第四十話 わたし(俺)、外部の試練
午前。
学園に異変の連絡。
訓練区域外で、
魔力の暴走が確認された。
対象は、
学園の周辺地域。
生徒ではない。
わたし(俺)の肩書きが
直接効く場ではない。
だが――
判断は求められる。
現場到着。
教師と数名の上級生が、
現地で対応している。
「補佐意見を」
誰かが声をかける。
(声を上げろ、か)
わたし(俺)は周囲を確認。
安全確認。
情報整理。
「魔力暴走の方向、
こっちに誘導可能」
教師が頷き、
制御結界を設置。
生徒たちが指示通り動く。
しかし、予期せぬ反応。
暴走源が、
急激に拡散。
中級生が慌てる。
(声を出せば、助かる)
でも――
今回は様子を見る。
代わりに、
全員の判断をまとめる。
「左側の誘導は保留。
反応速度遅れに備えろ」
教師が従う。
生徒たちも、混乱せず動く。
瞬間、暴走が制御される。
成功。
だが、心は静かではない。
(この責任は、
公式範囲外だ)
帰り道。
彼女が隣に来る。
「怖くなかった?」
「怖い」
「でも?」
「制御できた」
視界に表示。
《正式役割:制度外影響》
《支持:拡大傾向》
《判断:自発反映》
《孤独:維持》
(外でも通じた)
肩書きだけではなく、
判断の重みが伝わった。
制度外でも、
行動は意味を持つ。
そして――
孤独でも、
責任を持てる。
これが、
正式役割の本質の一部だ。




