23話:告白
休み明けも変わらず鍛錬から1日が始まる。
ただ、あの機材を使っての初の鍛錬となる。
軽く試した時に考えたように、小さいポケットを狙ったり、動きながら投げたり、球に横回転をかけて投げたり、色々と試してみた。
そんな簡単に投擲スキルは手に入らないだろうが、継続していこうと思う。
次の目標はジャイアントラットのAcquisitionsだが、それ以外に何かやり残していることは無いだろうか。
そういえば、いつまで今の剣を使い続けようか。今の所は問題ないが、北の森に行くタイミングで防具と同様に買い替えようかな。
朝食後にいつも通り草原でモンスターを討伐していく。
今日はスライム9体、ワーム9体、ジャイアントラット5体、ホーンラビット2体、合計22,200Gと今日も最高額を更新して、所持金は27,520Gとなった。
◇◇◇
翌日からの4日間も変わらずに討伐に取り組む。
最高額は更新できなかったが、安定して1日2万Gを超えるようになった。
ただ、4日目は昼過ぎから雨が降ってきた。雨が降ると視界と足元が悪くなるし、冬の雨は体力も奪われる。無理しないですぐに帰ってきたので今日はいつもの半分くらいの稼ぎとなった。
4日間の成果で、所持金は104,570Gとなった。
半日の活動でも1万G稼げるようになったのはいいことだが、目標の25万Gまであと15万G、つまり7.5日くらいは掛かる。
これまで順調にレベルアップやAcquisitionsでステータスを強化してきて、どんどん強くなれることで楽しくやれてきたが、ここに来て我慢が求められるようになった。
そういえば、Eランクに上がった時にギルドの受付さんに、腐らずに長期間かけてゆっくり挑んで下さい、と言われたがこういうことなんだろうな。
◇◇◇
翌日は予定通り休みだ。
ただ、孤児院の手伝いは程々にして、セリアさんの元に向かう。
「ディックス、今度は何かありましたか?」
「いえ、最近の活動内容を報告しておこうかと思いまして。
まず、レベルアップしてレベル7になりました。
そして、南の草原のモンスターはホーンラビットを含めて無傷で倒せるようになりました。
そのため、2月に入るくらいから北の森に活動場所を移そうと考えています」
直前でもよかったとは思うが、これまでの経験から、草原から森への変更はセリアさんが止めようとする可能性があると予想していたので早めに伝えることにした。
「そうですか。でもまだ早いのではないですか?」
「そんなことは無いと思います。
北の森に生息しているモンスターについては冒険者ギルドの資料で確認してあります。
それによると適正レベルが一番低いモンスターは7であるため、倒せると思います。
もし無理そうだったら草原に戻ります」
「うーん。せめてソロではなくパーティーで活動して欲しいですね」
やはりソロであることを気にしていたか。
そろそろスキルのことを少しは伝えてもいいかもしれない。
「分かりました。
セリアさん、ちょっと大事な話をしたいので、スワンさんを呼んでもいいでしょうか。
あと、これからの話は絶対に他言無用でお願いします」
「どういうことかしら。
まぁ聞いてみるしか無いですね。聞いてから判断しましょう。
スワンさんを呼んできますので、待っていて下さい」
セリアさんはすぐにスワンさんを呼びに行ってくれた。
スワンさんを連れて戻ってきた所で、現状のスキルについて説明した。
このスキルのおかげで素材を持って帰ってくる必要が無く稼げる、7レベルだがステータスとしては11レベルを超える強さである、剣術スキルも獲得している、というソロでやっていけることを説明した。
同時に、パーティーを組むとその相手も経験値が獲得できなくなる、確実にお金の配分でトラブルになる、というパーティーを組めない理由も説明した。
どうしてもパーティーを組むとしても、セリアさんとスワンさんがその配分の指示ができそうな孤児院の子にしたいこと、既にパーティーを組んでいるであろう年上の子を入れたくないので、年下の子でパーティーに入れることを推薦してもらえたら入れる形にしたい、と今まで考えていたり、この場で考えたり、別にパーティーを組みたくないわけじゃないということを伝えた。
まぁ私と同じだけ動けるなら、という前提になるのだが。
それを聞いて、セリアさんとスワンさんは顔を合わせて相談し始めた。
強さも伝えたし、この2人には全てを伝えてもいいとは思っていた。なかなかその機会が無かっただけで。
それに2人から情報が漏れることも無いだろうと信頼しているが、もし漏れても2人なら諦めがつく。
「理由は分かりました。仕方がないですが、ソロでの活動、北の森へ行くことを許可します」
結構長い時間相談していたように感じたが、相談を終えた2人は渋々ながら了承してくれた。
ただ、北の森に行くようになったら、少なくとも1週間は毎日細かく報告して欲しいということだった。
また、過去に孤児院の子供でレッサーベアを倒せた人もいるが、4年間ずっとモンスターを狩り続けてそれでもレベル20になるのは孤児院にいれる4年間ギリギリとなり、なんとか倒せたらしい。
それだけ時間が掛かるので焦らないで欲しいということだった。
4年間もかけずにレッサーベアを倒したいとは思うが、ジャイアントラットのAcquisitionsに必要な金額を稼ぐための期間の長さを思うと、焦らず我慢して取り組み続けることができるかどうかが冒険者として成功するのに重要な要素なのだろうと感じた。
無事にセリアさんの許可も得たので、明日からも安心して稼ぐぞ。
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所持金:104,570G
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