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堕天のナイフ  作者: ゴマちゃんなしでは生きられない (ゴマなし)
10/30

★『堕天使』と呼ばれる男2

「…高いな、ここ」


まだ建設が完成していない未完成なタワーから、全身を夜に馴染む黒色の服で包み、男は都市部を見下ろしていた。遙か遠く、一台の車が道路の中央で横転し、都市部に似つかわしくない煙が狼煙のように上がっていた。

ところで、来年めちゃくちゃ高いタワーが新設されるとは聞いていたが、これ程高いとは思っていなかった。風が強くて気を抜けば落ちそうだ。目元まで被ったフードがせわしなく振動を繰り返す。


『……コードネーム、『堕天使』、応答を』


イヤホンから流れてくる色気のある聞き慣れた声に惚れ惚れとする反面、ああ、どう言い訳をしようかなと考えるのはもう何度目だろうか。


「……『堕天使』、黒崎晴翔、ここに」

『ああ、会いたかったわよ晴翔。』


柔らかい物言いに聞こえるかもしれないが、実際イヤホン越しで聞いてみると、声が笑ってない。命令無視が効いているようだ。会いたかった、なんてよく言えたものだ。


「マーヤ、頼みがあるんだ」

『こらこら、仕事中は名前を使わないで頂戴。今はまだ、女神の様な美しさを持つ美少女、『ヴィーナス』よ』

「女神云々はともかく、美少女ではないのは年齢を見れば明らかだな」

『…命令無視による処罰の件、どうしようかしら?』

「……美少女だぞ、ヴィーナス」


いよいよ怒気が籠ってきたので空気を和やかすために戯けて見せる。イヤホン越しからため息が聞こえてくる。司令塔様も大変だろうなぁと思う。


『まずはこちらの質問に答えて頂戴。貴方、今どこにいるの? 本来貴方にはエルトニアビル屋上にて待機命令を言い渡していたはずよ』


確かに命令通りの手はずなら俺はそのビルに待機していた。だが、


「…まだ建設途中のタワーの頂き付近に座ってる」

『まさか…来年建設予定のイングラムタワーの事?!』

「そうだ。ヘリで移動してこの地域に来たが、俺はこのタワーを見たことがなかった。だから昔の友人に頼んで降ろしてもらったんだ」

『…カナリア運転員ね。全くあの人は…』


カナリアという男は昔からお世話になった、俺みたいな奴らを現場に送り込む運転員の仕事をしている奴だ。


「俺の名前は出すなよぉ!? 絶対出すなよぉ!?」


と、どこかの芸人の如く釘を刺されていたが、ばれたのなら仕方がないだろう。俺は言ってない。俺は悪くないぞカナリア。


『そこから狙い撃ったのね?』

「ライフルは得意ではなかったが、上手くいったみたいだな」

『相変わらず規格外ね』

「『死に神』や『黒メイド』には敵わないのはお前はよく知ってるはずだ」

『……そうね』


俺の知る仕事仲間の中では『黒メイド』と『死に神』のコードネームを持つ者は別次元の『何か』を持っていた。


『…そういえばもう一ついいかしら? 貴方、コードナンバー4649の狙撃の妨害とかしてないわよね?』

「妨害をするメリットがないだろう、俺に」

『そうよね。じゃああれは…』


『ヴィーナス』様には気になる点があるのかもしれないが、そんなことよりも俺には大事な話がある。


「……ところでマーヤ、そろそろ俺の頼みを聞いて欲しい」

『こういう時に都合よくマーヤとか呼ばないの。…なに?』


ここから見える夜空は綺麗だ。日本ではそうそう見ることはない。そろそろ肌寒くなってきて身体が冷えかけてきた俺は、星を眺めて言った。


「…………命令違反、すまなかった。お願いだから帰りのヘリを飛ばしてくれ。帰れないんだ。」


以前の僕ならば、ヴィーナスって聞くと、パズドラの可愛らしいヴィーナスが浮かびました。あれ可愛いですよね。でも最近、それよりも早く貝殻の上に乗った全裸の顔がヤバいお姉さんの事が真っ先に浮かびます。ヤバい。僕の頭が。


ところで、メインストーリーが一旦終わります。こうして富樫並みの引き伸ばしをしていくのが僕です。次回からはまたコメディ路線。しかもハロウィンネタ? 書くの楽しみだひゃっほーい。

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