世界地図
中央大陸、南部大陸と呼ばれる地域に生活する一般の人々の文明レベルは欧州の中世に相当する。ただし、魔法を使用できる貴族の生活は、魔法を用いた電灯や身体の洗浄、室温の操作など近代と遜色ない生活をしている。
軍事に関しては、未だに弓や剣が用いられている。魔法の軍事利用は聖魔戦争により、その技術の大半が失われた。
魔法による遠距離攻撃は魔力の消費が激しく、操作性に難があるため、竜巻や爆破などを限られた状況でしか使用できない。
また、防御魔法の発展により無効化される可能性が高いことや使用できる者が少ないことも実用化を妨げる原因である。
そのため、身体の強化、風魔法による妨害など補助的な魔法を使用することが多い。その中でも多用されている魔法が、防御魔法であり、一定の限界はあるものの、展開した方向のあらゆる攻撃を防ぐ効果がある。
有史において、魔法の軍事利用で最も成功した例は、マーシアの魔術兵団である。一人一人が魔術と武術に優れ、互いに強固な防御魔法を展開しつつ、魔法で強化された攻撃を行う。非常に単純だが、旧オースティン領で五百の兵でオースティンの1万の兵を退けるなど戦果が著しい。
魔術兵団がマーシア以外で実用化されていないのは、大きく三つの理由がある。1つ目は魔術兵団と戦った国のほとんどがマーシアに併呑されていること。
2つ目は魔術兵の教育や維持に莫大な費用がかかること。マーシア以外の国家は中央集権化が不十分であり、例えば、オースティンなどは防衛を各地方領主に任せているのが現状である。国軍が最大戦力であることは変わりないが、帝国の魔術兵団に類する部隊は近衛隊のわずか500に限られる。
3つ目は、そもそも魔術に秀でた者をそれだけ集めることができないのである。地方領主にとっても魔術に秀でた者は貴重であり、軍事に集中させているマーシアが異常なのである。
そのため、帝政マーシアは中央大陸をほぼ統一しており、人口で言えば南部大陸の国家を全て合わせた数よりも多い超大国である。
元来は南部大陸の国々が文化的先進国であり、中央大陸は小国分立状態でマーシアも南部大陸の大国であるオースティンの属国に過ぎなかった。
ただ、住民は先住民が多く、先述の魔術兵団を中心とする革新的な魔術利用により、独立を勝ち取り、300年の間に中央大陸を統一するに至っている。
ただし、中央大陸北部は砂漠により、領土拡張が困難になっており、先進地域である南部大陸に触手を伸ばしている。
オースティンは南部大陸の大国であり、南部大陸で最大の国家である。温暖な気候であり、農業、工業共に盛んで、資源も豊富であるが、ミットラント山脈を挟んで帝政マーシアと国境を接しており、山脈以北の旧オースティン領は帝政マーシアに占領さている。
陸軍、海軍共にマーシアが有利にあるものの、陸軍は山脈により、海軍はオースティン近海の特殊な潮流により、侵攻を妨げられている。また、オースティン軍自体も強力であり、過去何度もマーシア軍を撃退させている。
海洋国家フーリア公国はオースティン王国と縁が深く、オースティンと長年の協力関係にあり、フラレシア王国と共に外洋におけるマーシアの進出を阻んでいる。
南部は、大国オースティンと地域大国のフラレシアとプロセリアの2か国、フーリア、ポルーゼ、ベルッテ、マールなどの中小国家とマーシアの植民領からなる。文化的にはオースティンと似ており、言語も近い。
聖魔戦争以前は、南部大陸と中央大陸にも亜人が多く住んでいたが、亜人に対する弾圧がひどくそのほとんどが駆逐されている。現在の南部大陸では、強い魔力を持ち、姿が人に近いハイエルフやミーア族が、オースティンで保護されている以外は、ほぼ存在しない。
中央大陸においても、北部ズール大砂漠で遊牧生活を送るダークエルフなどが確認されるのみである。




