第一話
初投稿です。
色々至らないところがあると思いますが、ご容赦ください。
──■■よ
なんだ、この声は…
──起きなさい、■■よ
…なんだよ、急に
──目覚めの刻です
──さぁ
「起きろ!」
突然の大声に俺は飛び上がって起きた。
驚いて横を見ると、親友のピレがこちらを睨んでいる。
「やっと起きたか、このグズが!」
よく分からないが、ピレは俺に怒っているらしい。
寝起きの回らない頭を使ってそう結論に達した俺は彼に謝ったが、これは逆効果だった。
「理由もわからねぇのに謝ってんじゃねえよ!」
「…ごめん。じゃ、なんで俺は怒鳴られてんの?」
しょうがないじゃないか、寝起きなのだから。
俺の言葉にピレはさらに顔を赤くして、それから溜め息を吐いた。
「昨日、食い物がなくなりそうって言っただろ。探しに行くんだよ」
「あぁ、そっか」
俺は頷きながら、辺りを見回した。
干し藁の粗末な寝床に、朽ちかけの小屋。
扉を失った窓からは、淀んだ灰の空が見えた。
そして、俺はピレを見る。
金髪に碧い瞳の彼は、せっかく綺麗な顔立ちをしているけれど、その白い肌は荒れて、髪はくすんでいる。着ている服も麻袋を切って、縄で腰を結んだだけのものだ。
…まぁ、これが俺たちには当たり前だけど。
俺はのびをして、ピレに支えてもらって立ち上がる。
ピレは悪態をつきつつだったけど、手伝ってくれるあたりはいい奴だ。
こうして、俺たちの朝は始まる。