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一足目
「失礼します。今日からお世話になります、渡会奈緒です。1A担任の狭山先生はいらっしゃいますか?」
ハキハキと用件を告げる。
「おー渡会。こっちだ」
入って右手奥の机で、書類を整理していた男性が手をあげた。
「失礼します」
出入口で一礼して、中に入る。
「すまんな。 ちょっと座って待っててくれ」
「はい」
勧められた椅子に腰掛け、狭山の手が空くのを待つ。
朝のHR前の忙しい時間帯……の割りにどの教師も、ゆったりとしている。慌ただしいのは生徒だけ?
「そんなに先生方が珍しいのか?」
ジッと観察していたら、上から声が降って来た。




