一夜明けて・・・
どうやら中学時代に戻ったさとみさんはこのシチュエーションを満喫する気になったようですが・・・
一夜明けて・・・
翌朝、私は昨日余りにも色々あり過ぎた為に、相当お疲れだったようで、完全に寝過ごして居た。
「さとみー!もう何時まで寝てんの!いい加減起きなさい!」
「後5分~・・・」
「あと5分寝てたらアンタ間違いなく遅刻!って言うか今でも朝ごはん食えないよ!」
母のその言葉に眠い目を擦りながら目覚まし時計を見た瞬間、完全に目を疑った。
「うっそ!? マジぃ?!」
既に8時を回って居た。
ヤバい~!いくらなんでもヤバすぎる~!
そこでふと閃いた。
私ってば魔法少女じゃん! しかも物質変換出来るしさ、利用しない手は無いかも!
早速、着て居るパジャマを制服に、ハンガーに掛かって居る制服をパジャマに変換して見る・・・
普通に着替えた方が早かった・・・orz
複数の物を同時に物質変換すると、相乗効果で余計に時間が掛かるらしい、複数のデータを同時にDLしてるのと同じなのかも知れない・・・って納得している場合じゃないっ!
それ所じゃ無いんだった! 時間無いっつーのっ!
中身は51歳の中年毒女だけど今は中学生なんだからっ!学校に遅刻は私のポリシーに反する・・・低血圧で元から朝は弱いけどもね・・・
こんなでも一応中学高校と一度も遅刻は無かったと言うのに!
意地で間に合わせねば!
一応寝る前に支度して有ったカバンを引っ掴むと急いで部屋を出て、居間へ行くが、食パン一枚だけ掴むと大急ぎで玄関へ。
食パンを咥えて靴を履きながら「ひっふぇひふぁーふ!(行って来まーす!)」と叫んで玄関を飛び出す。
「気を付けて行きなさいよ~!」
母の声に送られて門を飛び出した直後、第1コーナー(笑)で人にぶつかっ・・・ておかしくなかったんだけど無意識でとっさに時間止めちゃう・・・、えぇ~・・・黄金の出会いフラグだったのになぁ・・・って、少女マンガ読み過ぎですか?うるさいわほっといて!
しかも結構イケメン男子だったんですけど・・・ここで強引に時間動かしてももうこの情況だとぶつかったら痛そうだとしか思えない・・・そっちに気を取られてしまいそうだし、その後の会話も演技臭くなること請け合い、私は縁起苦手なのですよ・・・。それに今ぶつかってとかやってたら確実に遅刻なので、屋根の上に避難する事にした。
そして時間を動かす、と・・・あ、ぶつかりそうになった瞬間食パン落としてたんだった・・・回収し忘れた食パンが地面に落下する・・・どうも彼の視界には一瞬私が入って居たみたいで、急に止まると辺りをきょろきょろと見渡し、パタっと言う微かな音と共に地面に落ちた食パンに気が付き、首を傾げて居た。
はっ!こうしては居られない、遅刻する~!
指輪をステッキに戻して魔力で浮力をコントロール、屋根の上をジャンプして移動する、すると相変わらず遅刻すれすれ女の恵美が爆走中・・・こいつ又かよ・・・私も人の事言えないがここは棚に上げておく。
(先回り先回りっと)
次の角を曲がった辺りなら時間も間に合うし、恵美にもバレずに先回りできる。
うまい具合にシレッと先回りに成功した私は、ステッキを指輪に戻して普通に歩きだす。
暫くすると、「あ~!さとみ~、おはよ~!もしかして私の事待ってゆっくり歩いてた~?」 恵美だ。
「おはよ~、恵美、今日は又一段と遅かったようですねぇ~、もう学校すぐそこだよぉ?」
「言うなぁ~!」
「ほら、急ごう。」
「うん。」
そして遅刻は免れたけども何だか損した気分な私だった・・・
くっそぉ~! 結構ジャ〇ーズ系っぽかったのにな
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