第四十九話 わたし(俺)、前世の過ちを胸に
放課後の学園。
静かな空気の中で、
わたし(俺)は立ち止まる。
整理された結界。
整列する生徒たち。
順調に進む日常。
でも、心は少しざわつく。
(前世のわたし……)
人を傷つけ、心理を揺さぶり、楽しんでいた日々。
その感覚は、今も心に影を落とす。
視線を横に移すと、隣に幼馴染のような少女が立っていた。
「……随分変わったね」
小さく微笑む。
「うん」
少し視線を伏せて答える。
「前世の記憶があるから、
今の行動が正しいって、わかるんだね」
その言葉に、
わたし(俺)は静かに頷く。
「力は使い方次第で、人を傷つけることも、
守ることもできる」
彼女がそっと肩に手を置く。
「だから、正しい使い方を選べる今のあなたが好き」
心に温かさが流れる。
孤独の中で、誰かの存在が支えになっていることを実感する。
視界に表示。
《裁量:成熟》
《影響範囲:学園全域+外部地域維持》
《支持:最大値維持》
《自発判断:模倣連鎖拡大》
《孤独:維持》
《心象:前世の反省》
(過去は消せないが、今の行動で価値を変えられる)
深呼吸。
わたし(俺)は決める。
「これからも、裁量を正しく使おう」
そして、この力を次世代に繋ぐ。
彼女は微笑みながら小声で言う。
「私も、ずっと見てるから」
孤独でも、
意味はある。
前世の過ちは、
この学園での判断と影響力で、
少しずつ贖われる。




