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なんかちょっと微妙な?

現状把握にはまだまだ遠い。大して何も起きていない。

「初、ごめ、美味し血」



翻訳。


初めまして。ごめんね、美味しかったわあなたの血。


というところだろうか。

テッパンと言えばテッパンなのだろうけど、蛭が人っぽい何かになりましたよ。

身長はほぼ私と同じくらいの。

肌の色というか質感は蛭っぽい。

妙につやつやしてる。ぬめぬめはしていない。

他に人がいないので、現地語なのか異世界言語なのかは不明。

なれど意思の疎通が出来るなら重畳重畳。

会話できるのって以外と重要。


「ねぇ美味し血、こっち」


まて。まてまて。

美味し血=私?!

名乗ってないからかもしれないけれど、ちょい待て。


「すみません、たぬ、と呼んでもらえますか?私、たぬ」


自分に指差しながら、ひたすらたぬたぬ言ってみた。


「たぬ?はいはい。我、ヒュリュヒュリュカンミウマネズミの子、タランテイラハクビの子・・・」


名乗り長いパターンきたー。

この子の一族か、家族なのかはわからないけれど、始祖?辺りからこの子に到るまでの歴史が学べました。

いつ使うのかわからんいらん知識増えた。

結果、判明したこの子の名前はチィでした。


短っ。


急に短っ!


彼女?いわく、好みの血をいただいて人になると成人らしいです。

巡り会えずに寿命を迎えることも少なくないそうで、自分は幸運だったとかなんとか。

微妙なカタコト会話でどうにか聞き出せたのはそんな話だった。

カタコトだけじゃなく、言葉を省略するクセがあるようで、

解読にも時間かかった。しんどい。

合間に、行きたいところがあるから行こうと誘われるのをかわしながらなのもあって。

疲れ果てて、情報収集を一旦諦め、こっちこっちと誘われて着いた場所は沼でした。

物語であれば綺麗な、あるいはデロンデロンの沼なのかもしれません。


至って普通の沼でした。


見た目、は。


「ここ。たぬばちゃ。チィ見るの」


そう言ってチィが沼に手を入れようと水面に手を伸ばしたら、


沼が消えました。


沼、消えました。


大事なことは2回。これもテッパンでござる。

手を元の位置に戻すと復活。

異世界だわ。

ものすごくキラッキラした瞳でこちらを見つめるチィ。

そんな瞳で見られて断れる人がいるだろうか。


ここにいます。


「怪しいし怖いし嫌なんですが」


と、呟いてみたけれど、無言の圧が!

殺気かしら、ゾックゾクしたわ。


早く早くー、ともうむしろ背中を強引に押されて入ってみたら、


普通。


あれ?


普通?

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