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玉砕大尉の異世界英雄伝  作者: ペコちゃん
第5章 世界の形
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妻達

陛下との話の後に、ミリィ達が待つザルフ邸へ向かう。


部屋に入ると、セロアがシルビアに抱っこされていた。


「あの…殿下…ラースも来たのでそろそろ離していただけませんか?」


「良いではないか…同じ妻同士…親睦を深めるのも大切じゃ。」


何やってんだ?このポンコツは…本人に聞いてもまともな答えを期待できないので、疑問の視線でミリィを見る。


「…シルビア殿下は無類の子供好きなんだけど、魔眼のせいで子供に懐かれないの…それで、怖がらないセロアさんで発散しているみたい。」


なるほど、ポンコツだな。


「殿下…」


「なんじゃ!その阿呆を見るような目は…さっきも言ったが妻同士で親睦を深めとるだけじゃ!」


「そうですか…とりあえず、真面目な話をしたいのですが…」


「そうか、始めろ。あと…いい加減に殿下はやめろ。夫婦になったのだから敬語もな。」


いや、セロアを抱っこするのやめろよ…まぁ、いいや


「つい慣れなくてね。今後の国際関係としてはプロセリアとの同盟は維持しつつ、フーリアとフラレシアとの関係強化を図る方向で決まりそうだ。それと、僕の部隊を使用した飛行部隊の訓練とブルセント商会の件ついては、認めていただいた。商会については、ミリィに任せていいんだね?」


「うん、というよりはそれしか役に立てそうにないから…ラースの考えた商品は質もいいし、数も揃いそうだから問題ないはずよ。」


「分かった。任せる。シルビア…魔法剣の分業についての研究はどうなってる?」


「うむ…正直言って厳しいな。ラースが三千の兵にやったというのが信じられん、優秀な魔術士でも防御と強化…それと回復を担当すれば相当量の魔力を消費する。最も上手くいった例で、魔術士一人で13人の剣士を帝政の魔術兵と同程度に強化できたが…部隊運用となれば緊張などで容易に崩れかねんな。安定的にするならその半分くらいの人数だろう。」


「そうか…優秀な魔術士をどうやって手に入れるかが問題だな。リットラントは強力な兵と騎兵はいるが魔術師は他の領と変わらん程度しかいない。まぁ…引き続き頼む。あと、魔石の発掘も頼む。」


視線を少し下にずらして、抱かれているセロアを見る。


「セロアに頼んだ…遠距離念話の件はどうなっている?」


「色々工夫してますが、2km程度なら問題無く通信できます。魔石を使えば質にもよりますが、最低でもその10倍はいけると分かっています。」


「なるほど…それならすぐにでも使えそうだね。小隊同士の連絡に通常の念話…司令室による全体連絡に魔石を使えばいいかな?」


「はい。あと…念話の実験の途中で遠く離れた部隊の位置が分かる方法も見つけました。ラースが以前やっていた空気を用いたモノより広範囲に把握できます。」


「へぇ…それは味方限定かな?」


「いえ、思念によって変えることが出来ます。例えば、敵意に限定すれば敵の位置も探査できます。ある程度の大きさのものなら特に思念を限定しなくても識別可能です。」


「なるほど、その探査魔法も調べてほしい。どのくらいの大きさのものをどのくらいの距離で把握できるか詳細にお願い。」


「分かりました。」


「あと、これはあくまで提案なんだが…ミーア族を魔術士として雇えないかな?中級魔術士なら千人近くいるはずだし…」


「個人的には反対です。体力が人族と比べると弱いですから兵としては役に立ちません。」


「うん…戦闘の頭数には入れられないけど…防御魔法や強化魔法なら問題ないはずだ。それに、訓練すれば大半のミーア族が中級程度使えるはずだよね。分業で人族が戦い、それを後方で補助するならどうだろうか?もちろん、危険はあるから強制はしないけど。」


「…志願制なら、評議会も承認すると思います。同族を戦いに巻き込みたくないですが…オースティンが負ければ全員処刑か奴隷ですから、少しでも役に立てるなら参加する人も多いかもしれません。」


「それでは…多忙なところ申し訳ないが、ミーア族にその旨を伝えてもらっていいかな?転移が必要なら言ってくれればすぐに準備するよ。」


「分かりました。」


「それじゃ、堅苦しい話はこれくらいにして夕食にしようか…あと、シルビアはいつまでセロアを抱いているんだ。いい加減に僕に返してくれないか…?」


そう言ってシルビアの手から、セロアを抱きあげる。


「なんじゃ…夫のモノは妻のモノも同義であろう?」


文句ありげに言いつつも、素直にセロアを渡すシルビア


「あのーどうでもいいですが…私の方がお二人より年上ですからね。そこのところをお忘れないように!」


ふざけているとセロア先生から怒られてしまった。


「ふふふ…」


見ていたミリィが笑う。


「何がおかしいのじゃミリィ?」


「いえ、先日まであんなに怒っていたのに仲がいいなと思いまして…」


「むぅ…それはそうじゃ元からセロア殿は何も悪くない。悪いのは全部…発情期の犬並みラースじゃ」


「悪ぅございました。」


こうして冗談に出来るようになったのは本当にありがたい。シルビアとセロアの仲がこれほど良くなるとは思わなかったが、嬉しい誤算だ。


まぁ、妻が優秀すぎてやや頼りすぎな気もするが…使える人間を遊ばせておく余裕はない。


まぁ、5年、10年と長期的な話だ。無理をしてもしょうがない。息抜きを上手く入れながら…休日は家族サービスに精を出しとするか。

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