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第四十一話 わたし(俺)、裁量を拡張される
外部での成功から数日。
学園は静かに動き始めていた。
管理職から呼び出され、
小会議室へ。
「今回の件を踏まえ、
補佐役の裁量を拡張する」
書類が置かれる。
「今後は、正式演習の現場判断に加え、
緊急時の臨機対応も、
補佐意見として制度に反映される」
(……拡張か)
「権限は限定的だが、
責任も比例して増す」
わたし(俺)は静かに頷く。
「承知しました」
会議を終え、
廊下を歩く。
彼女が横に来る。
「裁量が増えたね」
「うん」
「怖くない?」
少し考える。
「怖い」
「でも?」
「判断の意味が、
より広くなる」
視界に表示。
《正式役割:裁量拡張》
《影響範囲:学園全域+緊急対応》
《責任:増加》
《孤独:維持》
(準備はできている)
放課後。
演習場。
上級生も中級生も、
自然とこちらを見て判断を確認する。
声はなくても、
動きで伝わる。
わたし(俺)は、
判断を示す。
必要なときだけ。
止めるべき瞬間。
見送るべき瞬間。
静かだが、
確実。
肩書き以上の価値。
孤独でも、
意味がある。




