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第四十三話 わたし(俺)、誤解が判断に影響する
演習は順調に進むはずだった。
しかし、
小さな誤解が波紋を広げる。
上級生の一部は、
「補佐役は、介入を控えるべきだ」と思い込む。
中級生は、
「止めない=支持」と誤解する。
場面ごとに、
動きがずれる。
魔力波の制御。
結界補正。
進行判断。
全てが、微妙に遅れる。
わたし(俺)は、
静かに観察。
必要な瞬間だけ、最小限の指示。
「右側の結界補正を急げ」
生徒たちは驚く。
だが即座に従う。
事故は防げた。
放課後。
廊下。
彼女が声をかける。
「誤解、広がった?」
「うん」
「でも、止めたんだね」
「止める瞬間にだけ」
視界に表示。
《誤解:拡大》
《判断:制度反映維持》
《支持:微増》
《孤独:維持》
(波紋は大きい)
会議室。
管理職が言う。
「誤解が広がったが、
行動で示された結果は確かだ」
「理解しました」
「次は、
周囲への周知方法を検討しよう」
「はい」
孤独は続く。
誤解も残る。
でも――
判断の正しさは揺らがない。
正式役割は、
その重みを伴う。
声がなくても、
拍手がなくても。
孤独でも、
意味はある。




