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魔法少女はお年・・・?  作者: 赤い獅子舞のチャァ(実際の人物及び団体とは一切関係在りません)
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時計台

時計台と言う心躍るような言葉に釣られて、怪しいけど、怪しすぎたけど、おっさんとの待ち合わせ場所へと行くと・・・

「さとみ~、恵美ちゃんから電話よ~。」

母が居間から呼んで居る。

「は~い、今行く~。」

どたどたと音がするほど急いで居間へ行き、受話器を受け取る。

因みにみなさんは知ってるだろうか、黒電話と言う奴を。

6Pinモジュラージャックすら付いて居ないケーブルが電話機本体と壁で繋がって居るんです。

当然そこいらにホイホイ移動させることなど出来るものでは無い、しかもあの黒電話と言う奴はかなり重量も有るんです。

「はいはーい、お待たせー。」

《さとみぃ~、くたびれたよぉ~。》

「はいはい、お疲れさん。」

《聞いて~、さとみ~・・・もうね、塾の癖にテストとかしやがってさ~、60点以上取れなかったら補習とか言うんだよ~・・・お陰で遅くなった~。》

「で、恵美は何点だったの?」

《それがさぁ、59点って・・・1点位オマケしてよって話よね~!》

これが恵美の残念な所だ、設定されたギリギリのラインで通らないのだ、しかもかなりの高確率で。

「あははは、それは残念だったねぇ~、何時もながらに・・・」

《も~!何時もって言うなぁ~!》

良いじゃん20代で結婚出来るなら・・・

《ん?何か言った?》

おっと、小声で口に出てたのか?

「何でも無いよ~、それよかさぁ、私も聞いてよ~、恵美と別れた直後にさ~、変な人に声掛けられて~、いきなり、おめでとう御座います! ってさぁ~。」

《ぷっ!何その圧倒的な宗教臭~!! ゲロゲロじゃ~ん!》

「もう!笑わないでよ~、洒落ンなんないんだから~!」

こうして大概毎日、電話でも報告し合う仲良しなのです。

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お風呂で、魔法を試してみる・・・

水なら出せるかしら。

しかし水は頑張っても出なくて、何故かアクアマリンのような石が一つ、コロンと落ちた。

?? なにこれ?

何だろうと思いつつ、今度は火をもう一度出そうと試みる。

すると、やはりまた、ルビーかガーネットのような赤い石がコロンと落ちた。

どっちも宝石なのだし、まあ良いかと思って持っておく事にした。

今度は風の魔法を、と思ったが、やはり、今度は白っぽいムーンストーンのような石が出る。

何でだろう、昼は炎出たのに・・・

では光の魔法みたいなのを使おうと思ったらどんなのが出るんだろう。

ただ、光の魔法のイメージが今一つ思い浮かばないので、雷をイメージして見ようと思ったけど、今自分が居るのがお風呂と言う事に思い至って、感電が怖くてやめたのだった。

後、イメージし易そうな魔法って言うと・・・闇の魔法?

相手を暗闇に包み込むような奴、これならイメージできそう。

早速やって見るけど、又しても、今度はブラックオニキスか黒水晶みたいな石が出て、コロンと落ちた。

お風呂場なので土の魔法は控えておいた、排水口詰まるとメンドクサイし。

何処からともなく現れた石は、大事に取っておく事にした。

----------------------------------------------------------

私は一体どうやって魔法を使ったんだろう、昼のあれは間違いなく火の魔法だった。

あの宗教勧誘みたいなおっさんが言ってたのでそこは間違いない。

そうして考えも纏まらない内に睡魔に襲われ寝てしまった。

-----------------

目覚めると、もう日は高く昇って居た、時計を見ると、間もなく10時半を回ろうと言う所だった。

あ、やば、招待状これ正午前だった気がする。

日曜日ってついついゆっくり寝ちゃうんだよねぇ~。

直ぐに飛び起きてササっと寝癖を整えて、サッと着替えて居間へ行くと、母はもう仕事に出掛けていた。

あ、ちなみにうちは、私が物心付く頃には離婚をして居て父は居ない。

だから母が一人で私をここまで育ててくれている。

なので家も一戸建てとは言っても平屋建ての借家住まい、しかもだいぶんガタが来ているあばら家。

母には随分と迷惑を掛けたと思って居るので今度こそはもっと楽に余生を過ごして欲しいと思ってる。

時期的にもバブル全盛期の2年程前になるし、何故か額面を持って来れたのでこれで不動産を買って、値上がりした所で売って、とか出来たら良いなと思うんだけど中学生じゃ相手にされないだろうなぁと言う所に少し不安は有る物の、何とかしたい。

なんて考えながら母が作り置いてくれた朝食をサッと食べて自転車で駅前まで走る。

すると、居たよあのうさん臭いおっさん・・・

直ぐに私に気付いて寄って来たし。

「お待ちしておりました、早速時計台までご案内いたします。」

と言って、転移魔法みたいなのを使ってくれた、これか、このおっさんが昨日消えた理由・・・ってかこんな人通りの多い所で使って良い物なのか?

転移は本当に一瞬と言う感じで、視界の感覚は、テレビカメラが急に違う場所を映した時、『〈パン〉する』とか言うらしいけど、そんな感じ。

って、あれ?ここはすごくよく見た記憶が・・・って、時計台ってここかよっ!

近所じゃん!!!

まさか札幌時計台とは思わなかったわよ!

歩いて行けるっつーの!

あの、良くアニメや映画に出て来るような時計台をイメージしてたのにがっかりだわ・・・

「あの、時計台って、ここ・・・ですか?」

「ええ、札幌時計台ですよ?何かご不満でしょうか?」

「あの、映画とかアニメに出て来るあの時計台をイメージしてたんですけど・・・」

「ああ、良く言われます、特に初めての方には・・・ですがパスポートが無い事にはいくら空間転移とは言え渡航が禁じられてますので・・・それに、私は時計塔とは言って居りません、貴女の仰っているのは時計塔と呼ばれる施設ですね。」

「ああそうですか、妙な所で現実味が強いのね・・・」

何だか興ざめしてしまった。

「それでは内部をご案内いたします。」

入った事あるし案内される程の事かなぁ~・・・なんて思いながら後を付いて行く事にした。

「こちらで御座います。」

ただの壁に向かって手を伸ばして居る案内のおっさん・・・

「あの、只の壁・・・ン?・・・これって。」

「お気づきに成りましたね、流石に貴女程魔力があるとこの程度の隠蔽魔法は意味を成しませんね、では改めて此方へ。」

隠れた通路に入ると、それは直ぐに上へと続く螺旋階段となって居た。

その螺旋階段をひたすら上がって行くのだが、如何見積もっても札幌時計台の高さの数倍は上まで上がって来た筈・・・どうなってるんだろう。

ようやく階段が終わり、両開きの大きな扉が現れた。

「こちらです、どうぞ。」

扉の向こうは、何処と無くハリー・〇ッターに出て来た魔法使いの街のような街並みが広がって居た。

「へぇ、本当にこんななんだ・・・。」

「ええ、何故なら作者のロー〇ング女史は魔女ですから。」

「えぇ~、そんな本書いちゃってよかったの?」

「問題は無いと思いますよ?本当の話だと付け加えられたとしても本気に取る人はほんの一握りしか居ませんから。」

「成程ね・・・ってか、そんなもんなのね、まさか札幌時計台がこんな所に繋がってると言うのも驚いたし。」

「では、取り敢えず、魔法庁へ登録をしに行きましょう。」

「住民票みたいな物?」

「みたいなものです、そして登録して有れば、他国へ空間転移してもいきなり咎められる事は有りません。」

「へぇ~、それじゃあ早めに済ませた方が良さそうね、あ、そうだわ、登録に印鑑とかが居るとかって事は無いんですか?」

「要りません、指紋では無いと有効性が有りませんので。」

「そっか、そう言う事か。」

そして私達は、街並みの中にひときわ目立つ一番高い建物へと辿り着いた。

「こちらです。」

「本当に区役所のような内部の作りになって居る。」

「これはこれは、ようこそ、貴女が新しく覚醒した魔女さんですね。 わたしはこの窓口を担当させて頂いております、アリス・ワーズワースと言います。 気楽にアリスとお呼び下さい。」

「は、はい、よろしくお願いしましゅ。」

緊張して噛んでしまった。

と言うか、英語で無いといけない筈なのに普通に日本語で話してるように聞こえるのだけど、きっとこれも魔法なのだろう。

「こちらが魔導街の観光マップ、そしてこちらが魔導街に住む為のガイドライン、それと、この観光省のはす向かいにあります不動産屋でこちら側とあちら側のどちらの物件でも購入する事が可能です。」

「え、私の野望何で知ってるの!?」

「貴女の野望は知りませんが、魔法使い、魔女達は覚醒して居れば13歳以上で成人とみなされますので、普通に家の購入が可能です。そして貴女の温厚な性格なら問題ないと判断しての今回の時計台登録の経緯なので、この登録が終われば貴女は魔女としては成人と成ります・・・はいこれで登録終わりです、それでは魔導街の観光をお楽しみください、箒や杖もしくはロッドの販売店も有りますから色々見て回ると良いと思いますよ。」

「あ、そうだ、アリスさん、早速私の魔法について知って居たら教えて欲しいんですけど。」

「はい、私でお答えできるならば。」

「じゃあ・・・っと、私、学校で魔法が発動した時は一瞬何をしたのか全く理解出来て無いんですけど、家で試しに色々やって見ても発動せずに何だか小さな石が出て来るんですよ・・・」

「その石はもしかすると、魔石、と言う奴かと思われます。

宝石魔法と言う形式の魔法が有りまして、宝石を使って発動させる魔法です。

その宝石魔法が貴女の得意魔法なのでは無いでしょうか。

そして、石を使う事で魔法が発動するのですが、その為の石を自身で生み出す事が出来ると言う事、これは非常に珍しい事です。

錬金術なんて面倒な物を使う必要もなく、物質変換に近い能力のようです。 杖の専門店に行くとそう言う特殊な魔法の使い手用の杖も幾つも置いてるので、一本買っておいた方が良いと思います。」

魔法の杖ね・・・そう言うのが要り様になる訳だ。

「判りました、有難う御座います。」

つまり私の使う魔法は、〇eitシリーズの〇坂 凛が主に使うのと同じ系統の魔法を使う魔法使いだけどもあのゲームの原作のように宝石買い漁るのに莫大な額を使わなければ成らないと言う事は無く、自力で作り出せるので魔力に余裕のある時に作り置く事が出来ると言う事らしい、珍しいって言われたし・・・

物質変換?って、それじゃあ石以外にも作り出せるって事なんじゃ?

そもそもあの石は何を物質変換してると言うのだろう・・・

あ、そう言えば図書館ってあったな、魔法の図書館かぁ、調べるのも有りだな、その前に魔法の勉強ってこの学校でするのかな?

ちょっと覗いてみよう、でも今は先ず、箒と杖を探してみよう。

・・・・・有った有った、杖のお店。

戸を開けて中に入るが、何の反応も無い。

「すみませ~ん。」

「お?客か、久々に新規か。」

何だその態度、新規で悪いか。

「あ、はい、たった今申請して来た所です。」

「ほう、新人魔女か、じゃあどんなのが合うか調べないとな、う~ん、何処仕舞ったかな・・・」

ごそごそと埃っぽい棚を探してる店主のお爺さん、この人って幾つなんだろう、すっごく齢取ってる気がするんだけど・・・

「ああ、あったあった、ホレこれ持って。」

「あ、はい。」

「それは魔法の種類や強さを図る魔道具でね、そいつに魔力を流してごらん。」

「はい、こうですか?」

「おお、反応したな、ほぉ、こりゃ珍しい、4系統位の魔法が使えるみたいだな・・・そうすると、この辺りか?」

渡された杖、と言うかワンドってタイプみたい・・・には、何だか装飾がしてあったり石が埋め込まれて居て、ハリー・〇ッターの世界のような掌サイズの物では無かった。

長さ的には、新体操のバトン位?の大きさ。

装飾がされてる分、ますます魔法少女みたいな感じだ。

「そいつに普通に魔力流してごらん、先ずは4系統のうち一番得意なのが発動すると思うから・・・あ、ちなみにあまり強く流すと大変な事に・・・」

遅かった、エイッとばかりに魔力を捻じ込んでしまって、20㎏以上ありそうな巨大なルビーの原石が生成されてしまった・・・

ゴトンと言う音を立てて落ちた石を見て、杖屋のお爺さんは目を丸くして驚く。

「おいお前さん、こんなデカい魔石生み出して何とも無いのか?魔力枯渇とかして無いのかね?」

「あ、はい、何とも無いですけど・・・」

「こらぁ凄いな、こんな魔石見た事無いぞ、その杖の使い心地はどうなんだ?」

「うーん、杖使った事って初めてだけど、もう少し強い杖とかって有るんですか?」

「物足りんかね?」

「もっと杖とかって、使うと魔力スッと持っていかれる感じかと思ってたんですけど、そう言う感覚が無さ過ぎると言うか・・・。」

「ふん、それだと、これしか無いな・・・」

もっとかわいい感じの、細身のワンド出て来た・・・

本気で魔法少女か!

「これならどうかな?」

「あ・・・はい、やって見ます。」

すっと意識をワンドに集中すると、今度は吸われるような感覚がほんの少しして、更に大きな魔石が出来てしまった。

「こりゃたまげた、こいつ使えるなんて初めて見たし、何だこの巨大な魔石は・・・」

そこには、丁度アメジストドームのような、石と言うよりも岩のような塊が・・・持ち上げようとしたが持ち上がらない、何㎏位有るんだろう。

「その杖持ってって良いぞ。」

え?なんで? お金は?

「あの、お代は?」

「ああ、こんなデカい魔石持って帰れなかろう?この魔石が売れればその杖の代金に十分なるさ、気にせず杖は持って行きなさい。」

「はぁ・・・」

その瞬間、頭の中に、恐らくは杖屋のお爺さんの思考が流れ込んで来た。

『この魔石なら少なく見積もっても500万£(ポンド)にはなるじゃろ、100万£の杖位くれてやってもボロ儲けじゃ!』

成程ねぇ・・・・

「おじいさん、私に支払う分、有りますよね?」

「え?」

「ふふふ、今お爺さんの思考が流れ込んで来ましたよ?」

「そんな厄介な魔法迄発現したんか! くそう儲かると思ったのに。」

「まぁ良いですよ、儲けちゃって下さい、気にせず。」

「良いのかい?お嬢ちゃん。」

「ええ、良いですよ、素敵な杖を選んでもらいましたから。」

本当は余りにも可愛い装飾がちょっと恥ずかしいけど・・・

「それじゃこうしよう、向こう10年間のメンテナンスはこっちの負担でやらせて貰う、それで手を打たんか?」

「良いんでしか?」

かんじゃった・・・

「勿論、あんな思考読まれたら申し訳ないしの。」

アッサリ流された、そのままスルーしとこう。

「判りました、それでお願いします。」

「ああ、それと、その杖は三回回すと指輪になって所有者の指に嵌まる事に成っとるから、回してごらん。」

「こ・・・こうですかね・・・」

バトントワラーのように回して見ると、キンッと甲高い小さな音がして私の右手の中指に嵌まった、何故中指なのかは知らないけど・・・

「杖に戻す時はその指輪に嵌まっとる魔石をなでるだけじゃ。」

「こうですね?」

また甲高い音がして、杖に戻る。

「うん、うまく使いこなせとるな、その杖の所有者に認められたらしいな・・・後そうそう、これだけの魔石が作れるほどの得意魔法と言うなら、指輪形態でも魔石位はホイホイ簡単に出来ると思うよ。」

私は早速指輪に戻してから、ちょっと意識を向けて見ると、すっと魔力が持って行かれ、5㎏も有ろうかと言う魔石が掌の上に精製された、しかも今までで一番純度が髙そう。

魔力の使用に慣れて来てるみたい。

「うぉっ!重っ!・・・ウソ、こんな簡単にこんなの出来ちゃうの?」

「おお、その魔石は売って貰おうかな? 150万£でいいかな?」

「え、そんなに? でもそんな大金渡されても困りそう・・・。」

「なぁに、さっき登録した時に説明貰わんかったか?登録カード貰ったろ?」

「ええ、これです。」

「じゃあそれをこっちに向けとくれ。」

「こう、ですか?」

するとお爺さんはご自分のカードみたいなのを私のカードの上に重ねる様に合わせて魔力を注いだ。

すると、なんだかICカードの電子マネーみたいな音がして、金額がまるで立体投影の様に空中に表示される。

[£1,500,000]

もしかして電子マネーってこれが発想の原型だったりして・・・

「はいこれで支払い完了。」

「へぇ、便利ですね、これって、支払いの時どうするんですか?」

「支払う側が上に重ねて、金額を思い浮かべて軽く魔力を流すだけじゃよ。」

「判りました、色々有難う、お爺さん。」

皆さんのご意見ご感想など、お待ちして居ます。

後、気が向いたら評価して下さい、お願いします。

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