2週目にして初めての部活
オタク認知度が未来に高くなるのを知って居るさとみは、前回は入らなかった漫研に入る事を心に決めたのだった。
2週目にして初めての部活
授業は退屈だ、何でって、私の今の学力だとこの普通の道立校程度では受ける程の授業内容は無い。
でも、寝てたりすると都合が悪いので一応は聞いてる振り。
ノートには私が描いて居た同人コミックのキャラを描いて居る。
因みに今は数学だ。
「じゃあこの問題を石原さん、解いて貰えるか?」
早速当てられたし。
「はい。」
この程度なら中間式を書かなくても暗算で出来るがそうはいかないだろう。
答えが判っている以上、中間式を書く手も止まらないし当然速くなる、サッと書き上げて席に戻る。
この数学教師は割と厳格で面倒なタイプだが、流石にこの速さで問題が解かれると驚きの色が隠せないで居るようだが、すぐに気を取り直して。
「正解、良く出来ました、この公式の要点は~~・・・」
説明を始めた。
チャイムが鳴って数学が終わると、恵美が速攻でやって来た。
「さとみ~、相変わらず数学得意そうだね、って言うか増々みがきが掛かった気もする、ノート映させて~!」
「良いけど私もノート取って無いよ?」
「え、マジ?」
「うん、大マジ、ほら、これで良ければ。」
「ぐはっ!マジですか~、何このキャラは、何の漫画?」
「私のオリジナル・・・かな。」
「マジ?同人誌でも作る気ですか?」
「あ、そうか、漫研あったよね、この学校。」
「有るけど、あそこマンガ読んでるだけだよ?」
「はいろっかな~、なんか描いて見ようかと思って。」
実は私はコスプレだけでは無いのです、前回は部活にも入らずにひっそり漫画描いてたけど、ここで漫研に入れば2週目にして初めての部活だ。
「マジで?私はどうするのさ、帰宅部で早めに学校から出て少し遊んで塾な私に愛の手を~。」
「でもそうそう毎日買い食いする訳にも行かないでしょう?お小遣いだって限度が有るんだもん。」
私は実は気にする事は無いんだけどね、なんせ通帳に5千万だしそれ以前に幾らでも稼げるし。
「そうだけどさぁ・・・」
「んじゃ一緒に漫研入ろう! 塾の前までマンガ読んでりゃ良いんじゃない? 漫研ってマンガ読んでるだけって言ってたでしょう?」
「あ、そうか、その手があったか!」
「じゃあ行こうよ、漫研入部しに。」
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放課後・・・
「おっじゃまっしまーっす。」
「あ、石原さん・・・何?」私のクラスの口数が少ない広瀬さんだ、部長らしい。
「私達入部しようと思って来たんだけど~。」
「あ、入部するの? 助かる。」
「どしたの? 部員ってもしかして今これだけ?」
「うん、新入生、入って来なくて・・・三年生は今年受験だから辞めたし、2年は私達3人だけ。」
「そうなんだ、じゃあこれで5人で部として認められるね。」
「でも、描ける人、居ないから・・・文化祭で廃部になるかも。」
「知らないね? こう見えてもさとみは漫画描けるんだよ?」
「救世主・・・」
「今までは先輩が描ける人だったけどね~。」奥から隣のクラスの鈴木さんが割って入って来る。
「これで今年も存続できる・・・」
入部届を書いて提出すると、顧問も喜んで?居た。
いや絶対喜んでないと思う、そりゃ漫画読んでばっかの部じゃネェ・・・
部室に入ると早速、先輩の残して行ったと言うGペンや雲形定規等を確認して、サッと一つキャラクターを描いて見る。
「石原さん、凄いかも・・・」と広瀬さん。
「へぇ、頭良い子が此処迄描けると少し羨ましいかも~。」と鈴木さん。
「んじゃ皆、少し描けるように成ってみない?」
「でもなぁ、絵、下手だしぃ~。」と奥から出て来たのは、将来漫画家になって居る筈の森さんだ。
お前漫画家になってるじゃねぇか!と言う突っ込みをぐっと堪えて、「大丈夫、初めは誰でも下手っぴだし、人に見て貰わないと上手くならないよ?」
「そう?じゃ私の絵、見てくれる?」
「あ、みたいー。」貴女の書く漫画好きなんだよね~、と言いそうになってまた堪える。
幾つかのキャラの模写を見せて貰う、うん、普通に上手くなるな、ヤッパリ、今は線が細過ぎるのと模写が主体だから見比べながら描き出す為に、歪みが起きてそれを修復しようと手直しをするとするほど下手糞になるパターンの奴だった。
「ねぇねぇ、森さんさぁ、このキャラ、もう一度書いてくれる?今度は模写元を見ながら模写するんじゃ無くてお手本無しで。」
「お手本無し?え~、描けるかなぁ。」
しかし描き始めると、思った以上に上手く描けるっぽくて楽しくなって来たらしい。
「出来た!凄い、今までで一番いい出来!」
「描けるじゃーん、一緒にオリジナル漫画描こうよ。」
「うん、ありがとう、石原さん。」
もしかすると森さんの漫画家デビューは数年早まるかも知れないと思った私だった。
早速、4ページショートのBL物(平成元年頃にコミケで私が売った事が有る作品)を即興で描いて見たら、大ウケだった。
部活を終わって帰り道、そう言えば今日はアイツ絡んで来なかったな~、なんて話して居ると。
鈴木さんが「あ、今日学校に来てないかも。」
なんて言って居た。
陽子の奴とうとう学校までサボるようになったか、そう言えば2年頃からサボり始めてた気がするなぁ、陽子の奴。
とか陽子の事を考えて居たら、陽子の心の声が聞こえちゃった。
『クソ、クソ、クソ、高校生には敵わねぇよ!誰か助けろよ!』
あれ?これってピンチなんじゃ?
「みんな御免、ちょっと用事思い出しちゃったから先帰るね~。」
「「「「うん、また明日ね~。」」」」
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