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玉砕大尉の異世界英雄伝  作者: ペコちゃん
権力と統合
76/77

圧倒

オースティンとプロセリアの戦争は、首都を包囲されたプロセリアがオースティンの降伏勧告に応じる形で、3週間という短時間で終了した。


オースティンの出した条件は戦前の両国間の懸案事項及び戦争の原因についてプロセリアが全責任を認め謝罪し賠償すること、オースティンに対する関税権の剥奪、警察機能以外の軍隊の制限など多岐に渡り、無条件降伏に近い厳しい内容であった。


にも関わらず短期間でプロセリアが受け入れた理由は、後に歴史家によって様々な要因が検証された。


最も大きな要因は、オースティンとプロセリアの軍備の近代化の差と言われており、オースティン軍の行った軍事作戦はその後の戦争に大きな影響を与えた。


グリフォンを用いた戦略爆撃と上空からの魔術攻撃は絶大な効果を上げ、プロセリア軍はどこにいても攻撃の危険があったため、防御魔法を常に展開する必要があった。そのため、魔術士の消耗はそれまでの戦争の比にならないほどで、戦争後半にはほとんど機能していなかったとされる。


さらに、この戦争で本格運用されることになった魔術銃砲類は防御魔法を貫き、遠距離攻撃の概念を覆した。騎兵が主力であるプロセリア軍に大きな損害与えオースティン軍の有利を確実にした。戦争序盤のバルバドス平野での戦いではプロセリアが数的有利にも関わらず、魔術銃砲類の活用でオースティン軍はほぼ損害なしで勝利している。


周辺諸国もプロセリアに抑圧されていたこともあり、初戦でオースティンが圧勝すると、こぞってプロセリアに宣戦布告をした影響も大きい。宣戦布告こそしなかったがフラレシア王国もオースティン支持を表明し、プロセリアの国際的な孤立が深まった。


他の要因としては、プロセリアがオースティンとの経済戦争に既に敗れている状態での戦争であり、そもそも戦争を存続出来なかったという説、本来ならマーシアが参戦する予定だったが、オースティンの牽制により参戦を断念したため早期の戦争終結をせざる得なかったという説などがある。


ただ、どの説にしろ英雄ラース リットラントが重要な役割を担ったことは疑いようがない。


あまりに荒唐無稽で語るべきではないかもしれないが、三千以上の兵を単身で打ち倒したり、数十km離れた場所から個人による遠距離魔法で王都の城壁と王城を破壊したりと、プロセリアの王族から一般市民に至るまで恐怖させ終戦を早めたとの俗説まであるほどだ。


ここで、当時のプロセリア政府がラース リットラントを異常なほど警戒していたかがわかる例を当時の言葉から紹介することとする。


新兵器や新戦術などなくても、ラース リットラント一人いればプロセリアは敗れていただろう。(近衛隊隊長)


ラース将軍を殺すのは、南部大陸を統一するより困難だ。(軍部武官)


敗因は決まっている。我々は最大の障害を取り除くために、あらゆる手段と全ての労力を用いたが、取り除くことができなかった。そう、ラース大公爵を取り除くことが出来なかったのだ。それが全てだ。(外務次官)


アレと戦うぐらいなら、素手でドラゴンと戦った方がまだマシだ。(ある兵士の言葉)


この戦争は、以前より恭順していたフーリア公国に加え、マール、ベルッテ、ポルーセなどの中小国がオースティンとの軍事経済同盟に舵を切る切っ掛けとなり、オースティンをただの軍事大国から南部大陸全体の経済、安全保障、政治に強い影響力を持つ超大国へと変貌させることになる。

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