12話
孤児院の下の子たちと遊んだり、ゆっくりしたことで心身ともにリフレッシュした翌日。
日課の鍛錬を行い、朝食後にいつも通り草原の南側に向かう。
今日の目標は、ジャイアントラットと再戦して余裕を持って倒せるかを確認すること、とにかく倒して稼ぐこと、少し早く切り上げて冒険者ギルドに寄って常時依頼の納品を行って冒険者ランクアップをすること。
特に3つ目は忘れないように、討伐に集中しすぎないようにしよう。
出会ったスライムとワームを全て倒しながら南に進む。そろそろジャイアントラットが出てきて欲しい所だが、そう思っている時ほど中々出てこない。
昼食を終えてもまだ今日はジャイアントラットが出てこない。
目当てのモンスターが出てこないとイライラする、というのを冒険者ギルドで他の冒険者が話しているのを聞いたことがあったが、そうなるのも分かる。
私の場合はジャイアントラットが出てこなくてもお金は稼げるし、依頼が達成できないわけでもなく、明日でも問題ないからイライラはしないがそれでもじれったい。
時間的にそろそろ出てきてくれないと冒険者ギルドに寄れなくなるため困るなと思っていると、やっと目当てのジャイアントラットを見つけた。
今回のジャイアントラットも前回と同じくらいの大きさの個体だ。強さも素早さも同じくらいだと想定して、今回もカウンターで倒そうと決めた。
今回は十分に引きつけるだけでなく、爪での引っかき攻撃をしてくる足と反対方向に避けてみる。前回はとにかく左側に避けたが、前回の戦いを反省する中で爪の反対側に避けた方が安全だったのではと思ったのだ。
剣を構えてジャイアントラットの攻撃を待つと、今回はすぐに突っ込んできた。ジャイアントラットの動きをよく見ていると前回同様に右前足での攻撃が来るのを確認した。即座に右側に回避し、剣を顔面に叩きつけた。
攻撃と反対側に避けたので爪に注意を割く必要がなくなり、前回よりスムーズにかつ力強く繰り出すことができた攻撃は、ジャイアントラットの顔面に深く突き刺さった。
剣を引き抜き、ジャイアントラットから距離をとって様子を確認するが、大きく出血をしたためかフラフラとした動きになったジャイアントラットは1分もせずに倒れた。
『All is Moneyの効果が発動しました。
経験値と素材がお金に変換されました。1,200Gを獲得しました』
前回は何度も攻撃してやっと倒せたが、今回は一撃で倒せた。
いいところに当たったからかもしれないが、レベルアップと戦略により前回より威力もスピードも正確さも上がった感じがしたので、もう1度戦っても余裕を持って倒せそうだ。
目標だったジャイアントラットを倒したし、もうすぐ空が赤くなりそうな雰囲気だったので急いで街に戻る。
街に入る前には納品用にスライムゼリーとワームの牙を6個ずつMoney is Allで用意しておいた。
予定通り冒険者ギルドへ向かい、受付でスライムゼリーとワームの牙を納品すると、
「今回の納品により、ディックスさんはFランクにランクアップとなります。おめでとうございます」
前回言われた通りに前回と同じ量の納品をすることでランクアップができた。受け取ったマイカードを確認する。
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名前:ディックス
ジョブ:
所持金:18,010G
補足情報:ジョブは読めない文字での記載のため王都にて調査中(クロス伯爵領)
冒険者ギルドランクF
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これで今日やるべきことは全て達成できたな。
あとはもっと稼げるようになりたいが、何かよい方法は無いだろうか。
毎日コツコツ稼ぎながら、孤児院にいる時間で考えるようにしよう。
「セリアさん、少しお時間良いでしょうか」
「大丈夫ですよ、お入りなさい」
「失礼します。
セリアさん、今日ギルドランクがFになりました。
あと、ジャイアントラットを余裕を持って倒せるようになりましたので、明日からはホーンラビットとも戦おうと思います」
「順調なようですね。
レベルはいくつになりましたか?」
「レベル3になりました」
「レベル3ですか。
ここまではいい調子だと思いますが、ホーンラビットと戦うのは適正レベルであるレベル5になってからにしなさい」
確かに最初にギルドからもらった資料には、草原にいるモンスターと戦う適正レベルが記載されており、スライムはレベル1、ワームはレベル2、ジャイアントラットはレベル3、ホーンラビットはレベル5、となっているのを思い出した。
セリアさんはその適正レベルまで上がるまではダメだという判断なのだろう。ジャイアントラットもレベル2では苦労したし、セリアさんの言うこともごもっともなのでここは素直に従うようにしよう。
実際、私はステータスは騎士や剣士のレベル3と同じくらいだとは思うが、スキルが戦闘に直接関係するものではないのでその分弱い。
レベル5になってもホーンラビットとの戦闘の適正レベルに強くなっているのかと言われるとそこまで達していないのかもしれない。
とにかくもっと稼がなきゃ。




