14話
このジョブ特有の強くなる方法を見つけた翌日。
Acquisitionsを早く使って強くなりたい、次はワームかなと考えているが、それをやるにもお金が必要である。
Due Diligenceは、相手と自分の強さの差によって消費額が変動する、という説明があったのでワームでもスライムと同じ1,000Gで済むかもしれない。しかし、Acquisitionsについては、相手の強さによって金額は変動する、とあるので少なくとも最弱で適正レベル1のスライムより、適正レベル2のワームの方が安いということはないだろう。
ワームの方がスライムよりステータスは上がると思うが、レベル5に上げる方が安い可能性が高そうだ。
今日からの目標はレベル5にすることと決めて、いつも通り草原に向かう。
今日の成果は、スライム×6、ワーム×7、ジャイアントラット×1、合計10,450Gで所持金は11,860Gになった。
ステータスが上がったので倒すのはより一層余裕が出てきたが、モンスターを見つけるのに時間が掛かる。
モンスターを見つけやすくなるスキルもあるらしいが、私のジョブでは獲得できたとしても時間はかかるだろう。
また、昨日獲得した酸攻撃を使ってみたが、スライムも一撃で倒せない程度の威力だったのでしばらく使うことは無さそうだ。そして連続使用については1度使ってから1分後には再度使えて、それ以外に身体への負担なども感じなかったので時間制なのだろう。
帰りにはいつも通り冒険者ギルドに立ち寄り、スライムゼリー×5、ワームの牙×5、ジャイアントラットの皮×1を納品した。
そのついでに、受付さんにモンスターをより多く狩る、見つける方法は何か無いかと聞いてみる。受付とはいえギルド職員なのでそのような情報に詳しいのではないか、という考えである。
受付さんからは、探査系のスキルを獲得するかダンジョンに行くのがいい、ダンジョンの方がより効率がいいことが多い、と教えてもらえた。
ダンジョンか。ここから一番近い所は、クロス領から西方向に徒歩で2・3日ほどの距離にあるイムス伯爵領から北に徒歩で1日の距離にあるトヤダンジョンらしい。
話を聞いて、この街のことも知らなかったが、街の外のことはもっと知らないな、と思った。読み書き計算はセリアさんに教えてもらったが、それ以外は勉強が必要だな。どこか休みの日にまとめて調べてみよう。
◇◇◇
次の日も草原で稼ぐ。
今日は、スライム7体、ワーム6体、ジャイアントラット2体、合計11,350G、所持金は23,210Gとなった。
一昨日は調子良かったが、昨日と今日は普通だ。1万G以上稼げてるから目標は達成できているが、一昨日を経験しているともっと稼ぎたいと欲が出てしまう。
◇◇◇
次の日は休暇にした。セリアさんにも少しは休むようにと言われているので、しばらくは5日連続を上限にして、5日討伐1日休みというペースを基本形にしよう。
休暇なので孤児院の手伝いをしてから、先日ギルドで決めた通り、この街の外のことを調べることにした。
セリアさんに聞いた所、領主館の資料室に行けば必要な資料があるはず、ダンジョンやモンスター関連はギルドの資料室の方がより詳しいはず、領主館で一通り調べてからダンジョンやモンスターについてより詳しく知りたい部分だけギルドで調べるのがいいと思う、とアドバイスをもらった。
両方行く時間があるかは分からないが、ひとまず領主館の資料室へ向かう。
以前マイカードを発行してもらうために来て以来だ。近くにいる職員さんに資料室を利用したいがどこにあるのかを尋ねると、2階の右側(東側)が資料室であり、資料の詳しい場所は資料室にいる職員に聞くようにと教えてもらえた。
お礼を伝えて2階へ向かう。周りを見渡すと資料室と書いてある部屋があったので入っていく。
そこにいた職員さんに資料室の利用時はマイカードを提出するように言われたので提出し、この国のこと、主に都市やダンジョンがどこにあって、どういうモンスターがどこにいるのか知りたい、と伝えるとその本の場所まで案内され、オススメの本を教えてくれた。
オススメされた本を閲覧席で開いて読み始める。
その本は国についての多くのことが記載されており、最初はこのアミューズ王国の国王であるエンタム4世についての記載がされていた。この人の名前は知っている。毎年の年始に国王の新年の挨拶という文章が街に張り出されるからだ。その文章は孤児院にも配られており、国王の言葉と共に領主であるクロス伯爵の言葉も一緒に書かれている。
次がこの国の貴族制度について。あまり興味は無いので読み飛ばしていくが、国王は貴族の調査権・罷免権を持っていて、調査の上で罷免すべきと国王及び貴族の1/3が賛成すると罷免される。また、貴族には国王に対する罷免権もあり、全貴族の2/3の賛成で罷免ができる。というのがなるほどなーと思った。この制度があるから貴族はちゃんと領地の統治をしてくれるのだろう。このクロス領も治安はいいみたいだし。なお、過去1度だけ国王が罷免されたことがあり、高齢で病気がちの国王に対して政治が止まってしまうから早く子供に引き継げ、という理由で罷免されたというのは興味深かった。
その次は国の地理について。ここからはしっかり読もう。適宜、孤児院から持ってきた紙にメモをしよう。
まずこの国、アミューズ王国はこの大陸にある唯一の国。それは知っていたが、その国の形と大きさは初めて知った。形はどう説明したらいいか。正方形を45度傾けたひし形、そこの左端から下に陸地が続いてひし形の下の角と同じくらいの高さまで続いている感じ、と言えばいいのだろうか。私がいるクロス領はひし形の左下の辺の真ん中と左端の中間くらいに位置している。ちなみに王都は左上の辺の真ん中と左端の真ん中辺りに位置している。いつか行ってみたい。
大きさとしては、ひし形の北端から南端まで約2,000kmあるらしい。2,000km?1日に歩いて50kmくらい移動できると40日も掛かるくらいか。私が遠くに行くにしても王都より遠くに行くことは無さそうだ。
次にダンジョンの位置について。冒険者ギルドで聞いたトヤダンジョン以外に6つ、王国全体で7つあるらしい。
ダンジョンの中にも難易度があるらしく、トヤダンジョンは初級であり、初級ダンジョンを攻略できるのが冒険者ランクCに上がる条件の一つらしい。
初級ダンジョンはトヤダンジョンの他に、ケンダンジョン、アーツダンジョンの2つがあるが、初級の中ではトヤダンジョンが一番易しいとのことだ。
それぞれのダンジョンの特徴としては、トヤダンジョンは水棲モンスターが多い。
ケンダンジョンは国の左下に続く陸地の先端、ケン公爵領都の近くにあり、アンデッドが多い。
アーツダンジョンは国の右端より少し下の方、アーツ侯爵領都の近くにあり、水棲モンスターとスライムが多い。
次からは難易度が中級であり、これを攻略できるとBランクに上がれるらしい。
中級は2つあり、1つ目がエトコダンジョン。国の右端より少し上の方で、ベアモンスターが多い。
2つ目がウルイダンジョン。アーツダンジョンから北の方にあり、植物系モンスターが多い。
最後に上級ダンジョンが2つ。ここを攻略できるとAランク昇格が確実らしい。
1つ目がマクカリダンジョン。国の左端の方でトヤダンジョンから北の方にあり、ウルフモンスターが多い。
2つ目はヌタプダンジョン。国のほぼ中央にあるダンジョンであり、誰も攻略したことのない最難関ダンジョンとなっている。
最後にモンスターの分布はこの資料には記載が無かったので、入口にいた職員さんに聞いて別の資料を教えてもらった。
その資料によると、クロス領近くにいないモンスターは北側や東側に生息しているようだ。
ただ、ダンジョンにも生息しているモンスターが多く、ダンジョンに行けば十分なようだ。
あと、そこに冒険者ギルドのランクについての記載もあり、ダンジョン攻略によるC~Aランクへの昇格以外に、王国の全土に生息しているレッサーベアというモンスターを1人で倒せるとランクDに昇格できるらしい。
ホーンラビットを倒せたら、次はこのレッサーベアを倒せるようになることが目標になりそうだ。
これで調べたかったことは大体分かったと思う。
14歳になって孤児院を出たらトヤダンジョンには行きたいな。あとはマクカリダンジョンもそんなに遠くないみたいだから行ってみたい。
昼食も食べずにずっと資料室に籠もっていたので、気づくとお腹が空いていた。
領主館から孤児院へ帰る途中で見つけた屋台でソーセージパンを買って食べながら帰った。
そういえば、剣を購入した以外で自分のお金を使って買い物をしたのは初めてだ。まだまだ経験してないことがたくさんある。
たくさん稼げるようになりたいが、同時に色々なことを経験してみたいな。
xxxxxxxxxx
所持金:22,950G
xxxxxxxxxx




