認したレナは
「腕にルプスの爪痕……急いで、医務室の方へ」
それを聞いた、生徒達の間に動揺が拡がる。
「おい、ルプスって確か砂漠に住む神獣だろ」
「そうそう、別名は墓荒らし狼」
墓に備えられた宝石を盗み、巣穴に持ち帰る。
狼系の神獣上級。
「落ち着きなさい。下級生は、上級生の支持に従い避難を」
ルプスの対処は職員たちで行います、とコアトリクエ。
「……コアトリクエ校長、もしや地下の」
「ワタシに、あれを弾くことは出来ません。ルプスに嗅ぎつけられる前に、新しい竜奏医師に引き継がせなくては」
ロイとコアトリクエの会話を盗み聞きしていたマルタは
「……地下ですか」
さて、どうやって探りましょう、と呟く。
「……ねぇ、ピアノの音聞こえない?」
セノーテの言葉に
「いや、俺には聞こえないが」
アズールが答える。
「……近くに、二重楽器があるのかも」
二重楽器は、新しい主に音を響かせる、とククルが言う。
「なら、セノーテが新しい主に?」
「資格は、あるんだと思う」