えっ、マジすか?
第1章入りました。
(う~ん、頭が痛い、クラクラする。なんだろう、二日酔いのあとにすぐ忘年会で上司に酒を呑まされたような痛み。)
主人公の見事でわかりやすい描写はさておき、説明を聞くに、余程の気持ち悪さらしい。
(しかも、痛みどころか吐き気もする。船に乗りながら、飛行機に乗っているような。)
どうやら主人公は水空両用の最新型に乗っているご様子。
「うん?ここどこ?」
やっと喋ったと思ったら、主人公の今更のご意見、どうもありがとう。
ここでついでに「オレは誰?」って言ったらもっと面白くなります。
見渡せば、周囲にも人がいたと本日二回目の今更を言い出す主人公。ここいる全員が初対面であることにも気がつく。
しかし、主人公は豪胆にもそっちの方に歩み寄った。
何故なら、
「フレフレさん、破亜斗さん、舞雷九さん、スパゲッティさん。お久し振りです。」
そう、主人公が(中略)な程に愛していたゲーム『シェラン戦記』の『ラーメン食おうぜ王国』のメンバーだったからだ。
リアルで会ったことはないが、バーチャルなら飽きる程見てきた顔である。
作者:こんなしょうもない作品にも手を伸ばしてくれる猛者だから、まどろっこしい説明は省略。
今時の日本の若者にとって、異世界は近所の公園よりも近い存在。
「おお!その姿は、ナポリタンさんか!久しぶりです!会いたかったですぞ!さぁ、熱い抱擁をっ!」
ポカッ!
「うちの騒がしい愚弟が迷惑をかけてすみません。よく躾ときます。」
前者が破亜斗さんで、後者が舞雷九さんだ。中期にギルドに入ったメンバーで、仲のいい?姉弟だ。ちなみに、姉の舞雷九さんの方が使っているのは男性キャラ。
(破亜斗さん、大丈夫かなぁ?上半身壁に刺さってるけど。
あの壁って確かに精鋼と虹金の合金でできているから、うん?)
「ここって、うちの国の『玉座の間』?」
「そうですよ、わたし達が建てた国の『玉座の間』ですよ。」
そう答えてくれたのはフレフレさん。
「あれは大丈夫ですかね~。」
「わたしも、壊れた壁心配はあったのですが、5回くらい破亜斗さんと舞雷九さんが『自動修復』の発動を証明してくれたので、心配ないですよ。」
(オレが心配してるのは壁ではなく、破亜斗さんなんだけど。)
破亜斗さんは戦士職の『重装甲士』で、舞雷九さんは盗賊職の『隠遁者』。
『隠遁者』の攻撃力では、戦士職屈指の防御力を誇る『重装甲士』を正面で突破できない、はず。
(でも、クリティカルが当たったらヤバイんだよね~。盗賊職って大体クリティカル率バカ高いから。)
身体の半分以上は壁の向こうに埋め込まれているが、一応ピクピク動いているところから死んではいないようだ。
「ナポさん、大丈夫ですよ。『重装甲士』はしぶとさで有名ですから。多分、恐らく死んではいないと思います。」
(おお!初期メンバーの良心、もとい全ギルドの良心のスパゲッティさん!)
スパゲッティさんは主人公と同じく、ギルド結成時の6人の1人。
『ラーメン食おうぜ王国』建国前、まだギルド『ラーメン美味しいよ』からの長い付き合いである。
初期メンバーは全員、愛称で呼び合う。
主人公の場合は『ナポ』である。
スパゲッティさんは『スパ』さんとも、『ゲッティ』さんとも呼ばれる。主人公はフルネームで『スパゲッティ』と呼んでいる。
(我が国の癒しだな~。こんな魑魅魍魎の巣穴の唯一の癒しだな~。偶にブラックになった時は、全メンバーが震え上がるくらい怖いけど。)
スパゲッティさんの職業は『聖賦与霊師』である。『賦与霊師』に『聖』がついた職業。
『聖』が付いている職業は皆して強い。
例外があるかもしれないが、少なくとも主人公は『聖』が付いていながら弱い職業を知らない。
何故、スパゲッティさんは怒ると怖いと知っているか。それは主人公が起こっている場面に遭遇したことがあるからだ。
遭遇と言っても、捉え方によっては、主人公は当事者でもある。
ギルドがまだ、そんなに強くない時期。
他のギルドからケンカを売られたことがある。
まぁ、そんなことなど数えるのもうんざりな程あるから、別に珍しくもない。
しかし、彼らは我らが癒し様に#言ってはないない言ってはならない禁句を言ってしまった。
スパさんは腹黒キャラじゃないですけど、怒ると非常に怖いです。