竜都の冬
校庭と校舎の屋根に降り積もった白い雪。
生徒たちのほとんどは故郷で「聖夜」を祝うため、里帰りの準備を始めていた。
今日から、一ヶ月の冬休み。
ククルは珍しそうに雪を眺めながら
「これって、世界の終末の前触れ?」
それを聞いたステラは苦笑い。
「ククル君は、雪は始めてですか? うちは山が近いので倍以上は降りますよぉ」
一面の銀世界で「雪だるま」と呼ばれる人形を作って遊ぶと聞いて
「面白そうだな」
「一度来て見ますか?」
ステラの言葉に
「結構、大胆だな。そこまでオレのことを……」
勘違いしているククル。
「汽車の時間がありますので。よいお年を」
そう言って、ステラ踵を返した。
「持てる男は辛いな……」
その光景を遠目に見ていたセノーテは
「……」
眉を寄せる。
「何、剥れてるんだ」
アズールが聞くと
「なんでもありませんわ!!」
さらに機嫌は悪くなる。
アズールは頬を掻くと
「今日は残った生徒のために、コアトリクエ校長が聖夜祭を開く。ダンスに誘ったらどうだ?」
「し、仕方ないですわね。アズールがどうしてもって言うなら……ところで、ククルは正装用の衣装を持っているのかしら?」
「境遇を考えたら、持ってないだろうな。確か、騎士団のマティア殿が保護目的で連れて来たんだろ」
まあ、本人の性格が影響してるのか敵に狙われているような雰囲気はない。
「確か、アズールのお古がありましたわね。さっそく衣装合わせをしなくてわ」
ククルに話しかけるセノーテを見て
(あれで、ちょっと内気な所あるからな……きっかけは、俺が与えてやらないと)
アズールは溜息をついた。




