8:陽キャほどガチギレすると怖い。
処理に困った。
ドリルで削った土は壁に寄せられ、押し固められている。
そもそも埋めることを前提にしていないのだ。
よし、鬼、改めオーガに任せよう。
あのオーガの執着なら、自分の服一着あげるっていえばやってくれるでしょ。
・・・ハッ!
殺気!
間違いなく一の五の教室からだ。
オーガって言ったのがダメだったか。
じゃあ、オーガ、改め鬼!
・・・殺気が収まった。
やばいな、このセンサー。
まぁ、帰るか。
服洗って、学校から電話が来たらオー、じゃない、鬼に任せよう。そうしよう。
え、なんか帰ってる。
そうくるか~。
あんだけ人を罵った気配出しといて帰るか~。
許せん。
明日来たら処しちゃる。
登校すると、昇降口のど真ん中で凄くにこやかな鬼が立っていた。
これは危険だ。
回れ右して逃げる。
「凜ちゃ~ん?逃がさないよ?」
構わず逃げる。
「帰った後学校に電話してチクったでしょ~。どんだけ怒られたと思う~?」
知りません。
「ろうく「逃がさないって言ったよ~?」
後ろから跳びつかれ、左手で口をふさがれる。
え?誘拐?
「ちょっと来ようか」
連れて来られたのは、ベッドが部屋の中心に置かれた音楽室。
鬼はずっとにこやかなまま。
「じゃあ、やろっか」
私に覆い被さって鬼が言う。
アレやられんの?
やだなー。鬼って経験多そうだし絶対上手いじゃん・・・。
しかし逃げられそうもない。
ここは腹を括ろう。