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第二十九話 わたし(俺)、静かな賛同を知る

孤立は、

続いている。


劇的な変化はない。

空気も、重いまま。


――でも。


少しずつ、

違和感が混じり始めた。


朝。


机の上に、

紙が置いてある。


名前はない。

一行だけ。


《昨日の判断、正しかったと思う》


(……一人目)


誰かが見ていた。

誰かが考えていた。


それだけで、

十分だ。


昼。


演習準備室。


器材の配置が、

いつもより整っている。


刻印の補正。

予備結界の位置。


誰も、

何も言わない。


でも――

「想定外」を想定している。


(伝わってる)


放課後。


廊下。


すれ違いざま、

小さな声。


「……あの時」


「止めなくて、

 ありがとう」


振り返る前に、

相手は行ってしまう。


顔は、

見えなかった。


(それでいい)


彼女が、

少し後ろから歩いてくる。


「最近さ」


「うん」


「声は少ないけど」


「視線が、

 前よりまっすぐ」


その言葉に、

少しだけ笑う。


「賛同って」


言葉を探す。


「拍手じゃないこと、

 多いんだ」


「分かる」


彼女は、

すぐに頷いた。


「目立たないけど」


「逃げない」


視界に表示。


《支持:静的増加》

《反発:停滞》

《均衡:形成中》


(十分だ)


大勢に囲まれなくてもいい。

声高に褒められなくてもいい。


必要な時に、

止められる人がいる。


それを、

信じてくれる人がいる。


それだけで――

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