艦隊のメンテナンス
昨日は更新できなかったので、頑張ってもう1話書きます。
主人公の国は、両国の攻勢を毎回凌げる奇跡の兵器を開発した。
それが『戦艦』によって構成された『艦隊』である。
開発者はフレフレさんとアクアさん。
『神話級』アイテムの『機械の神髄』をメインコアとして、今の第一艦隊を作り出した。
格付けで言う、上の中プレイヤーを撃破できる優れもの。
第二艦隊、第三艦隊も同じアイテムを使って艦隊をメインコアにして作ったので、上の中レベルの艦隊を三つ保有している。
なんだ、上の上じゃないのかよ。と、思う方もいらっしゃいましょう。
確かに、上の上プレイヤーには歯が立たない。三つの艦隊全部使っても返り討ちに合うだろう。
しかし、トップランカーはどこの国にも属さないという了解がある。
ここでいうトップランカーがさすのは上位3名。いずれも一騎当千、万夫不当を比喩ではなく物理的に実行しうる、というより実行したことのあるバケモノである。
ただ、ランキング2位の方はスパゲッティの元お弟子さんなので、主人公たちは結構グレーなところで色々助けて貰っている。
もちろん、艦隊は三つだけではない。
『神話級』よりは一段と劣っているが、『固有級』の『機械の精髄』を使った上の下プレイヤーと良い勝負ができる艦隊もある。
第十艦隊~第四十八艦隊がそれである。
うん?四五六七八九がない!
と、気づいたかもしれませんが、作者がバカやってる訳ではありません。
作者:なんかディスられた。
『神話級』の艦隊は一桁、『固有級』の艦隊は二桁と決められているからです。
さて、ここまで合計で39の艦隊がを紹介したが、まだまだこれだけでは二大国と渡り合えるに値しない。
上記の艦隊は騎兵のように、機動力を生かしたヒットアンドアウェイの戦法をとっている。
地球でいうところの、核兵器のようなもので、絶対使わないまでとは言えないが、中堅戦力ではない。
ここからが王国の真の主力部隊の三桁艦隊の紹介である。
第百艦隊から第八百五十二艦隊。
単独の艦隊では中の上どころか中の中がやっとの量だけ多い金食い艦隊とはまさにこれのこと。
けれども、王国の支配領域が星一つも失ったことがない。
いや、正確に言うとそうでもない。
運営は事あるごとに戦争を起こす。
アイテム・スキル・名誉、エサにできるものはなんでもエサにしてプレイヤーを煽った。
それでも、大国が動じないないなら逆を取ることもしばしばある。
アメがいらないならムチを使うのは当たり前といえば当たり前でもある。
強制イベントが度々開催されては、プレイヤーはNPC、或いはプレイヤー同士でも戦った。
あるイベントで王国は一回だけ領域を奪られたことがあった。
正直に言って取るに足らない星だった。
小さく、これといった資源もなく、前線の拠点にしようにも、地層が脆く守りに適していなかった。
それでも、王国初にして、今ところ唯一の敗北となった戦いでもあった。
もちろん、主人公たちは「ふざけんじゃねー!」と叫びながら星を奪還した。
地層が脆く、建設に適していなかったその星を、財務大臣の主人公がポケットマネーで無理やりとも言える程作り変えた。
今では王国内で指折りの防衛力を誇る堅牢な要塞星の一つにまでなった。
ここだけの話、主人公がこの為に使った金額は王国の年間予算の二割程に値するとの情報もある。
数百の星を支配する王国の年間予算の二割程。それを一つの星に注ぎ込む。
それをポケットマネーで賄える我らが主人公こナポリタンを褒め称えた方が良いのか、それとも唯単に「バカーーー!!」と罵った方が良いのか。
いずれにしても、主人公の財力は恐るべし。
元々、財務大臣を任されたのも、主人公程財力を持つ者なら、財務大臣を任せても横領はしないだろうという理由からでもある。
寧ろ、財務大臣になってからは、ポケットマネーをどんどん王国に捧げているのが現状である。
それでも全然減るのを気にしない主人公は一体のなんなんだろうか。
そして今、新たなポケットマネー流出口が作られようとしている。
「ナポリタンさん!さっき会いに行こうとしたが、無用になったな!そちらから来てくれるとは!」
いつもどおり、暑苦しい格好と暑苦しい挨拶を交わす破亜斗さん。
「ま~、うちの主力ですからね。艦隊に何があれば国家滅亡待った無しですから。」
主人公も艦隊がもし、何があれば相当ヤバいのは知っている。
これは幹部だけに限ったことではなく、メンバー全員が知っている事実。
王国はプレイヤーが少なく、艦隊で無理やり数あてしなければならない。
「ところで、オレを探そうとしているのは何故です?まさか艦隊に何かあったのでしょうか!?」
万が一にもそんなことがあったら、国の維持など出来っこない。
流石の主人公もそれを想像して身震いをした。何が何でもそんなことがあってはいけない、あったら即時直さなけばならない。
「早速本題に入ろう。」
いつも、バカ笑いをしている破亜斗さんが神妙な顔持ちをしている。
明らかな危険信号だ。
主人公も、固唾を呑んで一字一句逃さないように五感を研ぎ澄ませていた。
時間が許すならスキルも使って五感を強化したかもしれない。
「ナポリタンさん、軍の予算を三倍にしてくれ。」
「へっ!?」
主人公、結構な大富豪です。
破亜斗さんが「金よこせー!」と言った理由は次話。