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カタストロフ・クリーク  作者: 海風 奏
第1章 聖戦の幕開け
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第11章 予選 遭遇戦

遅くなりました。次からはペースアップをします。

「えーっと、それでは怠いけどルール説明をする。予選は遭遇戦。本戦出場は16チーム。こんなもんで理解しろ。では今から予選会場を《創る》」


と、沙貴音さんが言った。ほぼ全員がハテナを浮かべる中、5人ほどその意味を理解する。


「ねえねえ、創るってどう言う事?」


サラが僕の袖を引っ張り言う。僕はそれに対してニコッと笑ってみせた。


「凄い物が見れるよ。《叡智》と2つの《そうぞう》がね」


「【我が《叡智》よ、我が《想像》と《創造》よ、我が声に従え】」


「【我が《叡智》が《想像》するは万物を閉じこめ喰らう魔窟】」


「【その《想像》を《創造》せよ、全て我の為に】」


沙貴音さんは3文詠唱を終わらせ、発動の一言を静かに告げる。


「【バベル】」


詠唱を終えた沙貴音さんはそう呟いた。すると蒼穹に浮かぶ、歪で禍々しい城が生成された。そして急に僕たちはその中に転移された。

【バベル】。本来は4文詠唱で、敵を魔物が住む城に閉じこめ、中にいる魔物に喰らわせるという魔法だ。だが、それを3文詠唱にすることで魔物が発生しない。


「では諸君、戦闘を始めたまえ」


沙貴音さんはカウントも無しに予選を始めた。まあ予想してたけどさ。

さて、ここは遺跡の中か?派手にやると崩れそうだな。


「ひとまず移動しよう。ここら辺でドンパチやると崩れそうだし」


「そうだね。行こっか」


サラそう言い、春華は首を縦に振った。しかし、エリーは何も言わず動かずだった。


「エリー?」


「え?なに?」


「何じゃないよ。どうした?どっか具合悪いか?」


僕がそう聞くとエリーは両手をぶんぶん振りだした。


「だっ、大丈夫!問題無い」


いや、絶対大丈夫じゃないだろと思ったが、一応エリーの言葉を信じることにした。


「何かあったら言えよ?」


「うん。分かったよ」


「じゃあ改めて行こうか」


そう言って、僕は先頭を歩く。いつ敵と遭遇するか分からない。僕は警戒しながら進む。


「ねえ、刀夜。行くのはいいけどどこ行くん?」


「ここじゃなければいいからな、草原とかないかなって」


「ここにあるの?」


「あの沙貴音さんだ。なにかしら色々してるんじゃないかな」


そうこう言っている内に、出口っぽいのを見つけた。出てみてびっくり。本当に草原があった。森もある。


「「うっそ…」」


サラと春華が声を合わせそう言う。エリーは辺りの警戒をしているようだ。


「誰かいるか?エリー」


「いいやー、誰も」


「そうか」


と言って僕も警戒に入る。見渡しが良いのは敵も同じ。いつ攻めてくるか分からない。


「あ、みんな行くよ」


とエリーが言った。矢が狙う先に2グループで共闘している奴らがいた。

準備運動には適しているかな。僕と春華が前線を行く。サラは遊撃手として僕と春華の後ろを走り浮遊砲の標準を合わせ、僕達がある程度進んだ所でエリーが矢を放ち、サラも数瞬遅れて撃つ。

ここでやっと敵の数人が僕達に気づく。しかし遅い。エリーの矢で2人が脱落した。続いてサラの砲撃で3人脱落。僕と春華で3人を脱落させた。


「………よっわ」


「ぶふっ…春華、それは言っちゃいけない」


「いや、刀夜今笑ったでしょ」


ごめんなさい笑ってしまいました。と心の中で謝りながらそっぽ向く。さてーー


「《夜牙一閃》…」


僕は刀に、蓄えておいた《夜》の魔力を取り込ませる。


「《影色かげしき》」


僕は後ろを向き、遠距離斬撃を飛ばす。

飛んで行く低威力の重い斬撃はある地点で突然止まった。


「リューネの《ミラージュ》を見破るとは、中々だな水蓮寺刀夜」


「…刀夜で構わないよ。《ミラージュ》は一見完全な透明化魔法に見えるけど3分に1回、1ミリ程の波が立つ。波が立てば空気が不自然に揺れる。だから居場所が特定できる」


「お前えぐいな」


「どうも。でも彼女の《ミラージュ》は波が1ミリより小さかった。そんな高度な《ミラージュ》が出来るのは神装印、《ウェンデーネ》だけ」


こんな感じでつらつらと喋ったらハヤテがちょっと引いてた。


「お見事です刀夜さん。バレない自信、あったのですが」


と、ハヤテの横から大人びている女の子が現れる。濃い青髪ロングで水色の瞳。顔立ちや身長などなどで本当に大人に見える。


「こんにちは、リューネさん。そしてユーリさん、恵梨さんも」


僕はリューネさんの後ろに隠れたリューネさんそっくりの女の子と、ハヤテの横にいる橙色の髪と目をしたハヤテ並みに身長の高い女の子の名を呼び、挨拶をする。


「トー君よく分かるね…」


と、サラが耳打ちしてきたのは黙っておいてっと。


「僕たちの名前は分かるよね。きっと調べられた」


「はい、調べさせてもらいました。エリーシャルロットさんが少し情報不足ですが」


やはりか。ならエリーがちょっとした切り札になったりは…ないな。ちょっとした誤差くらい直ぐに対応出来るだろう。


「まあそんなことはさて置き、どーするん?戦うん?」


恵梨さんがそう言った瞬間、エリーの雰囲気がガラッと変わった。この僕がゾッとするくらいに。


「いいや、ここは共闘しようや。お前らとは決勝でしか当たりたくねえ」


「決勝で当たるかは分からないだろ」


「分かってねえな。クジでランダムとかいいながらどうせちょっとはイジるだろし。決勝がつまんなかったら嫌だろ?」


確かに、一理あるかもしれん。なら別にいいか、生き残るのも楽になるであろう。


「分かった共闘しよう」


「そうこなくっちゃ」


僕とハヤテはお互い軽く拳をぶつける。


「さて、途中経過を見よう」


僕はいつの間にか配布されていたスイッチを押す。するとマップが浮かび上がった。


「えっーと、1、2、3、4………19か。あと3チーム脱落。それで終わる」


「おーけーおーけー。どうする?待つか?」


「個人的には早く終わらせたいかな」


そう言うとハヤテがニヤリと笑った。恐らく、意見が一致したのだろうと直ぐに察した。


「行こうぜ、戦闘しにさ。他の奴らはそれでいいか?」


と、ハヤテが言う。僕はサラたちの方を向いた。


「ボクは賛成だよ。早く休みたい気分だからなー」


「ま、いいんじゃない?」


「トー君がそうしたいなら」


「という訳で異論は無い。そっちは?」


僕はサラたちに異論が無いことを確認し、ハヤテの方を向く。


「こっちも無いみたいだ。じゃあ、行こうかね」


「勝手に仕切るなよ」


チームワークの悪そうなこの同盟は、大丈夫だろうか?心配しかなかった。がそれは数分後に覆される。

2チームで同盟を組んでいる奴らと出会った。なぜかわからんが上手く連携出来て、30秒で終わった。

誰1人、なぜ連携出来たのか説明の出来る者はいなかった。


「不思議だよ」


「何がって聞く必要がねえな。同感だ」


僕とハヤテはみんな無言の中、一言ずつ呟いた。しっかし、平和だ。平和過ぎる。


「そういえば漫画とかだと、予選って最後に強敵来るよなー」


「それは主人公に、だろ?この中に主人公はいるのか?」


「俺だろ」


「ハヤテはなんか違うんだよな」


と、思ったことを言うとハヤテは不満そうな顔をした。


「じゃあ誰が主人公になるんだよ」


「知らんけど、いきなりの敵の奇襲。それでぶっ飛ばされるやつ?」


「あー、その展開は中々あるな」


そんな会話をしていると、僕は腹に衝撃を覚える。気づけば見事にぶっ飛ばされた。


「…痛え」


僕はそう呟き、空中で体勢を立て直す。受け身をしっかり行い、正面を見据える。

そこには、体の一部が機械でできた4人が立っていた。


「エイン・ツォウクたちだな」


ハヤテがそう呟いた。僕はハヤテたちがいる所に歩いていき、《弧月》を抜刀する。そんな僕を見て、ハヤテは言った。


「まさかお前が主人公か?」


「んなわけないだろ」


僕はそう言い、刀を構えた。


「ハヤテは普段通りに戦え。僕が合わせる」


「そいつはありがてぇ。じゃあ行くぜ!」


「サラ、エリー、リューネさん、恵梨さん、援護頼めます?」


僕が聞くと、4人は頷く。


「春華は前線に来てくれ」


「了解」


「ユーリ、お前は強化よろしくな」


「う、うん。頑張るよ、ハヤテ」


「よし、行こうか!」


そう言って、ハヤテが走り出す。僕はハヤテの横を走り、一歩後ろを春華が走る。そしてサラ、エリー、リューネさん、恵梨さんの遠距離攻撃が広範囲広がり、凄まじい音を生み出す。その間にユーリさんが魔法陣を組み、発動。その発動された魔法陣を見て驚く。


「反物理か。すごいな」


反物理や反魔力などの跳ね返しの魔法陣は複雑で、組むのに時間のかかる。それを中々の短時間で。

このくらい早ければ、たった1回の跳ね返しもかなり使えるものになるだろう。


「行くぜ刀夜!《アレス》、《アインライサー》!」


「改めて言わなくていい!《月読命ツクヨミ》、《弧月》」


「なんだかんだ仲よさそうだね。《フレイ》、《リューヌ》」


僕たちは〈神装〉と武器を顕現させ、走る。


「エインどうする」


「イェンソン、ぶっ放せ」


「了解」


そんな会話が聞こえた。春華は右、ハヤテが左に行き、僕は前進を続けたその刹那、イェンソンさんの右腕から銃口が現れた。そして連射。連射速度はコンマ5秒に1発といったところか。


「《白夜烏》」


静かにそう言い、左手に持つ。そして極限まで集中し、銃弾を斬る。そして弾切れを狙って加速魔法陣を5重に組み発動させた。


「まず1人」


僕はデカイ図体にに一閃、斬撃を浴びせる。


「刀夜あぶない!」


「え?」


春華にそう言われ辺りを見渡すが誰もいない。


「前!前だよ!」


僕は前を見る。そして驚いた。イェンソンがいた位置に少し小柄な人が立っていて、すでに攻撃体勢にはいっていた。デカイ図体で見えてなかったのか。


「ッ……‼︎」


僕は無理矢理体を捻る。反物理の魔法は先ほどの被弾で消えているからだ。

しかし攻撃は当たったが気にするほどではない。僕はそのまま回転し、刀の柄で思いっきり頭部を殴る。

そしてバックステップを行い一時後退する。その瞬間、僕の膝がガクンと折れた。


「トー君!?」


心配してか、サラが走って来る。


「ごめん、大丈夫だよ」


僕はそう言い、立ち上がる。しまったと思った。あの攻撃、固定ダメージ系魔法陣だった。


「刀夜、行けるか?」


「ああ、問題ないよ」


「じゃあ行こうぜ、あとは問題児2人だ」


「了解。サラたちは援護を頼む!エリーは接近戦に!」


そう言って走り出す。すると直ぐに短剣に持ち替えたエリーと春華が追いつく。その瞬間、砲撃が地面に刺さり砂埃を巻き上げる。_ユーリさんの強化魔法陣で強化された僕たちは躊躇無く飛び込み、1人は僕が、もう1人はエリーと春華が攻撃を浴びせる。


「ぬぐぅっ…」


「ちっ…」


いける。押せている!僕は上手く攻撃し、もう1人の方へと近づけて行く。


「エリー!春華!離脱!」


僕は叫んだその刹那、ハヤテが大剣を地面に叩きつけた。離脱が遅れた僕は普通にぶっ飛んだ。


「わりー!刀夜!」


僕は「はぁ」と短くため息をつきハヤテの元に歩いて行く。


「ハヤテの剣、そんなデカかったか?」


「わりーな、デカさ変えられるんだわ。あと、連携しようとしたけど、逃げちまったな」


「あれで正解だと思うし、いいよ。しかも逃げてくれた方が捌きやすい」


「そか、なら結果オーライか」


そう言ってハヤテがニカッと笑う。それを見た僕は後ろに一歩下がろうとして、止めた。


「……予選が終わったのか」


いきなり【バベル】の外に転移されたのだ。


「おめでとう、諸君。君たちが、本戦出場だ」


予選は突然始まり、突然終わった。

まあいい、とりあえず本戦出場を喜ぶとしよう。

本戦は次の次から。刀夜たちは1日休憩です。

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