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玉砕大尉の異世界英雄伝  作者: ペコちゃん
第3章 英雄の凱旋
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戦争の始まり②

リットラントには予定通り三日で着くことが出来た。そこには、懐かしい風景が広がっている。


「自然豊かで素晴らしいところじゃな。」

エトグリークの故郷を褒める言葉に、気を良くしていると、リットラント家が見えてきた。こちらも、戦争の準備で忙しそうだ。


庭の真ん中に降り立つー兵士や使用人たちの注目し固まっている中、赤髪の男が歩み寄ってくる。


「父上…ただいま戻りました。」


「デカくなったな!ラース…お前の活躍はザルフから聞いている。近衛騎士団の団長をぶっ飛ばしたって話もな。」


「いえ…引き分けですよ。あれは」


「フハハ…謙虚なのも変わってないな!」


「ラース!」懐かしい声とともに駆け寄って来たのは、暗い銀髪に蒼眼とラースそっくりの顔を持つ…キャルロアだ。


僕を見ると思いっきり抱きしめられた。

「ラース!会いたかったわ。」


「母上…ただいま戻りました。」


「おかえりなさい…ラース」


「ラース…とりあえず長旅で疲れてるだろう。キャルロアと部屋に行ってろ!俺もひと段落したら行くから。」


僕は母上と共にリビングに向かう…母上が途中で会った使用人に、お茶と軽食の準備をお願いしてくれた。


届いた軽食を食べながら、キャルロアに王都に行ってからの話をした…キャルロアも僕にたまに遊びにくるセロアの話などをしてくれた。


「やはり、先生はミットラントにいるんですね…」そう言うと空気が途端に重くなった。


「ええ…侵攻前は文通のやりとりもしていたのだけど…今は文通のやり取りも難しくて…安否もわからないの…」


ミーア族は魔術の得意な種族だゲリラ戦に徹すれば、同数の正規軍が相手でも持ちこたえることができるだろう。


ただ、今回の帝政軍は先遣隊だけで2万を軽く超える。ミーア族だけでは戦えない…もって1週間ってところだろう。などと考えているとゼロフィスが姿を見せる。


「しかし、あのグリフォンは見事だな!今度、乗せてくれ…ん、どうした?」

空気も読まず、元気に入ってきたゼロフィスを母上と僕で睨むーー。


「…そうか、セロアのことか?」


「はい…出来れば早い段階で合流したいので…詳しい場所を知りたいのです。」


「まさか、お前…ミットラントに行くつもりか?バカ言え死ぬぞ…」


「いえ、死ぬつもりはありません。セロアと合流したらすぐに逃げます。」


「そんな無謀なこと、俺が許すと思うか?」


「いえ、父上が許さなくとも僕は行きます。」そう言って僕は、国王の親書をゼロフィスに渡す。そこには、王国軍を率いる指揮官の名前として3人の名前が書かれていた。一人は王族の将軍で、一人はもちろんゼロフィスだ。


そして、もう一人の名前を見てゼロフィスが目を剥く…そこには、僕の名前が書かれていたのだ。

「な…ラース…お前が指揮官だと…」


「その通りです。父上…ですから父上と僕はこの戦争に限り対等です。それに、この潜行の任務は王陛下の命令です。」

半分本当で半分嘘だがこのぐらいのハッタリは許されるだろう。


「…つ、わかった。好きにしろ!気に食わないが、仕方ない!ただし、俺はお前の父親だ…お節介はやくし、何かあれば言ってこい…出来ることがあれば協力する。」


ありがたい、僕は早速いくつかのお願いをした。いきなりのお願いにゼロフィスは面を食らっていたが…快く引き受けてくれた。


これで、準備は整った。明日からは潜行し、帝政軍の動向を探ろうーー最近はずっと野宿だったので、暖かい布団でねむれるのは嬉しい。などとたわいのないことを考えながら、僕は眠りについた。


次の日、ゼロフィスとキャルロアに見送られながら…ミットラントに向かう。山脈を越えた所で…地面スレスレを低空飛行で移動する。


まずは、風魔法を駆使して帝政軍の規模を探る。すぐに位置を把握し、目視されないギリギリのところまでエトグリークで行き…その

後は歩いて向かう。


見えてきた…先遣隊の規模は3万人、オースティン側の準備が整う前にこの数でリットラントに侵攻されたら、厳しい戦いになるだろう。


そう考えながら…騎馬隊や歩兵の規模や装備を探る。武器にオースティン側と大きな違いはない。ただし、魔術専門の部隊が明らかに多く、魔術の重要性を知っている布陣だ。


感知魔術も発達している可能性がある。必要な情報は得たので、感知されるまえにその場を後にする。次に向かったのは、セロアがいる村だ…地図を見ながら移動する。


夜通し飛行し、夜が明ける直前にセロアの村近くの山林に到着する。様子を伺うと目的地の付近で煙りが上がっているのが確認できた。嫌な予感がする。エトグリークを全速力で飛行させ現場へ向かう。


そこで…僕が見たのは、小規模な村に侵攻する。帝政軍の姿だった。

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